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弁護士コラム

2021年06月15日
  • 少年事件
  • 鑑別所とは

鑑別所とは? 鑑別所での生活や送致回避のために弁護士ができること

鑑別所とは? 鑑別所での生活や送致回避のために弁護士ができること
鑑別所とは? 鑑別所での生活や送致回避のために弁護士ができること

刑事事件を起こした未成年の少年は、一定の手続きを経たうえで「少年鑑別所」へと収容されることがあります。

令和2年版の犯罪白書によると、令和元年中に5749人の少年が少年鑑別所へと入所しました。入所者の数は平成15年をピークに年々減少していますが、現在でも多くの少年が少年鑑別所へと入所している状況がうかがえます。

しかし、少年鑑別所がどのような施設なのか、少年鑑別所に収容された少年がどのような生活を送るのか、少年院・少年刑務所との違いといった正確な情報を把握している方は多くありません。

このコラムでは「少年鑑別所」について、役割や収容期間、収容後の生活や子どもが収容されてしまう事態を回避するための方法などを解説します。

1、少年鑑別所とはどんなところか

まずは「少年鑑別所」がどのような施設なのか、少年鑑別所の役割や収容期間などを確認していきましょう。

  1. (1)少年鑑別所とは

    少年鑑別所は、法務省が管轄する施設で、各都道府県の県庁所在地など全国52カ所に設置されています。

    元来は少年保護鑑別所という名称でしたが、平成27年に少年鑑別所法が施行されたことで正式名称が「少年鑑別所」に改められました。略称として「鑑別所」と呼ぶこともあります。

    設置されている目的は鑑別・観護処遇・地域援助の三つです

    • 鑑別
      少年審判の前段階で、家庭裁判所からの求めに応じて、少年の性格・資質・生活環境などを明らかにします。

    • 観護処遇
      観護措置が決定して収容された少年の施設内での生活を維持します。観護処遇にあたっては、情操の保護に配慮し、少年の特性に応じて適切なはたらきかけが行われます。所内では、学習や文化活動のほか、季節の行事や外部講師を招いての講話や就労支援も実施されています。

    • 地域援助
      収容された少年が社会復帰した際に犯罪を繰り返さないよう支援するほか、一般・関係機関・団体からの依頼に応えて地域社会における非行・犯罪の防止に向けた活動を実施します。
  2. (2)少年鑑別所への収容期間

    少年鑑別所への収容期間は、法律上は、少年法第17条3項の規定に従い、原則として2週間を超えることができないとされています。

    しかし、実務上は、特に継続の必要があると判断される場合は1回の更新ができることから、ほとんどの事件で更新がされており、少年鑑別所への収容期間は4週間となることが通常です。さらに、非行事実を認定するために証人尋問・鑑定・検証の必要がある場合は、2回までの更新が可能ですが、収容期間の上限は8週間以内とされています。
    つまり、少年鑑別所への収容期間は法律上では2~8週間となります。多くの収容者が初回の更新を受けるため、収容期間は4週間程度となるのが一般的です

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2、少年院と少年鑑別所は全く違う

少年鑑別所と間違いやすいのが「少年院」です。少年院と少年鑑別所は、名称こそ似てはいますが異なる目的をもった全く別の施設です

  1. (1)少年院とは?

    少年院とは、家庭裁判所が保護処分として少年院送致を下した少年が収容される施設です。

    少年の年齢や心身の状況などによって第1種・第2種・第3種・第4種の4種類があり、それぞれ次のように区別されています。

    • 第1種少年院
      従来の初等少年院・中等少年院に相当し、心身に著しい障害がない12~23歳未満の者が収容されます。

    • 第2種少年院
      従来の特別少年院に相当し、心身に著しい障害がなく、犯罪的傾向が進んだ16~23歳未満の者が収容されます。

    • 第3種少年院
      従来の医療少年院に相当し、心身に著しい障害がある12~26歳未満の者を収容する施設です。

    • 第4種少年院
      刑罰の執行を受ける者を収容します。
  2. (2)少年院と少年鑑別所との違い

    少年院は、少年審判を経て家庭裁判所が矯正教育の必要があると判断した少年を収容する施設です。
    一方の少年鑑別所は、「少年審判を受けるまでの鑑別」を目的とした施設であり、収容されるタイミングと目的が明らかに異なります。

    少年鑑別所でも、少年の更生をはたらきかける教育・指導は行われていますが、少年院ではさらに生活・教科学習のほかにも、職業訓練や体育、社会貢献活動などを通じてよりレベルの高い矯正教育が施されています

    なお、同じように紛らわしいものとして「少年刑務所」が挙げられます。少年刑務所は、家庭裁判所が保護処分よりも刑罰が適当であると判断して刑事裁判にかけられ、実刑判決を受けた16~20歳未満の受刑者を収容する刑事施設です
    成人が収容される刑務所と同じく刑務作業への従事を課せられますが、少年の特性に配慮した更生教育も実施されています。

