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弁護士コラム

2019年01月07日
  • 性・風俗事件
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ストーカーで警告された! 警告後にすべきことと、加害者家族が知っておくべき法律について

ストーカーで警告された! 警告後にすべきことと、加害者家族が知っておくべき法律について
ストーカーで警告された! 警告後にすべきことと、加害者家族が知っておくべき法律について

警察庁が発表している「平成29年におけるストーカー事案および配偶者からの暴力事案等への対応状況について(詳細)」によると、ストーカー事案の相談状況は平成24年以降増加傾向にあり、平成29年には2万3079件にも上っています。

ストーカー事件は、身近な犯罪として認識されつつあります。突然、家族が加害者として警察から警告される、あるいは被害者から訴えられることもあり得るでしょう。

万が一、自分の家族がストーカー行為をしてしまった場合、警察からの警告を無視したらどうなるのか、逮捕された場合に被害者との示談は可能であるか等、ベリーベスト法律事務所の弁護士が解説します。

1、ストーカー行為とは? つきまといとの違い

「ストーカー」と「つきまとい」は同一の行為と考える方が多いかもしれません。しかし、この2つの違いに関しては、「ストーカー規制法」と通称されている、「ストーカー行為等の規制等に関する法律」(平成28年12月14日法律第102号)でそれぞれの定義が記載されています。

  1. (1)つきまとい等の定義

    前提として、「ストーカー規制法」では、「相手に対する好意」、もしくは「恨み」といった感情を充足させるために行われた行為を規制対象としています。これらの感情がないことが明らかなつきまとい等の行為は、各都道府県で設定されている迷惑防止条例などで取り締まりを受けることになるでしょう。

    対象者本人だけでなく、親族や配偶者といった身近な方に以下8パターンの行動をとることが「つきまとい等」に該当します。


    • つきまとい・押し掛け・待ち伏せ
    • 対象者に行動を監視していると伝える
    • 交際や面会を要求する
    • 粗野で乱暴な言葉遣いをする
    • 汚物などを送付する
    • 無言電話や執拗(しつよう)に何度も電話やFAX、メールを送る
    • 対象者が傷つくようなことを周囲に告知する
    • 性的な羞恥心を害するものを告知する
  2. (2)ストーカー行為の定義

    「ストーカー規制法」では、「ストーカー行為」の定義を第2条第3項で以下のように定めています。

    「同一の者に対し、つきまとい等(第1項第1号から第4号まで及び第5号(電子メールの送信等に係る部分に限る。)に掲げる行為については、身体の安全、住居等の平穏若しくは名誉が害され、又は行動の自由が著しく害される不安を覚えさせるような方法により行われる場合に限る。)を反復してすること」

    つまり、ストーカー行為に該当するのは、(1)にある8つの行為のいずれかを繰り返し行ったケースと解釈されます。

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2、警察からのストーカーへの警告

被害者が警察にストーカー被害を申告した場合、警察はストーカー行為を行っている者に対して、警告を出すことができます。

警告は「警告書の交付」によって行われますが、遠方である場合や、早急に警告を行う必要があると認められた場合には、まずは電話で警告を行い、その後に警告書が交付されることもあります。

警告そのものは警告書の交付をもって完了しますが、加害者が「警告を受けた」という事実を担保するために、誓約書や確認書といった書類に署名を求められるケースもあります。

警告を受けた段階では、処罰を受けることはありません。
ストーカー行為が事実であっても、無実の疑いだったとしても、被害者への接触を避ければその後の処罰は避けられます。

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3、ストーカー行為で警告? 無視するとどうなるのか

平成30年現在、ストーカー被害に遭っている方が警察に通報して警告することを求め、ストーカー行為を裏付ける証拠がある場合には、加害者に対し「警告」を行います。その際には次のようなものが証拠として扱われます。

  • 被害を受けた日時・場所・ストーカーの乗っていた車のナンバーや色、目撃者がいるかなどのメモ
  • ストーカーの具体的な発言や行動の記録


この具体的な発言や行動の記録とは、手紙やFAX、プリントアウトしたメール内容、中傷ビラや個人が特定できる内容をネット掲示板へ書き込む行為、宅配便などで送られたものや写真・動画などが該当します。

