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弁護士コラム

2025年02月10日
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一時停止違反に納得いかない場合の正攻法と不服申立ての方法

一時停止違反に納得いかない場合の正攻法と不服申立ての方法
一時停止違反に納得いかない場合の正攻法と不服申立ての方法

一時停止違反(一時不停止・一時停止義務違反)の取締りに納得できない方も多くいらっしゃることでしょう。

今回の記事では、
・ 一時停止違反の基準と罰則
・ 納得いかない一時停止違反で処分を拒むとどうなるのか
・ 一時停止違反に納得いかない場合の正しい対処法
について、弁護士が詳しく解説します。

1、一時停止違反に納得いかない時に関するQ&A

一時停止違反をしてしまった場合、対処を間違えるとかえって不利になったり、最悪の場合、逮捕されてしまう可能性があります。

  1. (1)一時停止違反の処分を一方的に拒むとどうなる?

    最初に確認しておきたいことは「一時停止違反を現場で撤回してもらうことはほぼ不可能」という点です。現場は丸くおさめて罰金を無視するドライバーも見られますが、お金がない・払えないからといって、処分が自然に消滅するわけでもありません。

    いずれにしても、自分から正しいやり方で処分取消しに向けて動かないと、かえって不利益を被る可能性が高いといえます。

  2. (2)警察にしつこく抗議するとどうなる?

    ドライバーの違反行為を取り締まる警察は、明らかな誤認であっても現場では認めようとしないのが常です。
    しかし、ここでしつこく食い下がると、道路交通法違反ではなく、刑法第95条で規定する公務執行妨害(1項)、もしくは職務強要罪(2項)で逮捕される可能性があります

    上記どちらの容疑であっても、もし有罪判決が下れば3年以下の懲役・禁錮または50万円以下の罰金となり、一時停止違反とは別次元の重い処分となるので注意が必要です。

  3. (3)青切符にサインしないとどうなる?

    現場ではとりあえず一時停止違反を認めておくとなると、通称「青切符」(違反切符、交通反則告知書とも呼ばれます)へのサインを求められます。
    青切符にサインすると、基本的には「一時停止違反をした」と自分で認めたと判断されます。

    サインを拒否してもペナルティは特にありませんが、軽微な違反について反則金を納めることで裁判を省略できる「交通反則通告制度」の適用がなくなるという問題があります。

    分かりやすく言えば、青切符のサインを拒むということは、最悪刑事裁判で白黒をつけることになる可能性があるということです。
    もし裁判で黒と判断されてしまい、違反が認められると、最終的には以下のような処分になります。


    一時停止義務違反で青切符にサインしなかった場合のリスク
    • 3か月以下の懲役or5万円以下の罰金
    • 過失だったとしても10万円以下の罰金
    • 有罪判決を受けると前科がつく
  4. (4)青切符にサインしたのに反則金の納付を拒否するとどうなる?

    青切符にサインして警察官から反則金の納付書を受け取ると、その翌日から数えて7日以内に支払いを済ませる必要が生じます。

    この期間内に「やっぱり違反には納得いかない」として反則金を支払わないと、交通反則通告センターから書面で「納付してください」という通告が届きます(青切符にサインをしなかった場合でも、この通告が届きます)。

    それでも支払いをしない場合、刑事事件として検察庁から出頭要請があり、検察官の取り調べを受けることになります。

    取り調べでは検察官に自分の言い分を主張することができます。
    そこでも違反したことを認めなかった場合、検察官が起訴・不起訴の判断をします。そこで起訴と判断されると、刑事裁判へと進みます。

2、一時停止違反にどうしても納得できない場合の正しい対処法

一時停止違反について「事実とは違う」という確証があり、それを証明したいのであれば、後日警察や検察庁に客観的な証拠を提示して、処分取消しを目指す必要があります。
そのためにはできるだけ青切符にサインせず、現場対応が終わるまで不利にならないよう細心の注意を払いましょう。

対応のポイントとしては、最低でも以下の3点を押さえたいところです。

  1. (1)供述調書に不利な内容を書き込まれないように注意する

    青切符へのサインを拒むと、代わりに警察官がドライバーの言い分を聞き取って作成した供述調書にサインをするよう求められます。

    これは警察官が違反を発見したその場でドライバーが言った内容を警察官が書き記すものですから、サインすると今後刑事事件になったときに、証拠としてより高い価値が認められるようになります。

    しかし、次の章でも説明するとおり、ドライバーは絶対に供述調書にサインしなければいけないわけではないので、サインする前に作成された供述調書をよく確認してください
    そのうえで、言わなかったことやニュアンスの違うことが書き込まれないよう注意しましょう。