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3、逮捕されてから鑑別所へ収容されるまでの流れ

事件を起こした少年が逮捕されてから少年鑑別所へと収容されるまでの、一般的な流れを見ていきましょう。

  1. (1)逮捕による身柄拘束

    刑法などに規定されている犯罪にあたる行為をはたらき、逃亡や証拠隠滅を図るおそれがある場合、14歳以上であれば少年であっても成人と同じように逮捕されます。逮捕されると警察の段階で48時間以内、検察官の段階で24時間以内、合計で72時間以内の身柄拘束を受けるのも、成人と同じです

    逮捕された少年は、自宅へ帰ることも、学校へ通うことも許されません。

  2. (2)勾留

    検察官が「逃亡・証拠隠滅を防ぐためには、引き続き身柄を拘束して取り調べる必要がある」と判断すれば、勾留の許可が申請されます。
    裁判官が勾留を許可すると、初回で10日間、延長請求によってさらに最大10日間、合計で20日間を限度として身柄拘束が延長されます。家族などとの面会が許可されるのは、勾留が決定した段階からです。

  3. (3)家庭裁判所への送致

    捜査が終了し、勾留が満期を迎えると、犯罪の嫌疑がある場合は、検察官はすべての事件を家庭裁判所に送致します。
    成人が起こした事件では検察官が起訴・不起訴を判断しますが、少年事件では全件送致主義が採用されており、家庭裁判所に権限が委ねられています

  4. (4)少年鑑別所への収容

    検察官から送致を受けた家庭裁判所は、少年と面接したうえでその後の処遇を検討します。
    この段階で審判に付する必要がないと判断できれば審判不開始となりますが、さまざまな調査を尽くさないと判断できない場合は観護措置または在宅観護の決定が下されます。

    ここで、逃亡や証拠隠滅のおそれがある、自傷や自殺の危険がある、少年を外界から遮断して継続的な鑑別を必要とするといった要件を満たしていれば、観護措置となり少年鑑別所へと送致されます

    これらの要件を満たさず、家庭での観護でも問題がないと判断される場合は在宅観護となり、日常生活を送りながら家庭裁判所の決定を待つことになります。

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4、鑑別所での生活

少年鑑別所に収容された少年は、所内でどのような生活を送ることになるのでしょうか?

  1. (1)規則正しい生活を送ることになる

    少年鑑別所での1日のタイムテーブルを見ていきましょう。

    • 午前7時……起床・洗面
    • 午前7時30分……朝食・点呼
    • 午前9時……グラウンドなどでの運動
    • 午前10時……面接・心理検査
    • 午後0時……昼食
    • 午後1時……学習支援・講話
    • 午後2時30分……面会
    • 午後3時30分……診察・入浴
    • 午後5時……夕食・点呼
    • 午後6時……日記の記入・自由時間
    • 午後9時……就寝


    ここで挙げたのは一例であり、収容された施設によって若干の差があります。
    ただし、早朝に起床して食事を取り、鑑別を受けながら運動や学習にいそしみ、真夜中になる前に就寝するという規則正しい生活となるのは、どこの少年鑑別所でも同じです

  2. (2)鑑別の流れ

    少年鑑別所が担う主な役割は「鑑別」にあります。
    鑑別とは、医学・心理学・教育学・社会学などの専門的知識や技術に基づいて、非行に影響を及ぼす環境を明らかにしたうえで、その事情の改善に向けた指針を決めるものです。

    鑑別は、次のような流れで進みます。

    • オリエンテーション・入所時調査
    • 鑑別面接(1回目)
    • 集団方式の心理検査
    • 鑑別方針の設定
    • 鑑別面接(2回目以降)
    • 個別方式の心理検査
    • 判定会議
    • 鑑別結果通知書の作成


    これらの面接・心理検査のほかにも、所内での生活を通じた行動観察や外部資料の収集、身体検査・健康診断・精神医学的な検査・診察があわせて実施されます。
    その結果から、少年の改善更生のためにもっとも適切な処遇方針を鑑別判定意見として決定し、鑑別結果通知書としてまとめられて家庭裁判所へと提出されます。

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5、鑑別所送致を回避するために弁護士ができること

少年鑑別所へと送致されてしまうと、おおむね4週間の収容によって一般社会と隔離されてしまいます。家庭や学校生活から隔離されてしまえば、少年自身の精神を傷つけるおそれがあるため、弁護士に依頼して少年鑑別所への送致を回避する必要があります。

  1. (1)少年自身が深く反省していることを主張する

    少年鑑別所へと送致されるのは、送致を受けた家庭裁判所が観護措置を決定したときです。すでに少年が非行事実について深く反省しており、逃亡・証拠隠滅や自傷・自殺のおそれがなければ、観護措置の必要はありません。

    弁護士のサポートを得れば、付添人の立場から家庭裁判所の裁判官に面接を申し入れ、これらの危険がないことを主張することで、少年鑑別所送致の回避が実現する可能性が高まるでしょう。