警告については「3年」という時効があり、ストーカー行為が終了してから時間が計算されていきます。

  1. (1)警告でストーカー行為が止まらない場合

    警察が警告を出した段階でストーカー行為が止まらず、その行為が悪質な場合は、「ストーカー行為等の規制等に関する法律」に基づき、加害者に対し「被害者に近づかない・連絡をとらないように」という禁止命令が出されます。

    「警告」は加害者に義務を課すことや権利を制限するほどの拘束力はありません。しかし、「禁止命令」は加害者に義務を課し、権利も制限されます。そのうえ、禁止命令に従わなかった場合は罰則がより重いものとなります。

    平成29年にストーカー規制法の改定が行われてからは、警告なしに禁止命令を出すことが可能となりました。ストーカー規制法では禁止命令の有効期間は1年とされていますが、被害者に対する危険性が継続されている場合は禁止命令期間を延長する場合があるでしょう。

    また、原則としてストーカー側の弁明を聞くための聴聞を行う必要があります。ただし、改定前は禁止命令を出す前に行われていましたが、被害者の身の安全を確保するために禁止命令を出した後に行うことも可能となっています。

  2. (2)ストーカー規制法違反で有罪になったときの罰則

    警告や禁止命令を無視してしまうと、「逮捕」される可能性が高まります。警告や禁止命令がなくても、ストーカー行為をした場合には処罰の対象となります。もし、起訴され、有罪となったときは、「ストーカー行為等の規制等に関する法律」の第18条から第20条に基づいて、下記の罰則を受けることになります。


    • ストーカー行為をした者……1年以下の懲役又は100万円以下の罰金
    • 禁止命令などに違反してストーカー行為をした者……2年以下の懲役又は200万円以下の罰金
    • ストーカー行為をする際に必要な情報を加害者へ提供した者……6か月以下の懲役又は50万円以下の罰金
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4、ストーカーで逮捕された後の流れ

ストーカー容疑で逮捕された場合、どのような刑事手続きを受けるのでしょうか。

まず、警察はストーカー行為の証拠を集めて、裁判所から逮捕状の発付を受けたうえで被疑者を「逮捕」します。
逮捕されると、ストーカー行為の事実があるかなどの取り調べが行われ、48時間以内に検察庁へと身柄が引き継がれます。
この手続きを「送致」といい、報道などでは「送検」とも呼ばれています。

送致を受けた検察官は、さらに被疑者の取り調べを行ったうえで、刑事裁判を提起するか否かを24時間以内に判断します。まだ捜査が足りず、処罰の必要性が判断できない場合は、裁判所に身柄拘束の延長を請求します。
これを「勾留請求」といいます。

勾留請求が認められた場合、原則10日間、延長を含めて最長で20日間の身柄拘束が行われます。
これを「勾留」といいます。
勾留の期間中は、身柄が警察等に戻されて、ストーカー行為の動機や方法などについて詳しく取り調べを受けることになります。

勾留期間が満期を迎えるまでに、検察官は再び刑事裁判の要否を判断します。刑事裁判によって処罰を問う必要があると判断されれば、検察官は裁判所に対して公訴を提起します。
これが「起訴」です。
もし、刑事裁判を提起する必要がないと判断された場合は「不起訴」となり、釈放されます。また、検察官が送致を受けた事件はすべて検察官の指揮のもとで行われるため、警察が取り調べを継続中であっても、検察官が釈放を指揮した場合は即日釈放されます。
正式な起訴ではなくても、罰金を払う「略式起訴」とされることもあります。

起訴を受けた段階で、被疑者は「被告人」と呼び名が変わり、被告人として引き続き勾留を受けます。
その後は、裁判が行われる期日に拘置所から出廷しながら審理を受けることになります。

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5、ストーカー行為の示談金とその相場

ストーカーで逮捕された場合は「刑事事件」として扱われます。逮捕から勾留が決まるまでの72時間(最長)は家族であっても接見が制限されます。弁護士に依頼しなければ、自由に会って話をすることも差し入れを行うことも難しくなるでしょう。

被害者に対して「示談」交渉を行い、成立させることは、身柄を拘束する期間や量刑が決まる際に大きな影響を及ぼします。なお、刑事事件での示談は「被害の弁償金や慰謝料、ケガの治療費などを金銭で支払い、その代わり被害者に加害者を許す宥恕(ゆうじょ)文言を残してもらう」という手順を踏むケースが一般的な流れとなります。宥恕(ゆうじょ)文言とは、「告訴をしない・刑事罰を求めない」などの内容を指します。

