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弁護士コラム

2020年09月20日
  • 交通事故・交通違反
  • 危険運転致死
  • 量刑

危険運転致死傷罪で逮捕された場合の量刑は? 弁護士に相談するべき?

危険運転致死傷罪で逮捕された場合の量刑は? 弁護士に相談するべき?
危険運転致死傷罪で逮捕された場合の量刑は? 弁護士に相談するべき?

自動車を運転する方は、誰もが人身事故を起こすリスクをもっています。

なかでも危険・悪質な運転行為によって死傷事故を起こした際には「危険運転致死傷罪」という重い罪に問われる可能性があります。

では、危険運転致死傷罪はどのようなケースで適用される犯罪なのでしょうか。有罪になった場合の量刑はどのような基準をもとに判断されるのでしょうか。弁護士が解説します。

1、危険運転致死傷罪とみなされるケース

まずは、危険運転致死傷罪とみなされるケースについて見ていきましょう。

「危険運転致死傷罪」とは、危険運転によって人を死亡または負傷させた際に適用される罪です。「自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律(略称:自動車運転処罰法)」の第2条に定められています。

本罪が適用される危険運転とは次のケースを指します。

  1. (1)飲酒又は薬物摂取の影響で正常な運転が困難な状態

    アルコールや薬物を摂取し、正常な運転が困難な状態で自動車を走行させるケースです。

    正常な運転が困難な状態とは、道路や交通状況に応じた運転が難しい状態をいいます。前方を確認しながらの運転や、自分が思っているようにハンドル・ブレーキ操作ができない状態などを指します。

  2. (2)制御困難な速度超過による運転

    自動車の進行を制御することが難しいほど速すぎる速度で運転するケースです。

    たとえば山道を制限速度の2倍以上の速度で走行させ、対向車線にはみだし死傷事故を起こした場合などが該当します。

    制限速度を何kmオーバーすれば危険運転にあたるとの明確な基準はありません。速度以外にも、事故現場のカーブの状況や路面の状態、貨物の積載状況など複数の要素から、制御が困難な速度かどうかが判断されます。

  3. (3)運転技能が未熟にも関わらず運転する行為

    運転技能が未熟な状態で運転するケースです。

    運転技能が未熟な状態とは、ハンドルやブレーキ操作などの基本的な技能すらもたない状態をいいます

    無免許運転も含まれますが「無免許運転=未熟運転」ではありません。たとえば免許停止処分中に運転をした者は運転技能が未熟とは限りませんし、反対に免許はあっても何年もペーパードライバーであれば運転技能が未熟とみなされる可能性があります。

  4. (4)人もしくは車の進行を意図的に妨害する運転行為

    人や車の進行を妨害する目的で、走行中の自動車の直前に進入する、ほかの車両や歩行者に著しく接近するなどし、かつ危険な速度で運転するケースです。

    ここでいう危険な速度は高速度とは限りません。現場や事故の状況からして重大な危険を生じさせる速度であれば低速度でも該当する場合があります

  5. (5)赤信号無視にくわえて、危険な速度での走行

    赤信号や警察官による手信号などを殊更に無視し、危険な速度で運転するケースです。

    殊更に無視とは、信号に従うつもりがまったくない場合をいいます。たとえばほかの車両が停車しているため赤信号だと認識できるのに、あえて進行した場合などが該当します。危険な速度の意味は(4)と同じです。

  6. (6)通行禁止道路での危険な速度での走行

    歩行者用道路や一方通行道路などの通行禁止道路に進入し、危険な速度で運転するケースです。

    反対方向の車線だと認識しているのに高速道路を逆走した場合もこの規定にあたります。危険な速度の意味は(4)(5)と同じです。

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2、危険運転致死傷罪の量刑判断

危険運転致死傷罪で有罪になるとどのくらいの刑を受けるのかは、加害者本人やご家族にとって重大な問題でしょう。ここでは法定刑の内容や量刑を左右する事情について解説します。

  1. (1)法定刑は懲役刑のみ

    法定刑(法律で定められた刑)は次のとおりです(自動車運転処罰法第2条)。


    • 人を負傷させた場合……15年以下の懲役
    • 人を死亡させた場合……1年以上の有期懲役


    罰金刑などはないため、有罪になると必ず懲役刑が適用されます

    有期懲役とは1か月以上20年以下の懲役をいいます(刑法第12条)。つまり危険運転で人を死亡させた場合は、最長で20年の懲役刑となる可能性があるわけです。

    もっとも、言い渡された刑が懲役3年以下であれば執行猶予がつく可能性があります。執行猶予とは、情状によって一定期間、刑の執行を猶予される制度です。猶予期間中に再び罪を犯さなければ刑の言渡しの効力が失われます。

