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刑事弁護の用語集

拘置所とは

読み方 こうちしょ

拘置所(こうちしょ)とは、未決拘禁者および死刑確定者を収容する刑事施設です。

未決拘禁者とは、刑事事件における処分の内容が確定しないまま身柄拘束をされている人をいいます。
死刑確定者とは、刑事裁判で死刑判決が確定した死刑囚をいいます。

未決拘禁者を収容する場所としては、拘置所のほかに「留置所」があります。

留置所と拘置所の主な違いは、設置されている場所・施設数・管轄です。

留置所は警察署内に設置されており、警察署数とほぼ同数の約1100か所あります。
また、警察署内という場所の関係上、留置所は警察署が管轄しています。

これに対して拘置所は独立の施設として設置されている場合、刑務所に併設されている場合などがあり、全国に拘置所は8施設、拘置支所は111施設が存在しています。
また、拘置所は法務省が管轄しています。

留置所と拘置所を比較すると、留置所の方が圧倒的に施設数が多く、収容人数も多くなっています。
そのため、未だ起訴されていない被疑者段階では留置所に暫定的に収容しておき、検察官による起訴が行われた段階で拘置所に移送するのが一般的です。

拘置所に収容される刑事被告人は、すでに確定した刑を執行するために刑務所に収監されている受刑者とは異なり、未だ無罪の推定が働いている状態です。
そのため、拘置所に収容されている未決拘禁者に対する処遇は、刑務所の受刑者よりも制約の度合いが緩くなっています。

たとえば、拘置所内の未決拘禁者は、刑務所の懲役受刑者と異なり、刑務作業などの労働を行う必要がありません。
そのため、起床時間・食事時間・就寝時間などのスケジュールが決まっているものを除けば、基本的に自由時間であり、その間は読書などを自由に行うことができます。

また、拘置所内では支給される食事のほかに、菓子類・弁当・乳製品などを自費で購入することも可能です。
さらに、髪形や服装などに関する制約も、刑務所におけるものと比べると緩やかになっています。

拘置所内には、死刑判決が確定した者も収容されています。
死刑確定者については、その死をもって刑が執行されるので、裏を返せば死刑の執行までは「刑が執行されていない状態」といえます。
そのため、死刑確定者は刑罰を執行する施設である刑務所ではなく、拘置所に収容されることになっているのです。

なお、死刑確定者を拘置所内でどのように処遇するかについては、「刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律」においてルールが定められています。

死刑確定者の処遇の原則として、拘置所内では、死刑確定者の心情の安定が得られるように処遇すべきものとされているほか(同法第32条第1項)、必要に応じて民間の篤志家の協力を求め、心情の安定に資すると認められる助言・講話などを行うものとされています(同条第2項)。
また、未決拘禁者が実際上は相部屋に収容されることが多いのに対して、死刑確定者は必ず単独室に収容され(同法第36条第2項)、死刑確定者同士の接触は原則として禁止されます(同条第3項)。

拘置所に収容されている未決拘禁者(刑事被告人)は、弁護人または弁護人になろうとする弁護士と、いつでも立会人なくして接見し、または書類・物の授受をすることができます(刑事訴訟法第39条第1項)。
未決拘禁者は、これから刑事裁判で自らの罪状や量刑を争うための準備をすることが必要な立場にあります。
そのため、捜査機関や拘置所の都合により、未決拘禁者と弁護人の接見交通を妨げることは一切認められるべきではありません。

一方、弁護人または弁護人になろうとする者以外の人が未決拘禁者と接見することについても、原則として認められます(同法第80条)。
ただし、刑事被告人である未決拘禁者が逃亡し、または罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由がある場合には、接見禁止や授受される書類・物品の検閲が行われることがあります(同法第81条)。

死刑確定者についても、親族や心情の安定に資すると認められる者などとの面会が認められます(刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律第120条)。
ただし、死刑確定者への面会が行われる場合には、刑務官立会いの下で録音または録画が行われるのが原則です(同法第121条)。

拘置所に勤務している人は、「刑務官」と呼ばれています。
刑務官は法務省矯正局に所属する国家公務員で、原則として刑務所・少年刑務所・拘置所のいずれかに配属されています。

拘置所における刑務官の主な業務は、収容されている未決拘禁者や死刑確定者の管理・監督です。
拘置所では、刑務所とは異なり、被収容者に対して矯正指導を行うことはありません。
しかし、拘置所内の秩序を安定的に保つためには、収容されている未決拘禁者・死刑確定者の心情の安定を図ることが必要不可欠です。
そのため、被収容者の要望を取捨選択して、被収容者のために必要な対応を取ることもあります。
もちろん、拘置所内で被収容者が秩序を乱す行動をした場合には、それを制圧するのも刑務官の重要な職務です。
監修者
萩原 達也
弁護士会:
第一東京弁護士会
登録番号:
29985

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