  2. (2)取り調べに関するアドバイスを提供できる

    逮捕された少年は、警察官・検察官による取り調べを受けることになります。不用意な発言が不利な事態を招くおそれがあるうえに、少年の特性から取調官に迎合してしまい事実とは異なる供述をしてしまうおそれも否定できません

    早い段階で弁護士のサポートを受けていれば、取り調べの初期からどのように対応すればよいかのアドバイスを受けることが可能です。

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6、少年審判で受ける処分の種類

犯罪にあたる行為をはたらいた少年の処分は、「少年審判」によって決定されます。少年審判で下される処分の種類を確認していきましょう。

  1. (1)少年審判とは

    少年審判とは、少年の処分を決定する場です。成人の刑事裁判と同じ位置付けですが、原則公開の法廷で開かれる成人の刑事裁判とは異なり、「少年審判は原則非公開」とされています。

    また、少年審判は有罪・無罪や罪の重さを決するものではなく、少年に自らの非行について内省を促すものでなくてはならないため、厳しく糾弾するのではなく、懇切・和やかに行われることとされています

  2. (2)少年審判で下される処分

    少年審判では、成人の刑事裁判のように懲役・罰金などの刑罰が下されるわけではありません。少年の改善更生に適した処分が決定されます。

    • 保護観察
      施設に入所させず、社会生活のなかで少年の改善更生を図る処分です。保護観察官や保護司による定期的な指導監督が実施されます。

    • 少年院送致
      再び非行を犯すおそれが強く、社会での更生が難しい少年を少年院に収容して矯正教育を受けさせる処分です。

    • 児童自立支援施設等送致
      比較的に低年齢の少年について、開放的な福祉施設での生活指導が相当と認められたときの処分です。

    • 都道府県知事・児童相談所長送致
      18歳未満の少年について、児童福祉機関の指導に委ねるのが相当と認められたときの処分です。

    • 検察官送致
      心身の成熟度や性格、非行歴などから、刑事処分が相当と認められたときの処分です。家庭裁判所から検察官へと送致され、成人と同様に刑事裁判で罪を問われることになります

    • 不処分
      処分せずとも再非行のおそれはない、あるいは少年が非行をはたらいた事実がないと認められた場合に「処分しない」とする決定です。

    • 審判不開始
      軽微な事件で、調査などによる教育的なはたらきかけによって再非行のおそれがないと認められた場合に、調査のみで審判を開かず事件を終結させる決定です。

    • 試験観察
      処分を直ちに決めるのが困難な場合は試験観察となり、家庭裁判所調査官が助言や指導を与えながら少年の生活や行動が観察されます。上述した他の処分と異なり、試験観察は終局処分ではなく、中間処分になります。そのため、試験観察の結果を受けて、終局処分を決めるための審判が開かれます。
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7、少年審判の処分に不服な場合には

少年審判で下された処分について不服がある場合には、どのような対抗策を取ることができるのでしょうか?

  1. (1)処分に不服がある場合は「抗告」が可能

    少年審判で決定した保護処分に対して不服がある場合は、少年法第32条の規定に基づいて「抗告」が可能です。

    抗告が認められるのは、処分の決定に影響を及ぼすような法令違反や重大な事実の誤認、処分の著しい不当がある場合です。抗告が認められると抗告裁判所において調査が行われ、少年審判において決定した保護処分が適当であるのかが書面審理されます。

  2. (2)抗告の流れ

    抗告は、少年審判における処分が決定した日の翌日から2週間以内に申し立てる必要があります。抗告の申し立てが可能なのは、少年本人、両親などの法定代理人に加えて、付添人となる弁護士だけです。
    また、抗告裁判所が決定した処分に不服がある場合は、さらに最高裁判所への再抗告も可能ですが、この場合もやはり処分決定の翌日から2週間以内が期限となります。

    ただし、抗告の申し立てには「なぜ抗告が認められるべきなのか」を示す抗告申立書を作成・提出しなくてはなりません。
    少年法第32条に規定されている要件を満たしていることを書面で明示する必要があり、少年本人や一般の法定代理人では作成が難しいことが通常です
    抗告・再抗告の申し立ては、現実的には、付添人となる弁護士に一任することになります。

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8、まとめ

少年鑑別所に収容されるのは、事件を起こした少年について観護措置が決定した場合です。おおむね4週間にわたる少年鑑別所での収容は、少年の身体拘束を伴うものである以上、少年にとって大きな負担になります。
観護措置の必要がなければ、弁護士に依頼するなどして観護措置を避ける活動をするのが望ましいといえます。

少年事件を解決するには、少年の更生に道筋をつけることが重要です。
少年鑑別所送致の回避だけでなく、処分の軽減を目指すなら、少年事件の対応実績を豊富にもつ、ベリーベスト法律事務所にご相談ください。

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監修者
萩原 達也
荻原達也
代表弁護士
弁護士会:
第一東京弁護士会
登録番号:
29985

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※本コラムは公開日当時の内容です。
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