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弁護士コラム

2020年06月28日
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危険運転致死傷罪で逮捕! 罰則と量刑、逮捕後の流れを解説

危険運転致死傷罪で逮捕! 罰則と量刑、逮捕後の流れを解説
危険運転致死傷罪で逮捕! 罰則と量刑、逮捕後の流れを解説

令和元年10月、滋賀県内で大型トラックと乗用車が正面衝突し、乗用車を運転中の男性が死亡、助手席の女性が重傷を負う事故がありました。大型トラックを運転していた男は事前に飲酒をしており、その影響で居眠りをして縁石などに接触し、対向車線にはみ出したようです。男は、危険運転致死傷の罪で起訴されています。

飲酒運転やスピード超過、あおり運転などの危険な運転による死傷事故を起こすと、危険運転致死傷罪などに問われ、その場合の罰則は懲役刑のみと厳しいものとなっています。
今回は危険運転致死傷罪をテーマに、罪の概要や処罰の内容、ご家族が逮捕されてしまった場合に、残されたご家族がとるべき行動について解説します。

1、危険運転致死傷罪の定義

危険運転致死傷罪とは「自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律」(略称:自動車運転処罰法)の第2条に規定されている犯罪です。

  1. (1)危険運転致死傷罪が規定された経緯

    従前、交通事故で人を負傷・死亡させた場合は、刑法の業務上過失致死傷罪が適用されてきました。罰則は「5年以下の懲役、禁錮または100万円以下の罰金」です。これは「死刑または無期懲役」を定める殺人罪(刑法第199条)などと比較すると罰則が軽く、運転の危険性や悪質性にみあった処罰内容ではないとの声が多くありました。
    このような状況を踏まえ、危険運転致死傷罪が新設されたのです。

  2. (2)危険運転にあたる6つの行為

    「危険運転」に該当するのは次の行為です。

    • アルコールや薬物の影響で正常な運転が困難な状態で自動車を走行させる行為
    • 運転の制御ができないほどの速度で自動車を走行させる行為
    • 無免許など運転を制御する技術がない状態で自動車を走行させる行為
    • 人や車の通行を妨害する目的で、幅寄せや割り込みなどを行い、かつ、重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転する行為
    • 赤信号などを殊更無視し、かつ、重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転する行為
    • 通行禁止道路を進行し、かつ、重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転する行為
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2、危険運転致死傷罪の罰則と量刑

危険運転致死傷罪で逮捕・起訴、有罪となった場合にはどのくらいの罰を受けるのでしょうか。

  1. (1)危険運転致死傷罪の法定刑

    法定刑は次のとおりです。

    • 人を負傷させた者:15年以下の懲役
    • 人を死亡させた者:1年以上の有期20年以下の懲役(有期懲役)


    懲役刑の規定しかないため、有罪になれば執行猶予がついた場合を除き、刑務所へ収監されます。実際にどの程度の刑を科せられるのか(量刑)は、法定刑の範囲で裁判官が決定します。
    また刑罰とは別に、特定違反行為として基礎点数が加算され、免許取り消しになります。

  2. (2)危険運転致死傷罪の量刑相場

    量刑は一律ではありませんが、犯罪白書が示す平成30年の科刑状況(通常第一審)から傾向を見ていきましょう。

    まずは危険運転致傷(人を負傷させた場合)です。総数は250人で、そのうち懲役年数および執行猶予の状況は次のとおりです。

    • 6か月以上……実刑4人、全部執行猶予34人
    • 1年以上……実刑7人、全部執行猶予153人
    • 2年以上……実刑8人、全部執行猶予18人
    • 3年……実刑3人、全部執行猶予18人
    • 5年以下……5人
    • 7年以下……0人


    執行猶予つき判決を受けた者が223人で、全体の約90%を占めます。危険運転致傷の傾向としては、執行猶予がつく可能性が高いことがわかります。一方で、実刑判決となった者も約10%おり、必ず執行猶予がつくとは限りません。

    次に危険運転致死(人を死亡させた場合)です。総数は17人で、そのうち懲役年数ごとの人数は以下のとおりです。

    • 3年……1人
    • 5年以下……4人
    • 7年以下……2人
    • 10年以下……6人
    • 10年超……4人


    危険運転致死では、すべてのケースで実刑となっていることがわかります。特に5年を超える判決(7年以下~10年超)の割合は約70%と、長期の懲役刑となる可能性が高いことがみてとれます。

