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弁護士コラム

2019年12月02日
  • 性・風俗事件
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強制性交等罪の弁護活動や示談の進め方は? 法改正や未遂についても解説

強制性交等罪の弁護活動や示談の進め方は? 法改正や未遂についても解説
強制性交等罪の弁護活動や示談の進め方は? 法改正や未遂についても解説

性犯罪に対する社会的批判や関心が高まる中、平成29年に大幅な法改正が行われました。

その中のひとつである「強制性交等罪」は、いわゆるレイプと呼ばれる犯罪で、強姦罪から名称および内容が変更となったものです。しかし、具体的に何が変わったのか、他の性犯罪とはどう違うのか、疑問をもつ方は多いでしょう。

この記事では、強制性交等罪をテーマに、犯罪の概要や法改正のポイント、逮捕された後に弁護士のサポートや示談が必要な理由を解説します。ご家族など身近な方が逮捕された場合に知っておくべき点をお伝えしますので、ご確認ください。

令和5年7月13日に強制わいせつ罪は「不同意わいせつ罪」へ、強制性交罪は「不同意性交等罪」へ改正されました。

目次

  1. 1、強制性交等罪とは? 強制わいせつ罪との違い
    1. (1)法改正の主なポイントは3つ
    2. (2)強制わいせつ罪との違い
  2. 2、未遂でも罪になる? 強制性交等罪未遂の規定
  3. 3、強制性交等罪で逮捕! 早期に弁護士へ依頼すべき理由
    1. (1)逮捕~起訴・不起訴の決定まで
    2. (2)起訴~刑事裁判まで
  4. 4、示談の進め方と弁護士ができること
    1. (1)示談をする効果
    2. (2)示談交渉に弁護士が必要な理由
    3. (3)示談の進め方
  5. 5、まとめ

1、強制性交等罪とは? 強制わいせつ罪との違い

強制性交等罪とは、平成29年7月13日施行の刑法改正によって、従来の強姦罪から姿を変えた罪です(刑法第177条)。
13歳以上の者に対して暴行または脅迫を加えて性交等を行うか、13歳未満の者に手段や同意の有無を問わず性交等をすると罪に問われます。

  1. (1)法改正の主なポイントは3つ

    ① 被害者の性別を問わない
    被害者が女性を想定していた旧強姦罪と異なり、強制性交等罪では被害者の性別を問わない点です。これにともない、処罰される行為が女性器への挿入のみならず肛門や口腔(こうくう)への挿入も対象となっています。

    ② 法定刑の引き上げ
    旧強姦罪では3年以上の有期懲役刑だったところ、強制性交等罪では5年以上の有期懲役刑に引き上げられました。執行猶予を得るためには「3年以下の懲役刑」を言い渡されることがひとつの条件であるため、強制性交等罪は原則的には執行猶予のつかない罪となり、厳罰化されたと言えます。

    ③ 非親告罪化
    旧強姦罪は被害者の告訴がなければ検察が起訴できない親告罪でしたが、改正によって非親告罪となりました。したがって捜査機関は告訴の有無にかかわらず起訴をすることが可能です。

  2. (2)強制わいせつ罪との違い

    強制わいせつ罪とは、13歳以上の者に暴行や脅迫を用いてわいせつな行為をするか、13歳未満の者にわいせつな行為をすると問われる罪です(刑法第176条)。法定刑は6か月以上10年以下の懲役刑です。
    2つの罪は目的とする行為に大きな違いがあります。強制性交等罪が「性交」「肛門性交」「口腔性交」を目的としているのに対し、強制わいせつ罪はこれらを除く「わいせつな行為」を目的としています。

2、未遂でも罪になる? 強制性交等罪未遂の規定

強制性交等罪は未遂でも罰せられます。未遂とは、犯行におよんだがその目的を達成しなかった場合を指します。

ここで問題になるのが、既遂(目的が達成された場合)と未遂の境界線です。
被害者が13歳以上の場合、性交等を目的として暴行または脅迫を開始した時点で、犯行におよんだ(着手した)とみなされます。したがって、暴行や脅迫をしたが抵抗され、性交等をせずに終わっても未遂罪が適用される可能性があります。
被害者が13歳未満の場合、そもそも犯罪の成立要件として暴行や脅迫などの手段は問われませんので、性交等を開始すれば犯行の着手となり、この時点で既遂になります。

また、加害者の目的によって強制性交等罪の未遂か、強制わいせつ罪の未遂かが争点になる場合もあります。
しかし、結果が生じていない以上、目的を客観的に判断するのは難しい問題です。
仮に性交等までするつもりはなく、わいせつな行為をする目的で犯行に着手した場合でも、それを証明することは困難です。強制性交等罪の未遂罪として捜査される可能性は大いにあるでしょう。

未遂罪も、既遂と同じ法定刑の範囲で裁かれます。
ただし、刑法第43条が定める未遂減免の規定により、量刑判断で減軽される可能性があります。これは、あくまでも裁判官による任意の減軽ですので、必ずしも減刑となるのではありません。
一方、自らの意思で犯行をやめた場合(中止未遂)には、刑が減軽または免除されます。
いずれの場合も、3年以下の懲役にまで減軽されれば、執行猶予がつく可能性も生じることになります。
もっとも、強制性交等罪は重罪ですので、仮に減軽されたとしても重い罰を受ける覚悟は必要となるでしょう。

