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弁護士コラム

2019年05月22日
  • 財産事件
  • 強盗
  • 構成要件

強盗罪になるのは成立要件を満たした場合のみ? 刑が軽くなることはある?

強盗罪になるのは成立要件を満たした場合のみ? 刑が軽くなることはある?
強盗罪になるのは成立要件を満たした場合のみ? 刑が軽くなることはある?

強盗と聞くと、銀行に押し入って凶器を突きつけて多額の現金を奪い取るといった銀行強盗などをイメージする方も多いかもしれません。しかし、強盗罪にあたる犯罪はこのようなものに限りません。

強盗は、大変重い罰が科せられる犯罪です。もしもある日突然、身近な人が強盗容疑で逮捕されてしまったら、何かできることはないかと考えることはごく自然なことです。少しでも刑が軽くなる可能性はあるのでしょうか。

今回は、強盗罪とはどのような犯罪か、犯罪成立のための構成要件とは何かといった点について解説します。

1、強盗とは?

強盗とは、暴行や脅迫などによって相手に抵抗させないようにしたうえで、財産などを奪い取る行為です。

刑法第236条に強盗の罪について記載されています。同条では「暴行又は脅迫を用いて他人の財物を強取」することと、「(同様の方法によって)財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた」ことに分けて定義しています。条文の1項と2項に書かれていることから、前者を「一項強盗」、後者を「二項強盗」と呼びます。

一項強盗はお金や物を奪うことなどを指します。たとえばコンビニ強盗をしてレジのお金を奪うことが当てはまります。

二項強盗は、例えば、支払うべき代金を支払わないなどによって利益を得ることなどを指します。たとえばタクシーの運転手を脅して無賃乗車することなどです。

刑罰は、いずれも5年以上の有期懲役です。罰金刑は定められておらず、それだけ強盗罪は重い罪であることが分かります。通常は執行猶予がつきません。

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2、強盗が成立する構成要件

犯罪として成立させるためには、定められた要件に当てはまっていなければなりません。この、犯罪が成立するための要件を「構成要件」と呼びます。

強盗罪の構成要件には、主として以下の5つが挙げられます。

  • 実行行為があったか
  • 結果が生じたか
  • 因果関係はあるか
  • 故意があったか
  • 不法領得の意思があったか


以下、それぞれの構成要件について詳しく説明していきます。

  1. (1)実行行為

    実行行為とは、結果を発生させる危険性のある行為です。わかりやすくいうと犯罪行為のことを指しています。

  2. (2)結果

    強盗の場合でいう結果とは、財物が所有者から別の者の手に渡ったことなどを指します。コンビニ強盗を例にすると、「レジの現金が強盗犯の手に渡った」ことを「結果が生じた」と考えられます。

  3. (3)因果関係

    「(1)実行行為」と「(2)結果」の間に論理的な結びつきがあることを「因果関係がある」といいます。コンビニ強盗であれば、レジのお金が他人の手に渡ったことの原因が強盗という行為にあるといえるかがポイントになります。

  4. (4)故意

    故意とは、ある結果が生じることを分かったうえで(その結果を生じさせようとして)犯罪行為をすることです。相手を襲って金品を奪おうと考えていたことが立証されると、「故意があった」と考えられます。

  5. (5)不法領得の意思

    不法領得の意思とは、強盗によって得た利益を自分のものにし、自分の思うままに使おうとする意思のことを指します。

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3、実行行為と強盗罪以外の犯罪が成立するケース

強盗の実行行為とは、暴行や脅迫によって他人の財物を奪うことです。行為の内容によっては窃盗罪や強盗致死傷罪、恐喝罪、脅迫罪などの別の犯罪が成立する場合もあります。

前述のとおり、強盗は暴行や脅迫を用いて財物などを奪う行為です。一方、暴行や脅迫を用いず他人の財物を奪い取った場合は窃盗罪などになります。窃盗罪として有罪になれば、罰則は10年以下の懲役、または50万円以下の罰金に処されることになるでしょう。

また、強盗の際に、相手に怪我を負わせたり、死亡させたりした場合は強盗致死傷罪となります。強盗致傷罪として有罪になったときの場合は、無期または6年以上の懲役刑に処されます。万が一相手が死亡したときは、死刑または無期懲役と、さらに重い刑罰が科せられます。

そのほか、強盗罪と似ている犯罪に恐喝罪があります。両者の違いは、主として、行われた暴行(または脅迫)の度合いにあります。強盗罪において相手の反抗を抑圧するに足りる程度の暴行などが該当することに対し、恐喝罪において、相手の反抗を抑圧するに足りない程度の暴行などでも犯罪が成立しえます。恐喝罪として有罪となったときは、10年以下の懲役刑です。