  2. (2)内容に納得できない供述調書にはサインしない

    万一ドライバーにとって不利な内容、事実とは違う内容を供述調書に書き込まれた場合は、サインしないようにしましょう

    供述調書も青切符と同じく、サインしないからといって罰則はありません。
    法律には、署名拒否の権利が定められています(刑事訴訟法第198条第5項)。
    さらに、警察においても署名の強要がないよう、以下のような内部通達が出されています。


    交通反則切符における「供述書(甲)」欄(中略)は、刑事訴訟法(昭和23年法律第131号)第322条第1項の供述書に当たるものとして、違反者が任意に作成する書類であるところ、違反者がこれを作成する場合において、署名とともに求めている押印又は指印(以下「押印等」という)は、違反者本人が作成したことが確認できるようにする目的で、警察官の求めに応じて違反者の任意により行われるものであり、(中略)以上を踏まえ、交通取締りに際して、警察官において、仮にも押印等が違反者の法的義務であるという誤解を相手方に与えるような言動をしないよう、あらゆる機会を通じて、部下職員に対する適切な指導教養の徹底に努められたい。
  3. (3)客観的な証拠を提出する(ドライブレコーダーの記録等)

    一時停止違反がなかったことを積極的に伝えるためには、後日に自ら客観的な証拠を提出することが考えられます。その場合に提出する証拠としては、ドライブレコーダーの記録が最も有力です
    他にも現場の状況によっては、周辺施設の防犯カメラ映像をとれる可能性もあります

    映像記録がない場合は、ドライバーや目撃者が嘘、偽りのない当時の状況を文章にまとめ、警察署や検察庁に提出する方法が考えられます。

    しかし、証拠がないからといって落ち込む必要はありません。
    ドライバーが自ら証拠を提出するというのは、あくまで自分が最後まで起訴されるか不安定なまま待たなければならないのが不安だという方が自分でできる対策です。

    ドライバーが一時停止違反をした・していなかったという証拠を集めるのは、起訴するかを決める検察官の責任なので、ドライバーが一時停止したと主張していて、それが嘘だといえるような証拠が見当たらない場合、検察官は不起訴にする可能性が高いといえます。

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3、一時停止違反の基準はあるの?

四輪車やバイクの一時停止義務は、道路交通法で基準が示されています。
自分で一時停止の基準を満たしていないと分かっている場合、「違反に納得いかない」と抗議しても、事案処理を長引かせるだけです。

最近まさに違反で警察官に停車させられた、という人は、次に紹介するポイントを当時の状況に当てはめてみましょう。
もし自分がルールを守っていたか確証が持てないのなら、警察官の指示通り反則金を納付するのが賢明です

  1. (1)所定の場所・タイミングで一時停止したか

    一時停止義務についてまず理解したいのは、そもそもどのような場所・タイミングで一時停止義務が発生するかです。
    以下の状況においては、標識の有無に関わらず一時停止義務が発生することを押さえておきましょう。


    一時停止義務が発生する「場所」
    • 踏切(信号機の青信号に従う場合を除く/道路交通法 第33条1項)
    • 交通整理が行われていない交差点、またはその手前の直近(同 第43条)


    一時停止義務が発生する「タイミング」
    • 歩道や路側帯を横切る時(道路交通法 第17条2項)
    • 横断歩道等に歩行者・自転車がいる時(同 第38条1項)
    • 緊急車両が接近した時(同 第40条1項)
  2. (2)停止位置を守っていたか

    一時停止義務が発生する場所に差しかかった場合、そこに道路標識等による停止線があるのなら停止線の直前、停止線がないのなら所定の場所(交差点等)の直前が正しい停止位置となります。
    つまり、厳密には停止線の上で停止したとしても停止位置違反になるということです

    タイヤや車体が正しい停止位置からはみ出ている場合も、当然正しい位置で停止したとは認められません。

  3. (3)停止時間が不十分ではなかったか

    警察官ともめやすいのは「停止時間」です。
    道路交通法には「何秒以上停止しなければならない」といった明確な規定はありません。教習所では最低3秒と言われていますが、これはあくまでも目安です。

    明確に違反だと言えるのは、完全に停止させず、ただ速度を落としているだけに過ぎなかった場合です。

    たとえ一瞬でもタイヤの動きが完全に止まらなければ「停止」したことにはなりません
    もし完全に停止したかで白黒をつけたいのなら、当時の映像を確認してみるしかないでしょう。

