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弁護士コラム

2020年03月04日
  • 性・風俗事件
  • 痴漢
  • 起訴

痴漢で逮捕や起訴をされるケースとは? 逮捕から裁判までの流れを解説

痴漢で逮捕や起訴をされるケースとは? 逮捕から裁判までの流れを解説
痴漢で逮捕や起訴をされるケースとは? 逮捕から裁判までの流れを解説

痴漢はいかなる動機であっても許される行為ではなく、れっきとした性犯罪です。

しかし、決して少なくない数の痴漢行為が日々行われているのが現状のようです。警視庁によれば、平成29年中に都内で起きた性犯罪のうち、強制わいせつの発生件数は約700件、迷惑防止条例違反に該当する性犯罪は約1750件でした。迷惑防止条例違反に該当する行為だけでも、1日平均で4~5件が発覚していることを意味します。事件化していないものを含めれば、もっと多くなるでしょう。

今回は痴漢行為で逮捕されるケースや、起訴から裁判へ至るまでの流れを解説します。

1、痴漢事件で問われる罪と刑罰

  1. (1)痴漢は何の罪に当たるか

    刑法上、「痴漢罪」という罪名は存在しません。もちろん、だからといって痴漢が犯罪とならないわけではなく、迷惑防止条例違反もしくは強制わいせつ罪として処罰される可能性があります。

    迷惑防止条例は各都道府県で制定される条例であり、名称や禁止対象となる行為、罰則は自治体によって異なることがあります。たとえば東京都の場合、「公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例」というのが正式な名称です。

    他方、強制わいせつ罪は刑法に定められた犯罪で、13歳以上の相手への暴行・脅迫を用いたわいせつ行為や、13歳未満の相手へのわいせつ行為が処罰対象となります。

    一般的には、着衣の上から触れる痴漢行為は迷惑防止条例違反として取り締まりを受ける可能性が高いと考えられます。着衣内や下着などに手を入れたなどのケースでは強制わいせつ容疑として取り調べを受けることになる可能性が高いでしょう。

  2. (2)痴漢で罪に問われた場合の刑罰

    東京都において迷惑防止条例違反として有罪になれば、6か月以下の懲役または50万円以下の罰金が科されます。また、何度か繰り返している常習的な犯行の場合は別の定めがあり、1年以下の懲役または100万円以下の罰金というように、刑罰が加重されます。

    強制わいせつ罪で有罪になった場合は、6か月以上10年以下の懲役が科されることになります。強制わいせつ罪に罰金刑の設定はありません。初犯の場合には執行猶予がつくこともありますが、決して軽い罪とはいえないでしょう。

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2、痴漢行為で逮捕されるケースとは?

  1. (1)逮捕について

    逮捕には大きく分けて現行犯逮捕と、通常逮捕があります。

    現行犯逮捕とは犯行現場で捕まることで、一般の目撃者、駅員や店員なども逮捕が可能です。これに対して、後日逮捕される通常逮捕は、裁判官の令状に基づく逮捕で、警察官など法定の逮捕権限を有する者だけが可能なものです。

  2. (2)痴漢行為と逮捕

    痴漢行為とは、たとえば電車内で相手の下半身や胸に触れる、あるいは衣服のボタンを外す、後ろから下半身を密着させるなどの行為を指します。

    現行犯逮捕のケースとしては、たとえば電車内で相手の下半身や胸に触れたりしたところを、ほかの乗客や車掌に見とがめられてその場で現行犯逮捕される事例が考えられます。
    通常逮捕のケースとしては、たとえば犯行の場で現行犯逮捕されなくとも、痴漢行為の証拠が監視カメラの映像として残っていた事例が考えられます。特に、犯行を否定するような場合には通常逮捕される可能性が高くなるといえるでしょう。逮捕は証拠隠滅や逃亡を防ぐために行われるので、犯行の否定は逮捕すべきだとの判断に結びつきやすくなるからです。

    これらに対して、犯行態様の悪質性が低く、証拠隠滅や逃亡のおそれもないと考えられる場合には逮捕されないケースもあります。ただ、逮捕されないといっても、多くが在宅事件扱いとして手続きが進み、起訴に至る可能性もないわけではありません。

    なお、釈放に際しては通常身元引受人が求められますが、これは家族や上司のほか、友人でも差し支えありません。

  3. (3)警察の取り調べ方法とその後の手続き

    逮捕されると警察は取り調べを行い、供述調書を作成します。逮捕後48時間以内に検察官送致(送検)されるか、釈放されます。送致されると検察では24時間以内に釈放か起訴、もしくは勾留請求を行わなければなりません。これらを合わせた72時間のあいだは身内や友人であっても面会できず、弁護士のみが接見できます。