確かに示談にはお金がかかりますし、一般的にストーカーの示談金は、被害者の感情や被害に個人差があるため、具体的な金額は個々の事件によって異なります。

しかし、もし起訴されて罰金刑となったとしても、別途、賠償請求に応じる必要があります。また、罰金刑でも刑罰であることに変わりなく、前科がつくことになるため、社会的影響は否定できません。適切な金額の示談金を支払ったほうが、その後の人生へ残る影響を最小限に抑えることができるといえるでしょう。

  1. (1)弁護士が間に入る有用性とは?

    ストーカーとして訴えられたとき、ストーカー本人やその家族が、弁護士を通さずに自分たちだけで示談しようとすることがあります。しかし、被害者や周囲からの嫌疑や恐怖感を強めてしまう、話が余計こじれてしまうというリスクが高まる行為です。警告や禁止命令が出ていれば、これに違反したとみなされる可能性が高いため、本人もしくは家族が示談しようとすることは避けたほうがよいでしょう。

    示談成立は、早ければ早いほどメリットが大きくなります。可能な限り早期に示談を成立させたいときは、弁護士に依頼することをおすすめします。

    逮捕されたり、長期にわたる拘束に至ったりすれば、勤め先などにもストーカー事件の容疑がある事実が知られてしまう可能性が高まります。さらに、起訴されてしまい有罪となれば、前科がつくため、今後の人生にも大きな影響を残すことになるでしょう。

    たとえば逮捕される前に示談が成立すれば、逮捕を回避できる可能性が高まります。また、逮捕されても、起訴される前に弁護士を間に挟んで示談を行うことで、不起訴となる可能性もあります。早い段階で弁護士に依頼していれば、適切なタイミングで示談を成立させることができるでしょう。

  2. (2)ストーカー行為による判決事例

    ストーカー行為による判決事例を紹介します。本人にとっては「つきまとい等」および「ストーカー行為」と考えていなかった行為でも、ストーカー規制法違反として有罪となる可能性があることを理解できるでしょう。

    【ストーカー規制法違反および邸宅侵入事件(平成24年1月18日、東京高等裁判所判決)】
    本件は、ストーカー規制法違反および邸宅侵入の罪で有罪となり、懲役10か月の執行猶予付きの判決を受けた男性が、その行為がストーカー規制法で規定された「見張り」や「押し掛け」に該当しないことを主張し、同時に減刑を求めたものです。

    1審2審では、集合住宅に住む被害女性の乗用車の有無や玄関付近をうかがう行為が複数回確認されていることから「見張り」「押し掛け」行為という判断がなされていました。しかし、「うかがっただけでストーカー行為に該当しないと」と主張し、同時に減刑を求めて控訴しています。

    しかし、被告はすでに「警告」を受けていたことや、一連の行動は、被害女性にとっては身の安全や行動の自由を制限されていたと考えられることから、裁判所は「ストーカー行為」と認定。減刑の求めも退けられ、男性側の控訴は棄却されました。

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6、まとめ

ストーカー規制法で規制されている行為は多岐にわたります。本人はストーカーではないと思っていても、第三者目線から見るとストーカー行為に該当する場合もあるでしょう。また、恋愛感情などではなく、誤解である可能性もあるかもしれません。

いずれにしても、相手が拒否している状況であることは明らかであるため、直接的な接触は避けたほうがよいでしょう。万が一、家族がストーカー行為で警告を受けた、あるいは訴えられてしまった場合には、早急に弁護士へ相談することをおすすめします。

被害者との間に弁護士を挟むことで、法的な観点から冷静に相手との話し合いを行えます。起訴される前に示談を成立できれば、長期にわたる身柄拘束や起訴を回避できる可能性が高まるでしょう。また、被害者の妄想や虚偽があった場合、迅速に調査・報告を行うため、大きなメリットを得て事件を解決できる可能性が高まります。

まずはベリーベスト法律事務所にご相談ください。刑事事件に対応した経験が豊富な弁護士が、適切な弁護活動を行います。

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監修者
萩原 達也
弁護士会:
第一東京弁護士会
登録番号:
29985

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※本コラムは公開日当時の内容です。
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