4、一時停止違反を認めた場合の罰則

一時停止違反を認めると、実際に一時停止違反があったかに関わらず、反則金7千円(踏切での一時不停止は9千円)の納付義務と違反点数2点が課せられます(普通車の場合/道路交通法施行令(別表)より)。
これは交通違反事案全体から見るとそれほど重い処分ではありませんが、自分が違反をしていないのに支払う代償としては大きいと感じるかもしれません。

ここで一度、罰則の内容と取締り状況を確認してみましょう。

  1. (1)反則金の額

    普通車のドライバーが一時停止違反を認めた場合、反則金は7千円です。
    踏切での一時不停止の場合は少し金額が上がり、9千円となります。

    大型車やバイクで違反した場合は、次のように金額が変わります。


    一時停止違反の反則金額
    • 普通車:7,000円
    • 大型車:9,000円
    • 二輪車(排気量50cc超):6,000円
    • 原付車(排気量50cc以下):5,000円


    踏切での一時停止違反の反則金額
    • 普通車:9,000円
    • 大型車:1万2,000円
    • 二輪車(排気量50cc超):7,000円
    • 原付車(排気量50cc以下):6,000円


    一時停止違反で加算される違反点数は、車種に拘わらず2点と定められています。

    過去3年で初めての違反なら、免許停止や免許取消しの処分はありません。
    ただし、違反を繰り返して過去3年間の合計点数が基準に達すると一定期間免許停止処分となり、その後も違反点数が増え続けると免許取消し処分が下ります。

    参考:「行政処分基準点数」(警視庁)

  2. (2)一時停止義務違反の発生状況

    警察白書によれば、令和2年・令和3年と連続して、違反事案全体の実に3割程度が「一時不停止」「踏切不停止等」となっており、速度超過を上回る最も多い違反類型となっています。
    こうして統計に上がってくる以上、多くのドライバーは罰則を受け入れているものと考えられます。

    また、現場の警察官も件数の多い一時停止違反は日ごろから強く意識しており、ドライバーの認識よりも厳しい基準で見張られていると考えた方がいいでしょう。

  3. (3)反則金の告知・納付状況

    違反者全体に占める反則金の納付率をみると、令和3年、令和2年はいずれも96.7%、令和元年は96.2%と、毎年高い水準を維持しています。
    つまり、交通違反の指摘を受けた人の多くは反則金を納付しているという現状は知っておいた方がいいでしょう

5、一時停止違反に納得いかない時は弁護士に相談を

一時停止違反の指摘に反論しても、証拠不足等が原因でどうしても抗議が聞き入れてもらえないことはありえます。
そんなときは、自力で警察官に対抗しようとせず、弁護士への相談を視野に入れてみましょう。

  1. (1)弁護士に相談するメリット

    警察等とのやりとりでは同乗者やその他の目撃者が味方になってくれることもありますが、誰よりも心強いのは弁護士です。

    とりあえず相談してみるだけでも、摘発手法に問題はないか、証拠提出や説明のやり方で何に注意すればいいのかなど、有益なアドバイスが得られます。

  2. (2)交通事故で一時停止違反を指摘されている場合

    交通事故に発展しているケースでは、一時停止違反の有無はお金の問題に直結します。
    違反の有無をひとつの判断要素として、事故の責任について被害者と加害者で分担する割合を見定め、これが「過失割合」として損害賠償金の支払い額に反映されるからです。

    このようなポイントを踏まえると、交通事故に詳しい弁護士への相談は非常に重要なものとなります。
    なるべく発生直後に相談することで、事故の相手方や保険会社への対応を含め、ベストな結果が期待できます。

6、まとめ

一時停止違反の不服申立て・抗議の基本!
  • 現場で、強引に警察官の取締りを撤回させようとしない
  • 青切符や供述調書の内容はよく確認し、不利になる場合はサインしない
  • 映像や目撃者証言など、決定的な証拠になるものを出来るだけ確保する
  • 証拠を確保できなかったとしても起訴されてしまうとは限らない


いったん一時停止違反で取り締まられると、現場ですぐに撤回してもらうのは難しいと言わざるを得ません。

ドライバーとしては、納得できないならば不利な書類にサインしたり、反則金を納付したり、署名捺印したりしないようにし、後日ドライブレコーダーの記録等を見せながら処分に抗議する流れになります。

個別の事案では、状況を確認してみると「やっぱり警察側の言い分が正しい」となるかもしれません。
処分取消しの可能性について不安がある場合や、事故対応等で特に違反の有無が問われる場合は、迷わず弁護士に相談してみましょう。

※本コラムは公開日当時の内容です。
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