3、強制性交等罪で逮捕! 早期に弁護士へ依頼すべき理由

逮捕されると刻一刻と刑事手続きが進むため、早期に弁護士のサポートを得ることが重要です。起訴前、起訴後のそれぞれの段階において、弁護士ができることを解説します。

  1. (1)逮捕~起訴・不起訴の決定まで

    逮捕されると、警察と検察官の取り調べを経て、起訴・不起訴の決定までに最長で23日の身柄拘束を受けます。この段階でもっとも重要なのは、不起訴処分を獲得することです。
    そのために弁護士は早い段階から被害者への謝罪と被害の弁済を行い、示談の締結を目指します。
    また、相手の合意があったなどの理由で容疑を否認する場合は、被疑者と被害者の関係性や性交等にいたるまでの経緯、やり取りなどの証拠をもとに、合意があった旨を検察官に主張します。
    さらに日常生活への影響を抑えるため、被疑者と面会を重ねて取り調べのアドバイスを行ったり捜査機関へ働きかけるなど、早期釈放のサポートを行います。

  2. (2)起訴~刑事裁判まで

    起訴された場合は高い確率で有罪となるため、犯罪が事実であれば、不当に重い刑罰を受けないよう弁護活動を行います。
    また、保釈が許可されるだけの事情があれば、身元引受人と保釈金の準備を条件に、保釈を請求する場合もあります。主にはご家族に準備していただくことになるでしょう。

    この段階でも弁護士の活動が極めて重要です。
    弁護士は引き続き被害者との示談交渉を進めます。示談が成立しない場合でも、謝罪文の提出や供託などを通じ、本人の深い反省を示すとともに更生するための対策を考えます。ご家族の監視体制なども評価の対象となるため、ご家族の協力は不可欠です。
    性依存症が疑われる場合は、専門家のカウンセリングを受ける、自助グループに参加するといったことも必要でしょう。
    刑事裁判では、弁護士が上記の活動をもとに減刑されるべき理由を主張し、最後までサポートを行います。

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4、示談の進め方と弁護士ができること

強制性交等罪は法改正によって非親告罪になったため、示談を締結する意味がないと感じる方もいるでしょう。
しかし、示談が起訴の決定および量刑の判断に大きな影響を与える点は、依然として変わりません。

  1. (1)示談をする効果

    重罪である強制性交等罪は、そう簡単に不起訴処分を得られるものではありません。
    しかし示談が成立すれば被害者が許してくれたという証明になるため、不起訴処分となり、前科がつかない可能性が生まれます。
    起訴後であっても、減刑されるために示談が極めて重要です。減刑されると、執行猶予つきの判決となる可能性も出てきます。

  2. (2)示談交渉に弁護士が必要な理由

    性犯罪の示談における大きな特徴は、その難しさにあります。
    まずは、交渉のテーブルにつくこと自体が容易ではありません。被害者は心身ともに深く傷ついていますので、加害者やそのご家族が示談を求めたところで、会ってもらえないことが多々あります。
    また、見ず知らずの方に対する犯行の場合は、示談の相手方が誰なのかを知ることすらできません。当然、捜査機関が加害者やそのご家族に連絡先を教えることはありません。
    弁護士だけが唯一、被害者と接触し、被害者感情に配慮しながら示談を進められる可能性をもっています。

  3. (3)示談の進め方

    弁護士は捜査機関を通じ、被害者からの許可を得たうえで連絡先を入手し、交渉を開始します。
    まず何よりも重要なのは、深い反省の気持ちを示し、誠心誠意、謝罪をすることです。今後は決して同じ罪を犯さないと誓い、そのための対策も講じます。ご家族を含め、周囲のサポートが必要になるでしょう。

    交渉に応じてもらえる場合は、相手方と条件を話し合います。示談金の額や支払期日、許しの文言などのほか、被害者に二度と近づかない旨の誓約条項を盛り込む場合もあります。
    条件に折り合いがつくと、示談書の作成、示談金の支払いという流れになります。
    なお、示談交渉を拒否された場合でも、交渉を継続する方法や、供託所に示談金を預ける方法もあります。少なくとも示談金の準備は必要になると考えておきましょう。

5、まとめ

強制性交等罪で逮捕されると、待ち構えているのは5年以上の懲役刑という重い罪です。長きにわたって自由を奪われるだけでなく、その後の社会復帰も容易ではありません。本人はもとより、ご家族もつらく長い時間を過ごすことになるでしょう。
刑事事件では時間的な猶予はありませんので、少しでも早い段階で対応することが大切です。とはいえ逮捕された本人にはなすすべがなく、またご家族の活動にも限界がありますので、速やかに弁護士を頼る必要があります。
身近な方が強制性交等罪で逮捕されお困りの場合は、一刻も早くベリーベスト法律事務所へご相談ください。刑事事件における加害者弁護の実績豊富な弁護士が適切に対処し、不起訴処分や減刑に向けて全力でサポートいたします。

本コラムを監修した弁護士
萩原 達也
ベリーベスト法律事務所
代表弁護士
弁護士会:
第一東京弁護士会

ベリーベスト法律事務所は、北海道から沖縄まで展開する大規模法律事務所です。
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※本コラムは公開日当時の内容です。
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