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3、悪質な運転の厳罰化

自動車運転処罰法では、悪質性の高い行為を厳しく処罰しています。危険運転致傷罪とは別に、次のような行為も厳罰化の対象となります。

  1. (1)過失運転致死傷アルコール等影響発覚免脱罪

    飲酒をしていたことや薬物を使用していたこと、どの程度酔っていたのかなどが発覚しないように、その場から逃げる、アルコール濃度を減少させるための行為などをすると処罰されます(第4条)。

    この罪ができる以前は、たとえば酩酊(めいてい)状態で運転して人を死傷させても、その場から逃げてアルコールが抜けた後で出頭すれば、酩酊運転の立証ができず、ひき逃げの罪(救護義務違反など)として処罰されるにすぎないケースがありました。
    救護義務違反の罰則は、10年以下の懲役または100万円以下の罰金と危険運転致死傷罪よりも軽いため、逃げたほうが得という状況が生じていたのです。

    そこで、飲酒などの発覚を逃れる目的で事故現場から離れるなどした者は、12年以下の懲役に科す旨が定められました。

  2. (2)無免許運転による加重

    無免許運転による刑罰の加重を定める規定です(第6条)。

    自動車を運転するために運転免許を取得するという基本的なルールを無視する者は、ルールを守るという意識が欠如しているだけではなく、運転免許を取得・更新する際の知識や技能を身につける機会がなかったため、死傷事故を起こすリスクが高いといえます。
    無免許運転による事故はこのようなリスクが現実化したものであり、厳しく処罰する必要性が高いことから加重されます。

    たとえば、危険運転によって人を負傷させた場合の罰則は15年以下の懲役ですが、無免許だった場合は、6か月以上の有期懲役(20年以下)に処されます。
    無免許であることが加重の要件なので、無免許であったことが死傷の原因かどうかは関係なく加重されます。

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4、逮捕されてしまった場合の流れと取るべき対応

親族や家族が逮捕されてしまった場合、どのような対応が必要になるのでしょうか。

  1. (1)逮捕された段階

    逮捕後は取り調べを受け、48時間以内に検察官へ送られます(送致)。その後、最長24時間にわたって、引き続き検察官による取り調べが行われます。
    この時点で重要になるのが、弁護士へ依頼することです。逮捕後の72時間は、家族であっても面会はできません。捜査の状況を把握するのも難しいでしょう。しかし弁護士は、この期間も面会する権利があります。捜査状況の把握や、取り調べの対応について助言を行い、証拠を収集したうえで少しでも罪が軽くなるよう、捜査機関へ働きかけを行うことが可能です。

    逮捕から72時間以内に捜査が完了しない場合は、検察官は裁判官へ勾留請求を行います。請求が認められると、最長で20日間の身柄拘束を受けるおそれがあり、社会生活への影響が必至です。この時も弁護士は、勾留されないように身柄拘束の必要性がない旨を主張します。

  2. (2)勾留された段階

    勾留満期までに起訴・不起訴が決定するため、この段階では不起訴を目指す活動を行います。

    考えられる方法のひとつは、被害者との示談です。
    交通事故では治療費などの損害は加害者が加入する保険会社から支払いますが、それとは別に被害者の精神的苦痛に対する慰謝料を含めた示談金を支払い、被害者からの宥恕(ゆうじょ)意思を得ることが大切です。
    ただし、示談が成立しても必ず不起訴となるわけではありません。弁護士は示談交渉と並行しながら、有利な事情を集め意見書を提出するなどして、引き続き働きかけを行います。

  3. (3)起訴された段階

    起訴されると有罪はほぼ免れないため、執行猶予つきの判決を目指すことになります。
    そのため、弁護士は悪質性が低い点や、本人の反省が深く二度と運転しない誓約をしている点、家族の監督体制が整っている点などを主張します。引き続き、示談成立も重要です。

    危険運転致死罪は非常に重い罪です。単純な交通違反のように、個人で対応ができる問題ではありません。証拠の収集や被害者との示談、捜査機関への働きかけなど弁護士のサポートは必須といえます。早急に相談することが大切です。

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5、まとめ

飲酒や無免許、速度超過などの危険な運転によって人を死傷させた場合の影響は計り知れず、大変厳しい処罰を受けることになるでしょう。家族が危険運転致死傷罪に問われて、どのような刑罰を受けるのかと不安に感じている方ができるのは、早期に弁護士へ相談することです。
交通事故によるトラブルの対応実績が豊富なベリーベスト法律事務所で、ご相談をお受けします。ご家族だけで悩まず、まずはご連絡ください。

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監修者
萩原 達也
弁護士会:
第一東京弁護士会
登録番号:
29985

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