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4、結果・因果関係で強盗未遂罪になるケースもある

強盗行為は未遂の場合でも処罰されることが、刑法第243条で定められています。

強盗行為をしたものの、財物が所有者から別の者に渡っていなければ「結果が生じていない」と考えられます。この場合は、基本的に強盗未遂罪となります。たとえば、コンビニ強盗がなされようとした事実はあったが、被害者の抵抗によって結局レジのお金は奪われなかったというケースが該当します。

暴行・脅迫と財物が奪われることの間に論理的な関係性があると認められないときは、強盗既遂罪は成立しません。たとえば、他人を暴行してその人の財布を強取しようとしたところ、被害者がおびえて逃走し、その際にうっかり財布を落としてしまったとします。その財布を奪っても、暴行と財布を奪ったことに関係があるとは認められない場合があります。この場合には、強盗ではなく強盗未遂罪となります。

未遂罪になれば、刑期が短くなる可能性があるでしょう。

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5、故意・不法領得とは?

故意とは、「罪の認識をもって犯罪を行うこと」、不法領得の意思とは、「不当に得た利益を自分の自由に使おうとする意思」です。では、この判断基準にあたり、たとえば多量のお酒を飲んで酩酊(めいてい)状態にあり、正常な判断力をもっていなかったときの犯行はどうなるのでしょうか。

このような場合、たとえ犯行時の記憶がないほど酔っていたとしても、責任能力があったとみなされることがほとんどです。責任能力については、犯行時の行動における合理性、計画性、暴行の程度、その他の記憶など、さまざまな要素をもとに判断されます。

したがって、酩酊状態であったとしても「酔っていて責任能力がなかった」との言い分は、多くのケースで通じません。逮捕された本人やご家族は、あらかじめ知っておく必要があるでしょう。

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6、【判決例紹介】強盗罪が成立するケース

ここでは実際の裁判で出た判決例をご紹介します。

  • 強盗致傷罪 懲役3年 執行猶予5年 猶予期間中の保護観察付き(札幌地方裁判所 平成31年1月31日判決)
  • コンビニでたばこ3箱を盗み、車で逃走しようとしたところ、気づいた店員が追いかけてきて止めようとした。店員が外から車のドアに手をかけて止めようとしたが、加害者側は逃げ切ろうとしてそのまま発進し、店員に怪我を負わせた。

  • 昏睡強盗罪 懲役4年(仙台地方裁判所 平成28年12月15日判決)
  • 被害者に睡眠導入剤を混ぜたアイスクリームを食べさせて昏睡状態にしたうえで、クレジットカードを3枚奪い取った。同様の昏睡強盗を複数件起こしている。

  • 強盗致傷罪 懲役3年 執行猶予5年 猶予期間中の保護観察付き(千葉地方裁判所 平成21年9月18日判決)
  • 他人の家のベランダに干してあったブラジャーを窃盗して車で逃走しようとしたところ、目撃していた人に止められそうになったため、その相手に暴行を加え、怪我を負わせた。
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7、強盗罪で逮捕をされたら弁護士に相談すべき理由

ここまで述べてきたように、強盗罪は大変重い罪です。逮捕された場合、逮捕から最長72時間は、家族が本人から直接話を聞いたり、面会したりすることはできません。検察官からの勾留請求が認められてしまえば、基本的に、最長23日間で起訴か不起訴かが決まることになります。

本人やご家族が弁護活動をすることは大変難しいことといえるでしょう。少しでも刑を軽くし、本人を1日も早く社会生活に戻らせたいと思うのであれば、いち早く弁護士に相談することをおすすめします。

逮捕された場合、まずは強盗罪が成立するのかという点が問われることになります。ここでもし窃盗罪などの別の罪であるとみなされれば、刑が軽くなる可能性もあるでしょう。刑事事件に対応した経験が豊富な弁護士であれば、さまざまなケースを視野に入れつつ、弁護活動を行います。

また、被害者との示談が成立すれば減刑の判断材料となり得ます。しかし、被害者感情を考えれば、加害者による直接交渉は受けてもらえる可能性は非常に低いでしょう。そこで、弁護士が間に入ることで、被害者との示談成立に期待できます。

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8、まとめ

今回は、強盗罪の定義や構成要件を中心に解説しました。強盗罪は他人を抑圧して財産を奪うという凶悪な犯罪です。起訴され有罪になれば厳しく罰せられますので、できるだけ早く弁護士に弁護を依頼することが大切です。弁護士であれば犯罪成立のための構成要件を押さえたうえで適切な弁護活動を行うことができます。

家族が強盗罪で逮捕されてしまい不安な気持ちでいるのであれば、ひとりで抱え込まずにぜひベリーベスト法律事務所にご相談ください。刑事事件に対応した経験が豊富な弁護士が適切な弁護活動を行います。

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本コラムを監修した弁護士
萩原 達也
ベリーベスト法律事務所
代表弁護士
弁護士会:
第一東京弁護士会

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※本コラムは公開日当時の内容です。
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