  2. (2)量刑の判断基準

    法定刑の範囲内で実際に言い渡される刑を量刑といいます。量刑は事件の様態や悪質性、被害者に与えた損害の大きさ、前科など、さまざまな事情をもとに判断されます

    たとえば事故の隠ぺい工作をして重い刑から逃れようとしたケースは悪質性が高く、量刑が重くなる事情にあたります。判決に執行猶予がつく可能性や、刑が軽減される可能性も低くなるでしょう。

  3. (3)被害者側との示談が成立しているかもポイント

    示談とは、当事者間の話合いによりトラブルの解決を目指す手続をいいます。示談は民事上の手続ですが、刑事事件の量刑にも影響をおよぼす可能性があるものです

    示談が成立していると加害者が被害者に一定の被害弁済をおこない、被害者の処罰感情がやわらいだとみられ、刑が軽減される可能性があります。

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3、過失運転致死傷罪との違い

死傷事故のすべてにおいて危険運転致死傷罪に問われるわけではなく、「過失運転致死傷罪」の成立が問題となる場合もあります。自動車の運転に必要な注意を払わず、人を死傷させたときに適用される罪です(自動車運転処罰法第5条)。

ふたつの罪の大きな違いは、「故意」の有無と刑の内容です。

危険運転致死傷罪は、酩酊(めいてい)運転や未熟運転などの危険運転をおこない、かつ自身の運転行為が危険であると認識していた場合に成立する犯罪です。この認識を「故意」といい、過失(不注意)よりも重く処罰されます。

したがって、両罪を比較すると危険運転致死傷罪の刑が重くなります

  • 危険運転致死傷罪……被害者が負傷した場合に15年以下の懲役、死亡の場合に1年以上20年以下の懲役
  • 過失運転致死傷罪……7年以下の懲役もしくは禁錮、または100万円以下の罰金


過失運転致死傷罪は、危険運転致死傷罪のように負傷と死亡による区別を設けていません。また懲役以外に禁錮(刑務作業のない拘束刑)や罰金が選択される場合があります。さらに傷害の程度が軽いときには情状により、刑を免除することができます(自動車運転処罰法第5条ただし書き)。

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4、弁護士に相談すべき理由

家族が危険運転致死傷罪で逮捕されてしまった場合、なるべく早く弁護士に相談されることをおすすめします。

ここからは弁護士に相談すべき理由を見ていきましょう。

  1. (1)示談交渉のサポート

    逮捕されている段階では、本人による直接の謝罪や示談交渉はできないため、状況によってはご家族が代わりに動くことも考えられます。

    ただし故意に危険運転をし、被害者を負傷または死亡させている事件の特性から、被害者・遺族の苦痛や処罰感情は大きいと予想されます。ご家族が直接やり取りをするのは難しいケースがあるため弁護士を介した示談交渉が望ましいでしょう

    第三者である弁護士の介入によって、示談交渉を滞りなく進められる可能性が高まります。

  2. (2)早期の釈放や刑の軽減に向けたサポート

    本人に危険運転である認識がなかったのなら、過失運転致死傷罪や道路交通法違反などが成立する可能性があります

    これらの犯罪は危険運転致死傷罪よりも法定刑が軽いため、結果的に早期の釈放や刑の軽減につながる可能性が生じますが、ご家族による法的な主張は困難でしょう。弁護士に相談すれば証拠集めや適切な主張が期待できます

  3. (3)取調べ対応に関するアドバイス

    捜査機関からの取調べ中に本人が不用意な発言をすれば、不利な供述調書を作成されるおそれがあります。また取調べの段階から誠実な態度で捜査に協力することが、結果的に執行猶予付きの判決を得る可能性や、量刑を考慮される可能性を高めます。

    そのため本人に対し、取調べ対応に関するアドバイスをする必要がありますが、逮捕から72時間はご家族であっても面会できません。弁護士だけは制限なく本人と面会し、適切なアドバイスをあたえられますので、ご家族はできるだけ早い段階で弁護士の協力をあおぐとよいでしょう

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5、まとめ

危険運転致死傷罪は故意の危険運転によって人を死傷させる犯罪であることから、非常に重い刑が用意されています。ただし、量刑は事件の状況や悪質性の高さなどによって異なるため、実際にどのくらいの刑になるのかは個別の判断が必要です。被害者側との示談交渉や早期釈放のためのサポートも含め、弁護士へ相談されることをおすすめします。
危険運転致死傷罪の加害者の方で弁護士をお探しの場合は、ベリーベスト法律事務所へまずはご連絡ください。

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監修者
萩原 達也
弁護士会:
第一東京弁護士会
登録番号:
29985

ベリーベスト法律事務所は、北海道から沖縄まで展開する大規模法律事務所です。
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※本コラムは公開日当時の内容です。
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