    なお、軽微な事件においては送致せずに事件を処理する微罪処分が行われることがあります。ただし、性犯罪の場合は、微罪処分となる可能性は低いでしょう。

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3、痴漢事件で起訴になるケースと起訴までの流れ

  1. (1)起訴の意味とは

    起訴とは、検察官が裁判の開廷を要請する処分をいいます。起訴か不起訴かの判断を行う権利を有するのは検察官のみです。起訴されたら刑事裁判となり、日本では99.9%が有罪になるとされています。

  2. (2)痴漢事件で起訴となる条件

    起訴相当かどうかの判断は検察官が行うため、特定の条件があれば間違いなく起訴される、といったことは一概にはいえません。ただ、判断の参考となるポイントはいくつか考えられます。

    たとえば初犯ではなく前科がある場合、長時間の痴漢行為や複数人で協力しての痴漢行為のように犯行の悪質性が高い場合、被害者との示談が成立していない場合など、刑事裁判で審理すべき必要性が高いと判断されるケースでは、起訴されやすくなるでしょう。

  3. (3)逮捕から起訴まで

    逮捕されてから警察での取り調べ(捜査)が行われ、検察官送致がなされます。検察でも取り調べを受けます。24時間以内に起訴されるケースは多くないため、必要に応じて裁判官への勾留請求がなされます。勾留とは証拠隠滅防止あるいは逃亡防止のための身柄拘束であり、原則10日間ですが、やむを得ない事情があるときには1度だけさらに10日間の延長が認められます。そして最長20日間の勾留を経て、起訴すべきだと判断された場合には起訴されて刑事裁判手続へと移ります。

    弁護士は逮捕段階では接見して取り調べへの助言や早期釈放への働きかけを行います。起訴前の段階では、被害者との示談や勾留に対する準抗告など、不起訴処分や早期釈放を目指した弁護活動に取り組むことになります。

    起訴後には保釈請求を行い、刑事裁判においては被告人のために主張・立証を行います。また、それぞれの段階で被害者との示談交渉なども代行します。

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4、起訴から裁判までの流れ

ここでは不起訴処分と3つの起訴手続きを見ていきましょう。

  1. (1)不起訴処分とは

    起訴されると刑事裁判が開かれますが、不起訴処分となれば、裁判は開かれずに釈放されます。この場合、前科もつきません。

    不起訴の理由には大きく分けて「嫌疑なし」「嫌疑不十分」「起訴猶予」の3パターンがあります。嫌疑なしとは被疑者が無実だということです。ほかに真犯人が捕まった場合などが考えられます。嫌疑不十分とは疑いはあるものの決定的証拠は出てこない場合です。起訴猶予とは、示談が成立しているケースや、犯行が悪質でないとか本人の反省が見られるなどの情状を考慮して起訴しないでおくことです。

  2. (2)略式起訴(略式請求)

    すぐに釈放される反面、書面で罰金などの判決を受けるのが略式起訴です。略式とはいえ有罪は有罪なので前科がつきます。

    略式起訴となる条件としては、簡易裁判所の管轄事件であって罰金刑100万円以下または科料の事件であること、そして被疑者本人に異議がないことです。速やかに身柄の解放を求める場合には、略式手続に同意するのもひとつの手段でしょう。

  3. (3)即決裁判手続

    これもまた速やかに裁判を終わらせる手続きですが、略式起訴のように書面だけで完結するのではなく、公開の法廷で審理が行われます。

    特徴としては、懲役・禁錮となる場合には必ず執行猶予が付されること、原則として起訴から14日以内に裁判が開かれること、証拠調べが簡略になされ、当日中に判決が下されることが挙げられます。

  4. (4)刑事裁判(公判請求)

    しっかりと審理を受ける必要があるケースでは、刑事裁判が開かれます。公開の法廷で審理が行われ、傍聴も自由なので、痴漢事件の被告人として人目にさらされることになるでしょう。

    ただし、たとえば痴漢冤罪事件のように、罪の存否そのものをしっかりと争いたい場合、簡略化された手続きによらず、刑事裁判を求めるべきといえるでしょう。

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5、まとめ

今回は痴漢の罪名や痴漢で逮捕・起訴されるケース、逮捕後の手続きの流れについて説明しました。

痴漢で迷惑防止条例違反か強制わいせつ罪に問われたとしても、身柄の拘束を伴う逮捕が行われるケースと行われないケースがあります。いずれにしても前科をつけないためには、できる限り不起訴処分を目指すこととなるでしょう。不起訴処分を求めるうえで必要不可欠となるものが示談ですが、加害者本人やその身内などが被害者に会おうとするとトラブルに発展してしまう可能性も高いため、示談交渉は弁護士に依頼したほうがよいでしょう。

もしご家族などが痴漢で逮捕されてしまい、不起訴処分を目指したいのであれば、ベリーベスト法律事務所にぜひご相談ください。

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本コラムを監修した弁護士
萩原 達也
ベリーベスト法律事務所
代表弁護士
弁護士会:
第一東京弁護士会

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※本コラムは公開日当時の内容です。
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