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弁護士コラム

2020年04月07日
  • 性・風俗事件
  • つきまとい
  • 軽犯罪

「つきまとい」における軽犯罪法違反(追随等の罪)とは

「つきまとい」における軽犯罪法違反(追随等の罪)とは
「つきまとい」における軽犯罪法違反(追随等の罪)とは

日常生活における軽微な不法行為を罰する法律として存在しているのが「軽犯罪法」です。

本コラムでは、軽犯罪法に規定されている「追随等の罪」、いわゆる「つきまとい」について詳しく解説します。

どのような行為が対象になるのかの具体例や処罰の内容、逮捕された場合の対策などもあわせて、ベリーベスト法律事務所の弁護士が紹介していきましょう。

1、つきまとい行為の罪とは

  1. (1)取り締まりの根拠

    つきまとい行為が取り締まりの対象となる根拠は、軽犯罪法に規定されています。

    軽犯罪法 第1条 第28号
    「他人の進路に立ちふさがつて、若しくはその身辺に群がつて立ち退こうとせず、又は不安若しくは迷惑を覚えさせるような仕方で他人につきまとつた者」


    この条文から、禁止されている行為は次のふたつであることがわかります。

    ① 立ちふさがりまたは身辺に群がって立ち退かない
    ② 不安または迷惑を覚えさせるような方法で他人につきまとう


    ①だけであれば、たとえばドラマなどで、いわゆる不良などと呼ばれるような粗暴な集団が通行人などに難癖をつけて通さないような状態がイメージできるでしょう。しかし、②の行為については、相手が不安・迷惑を感じるかどうかが問題になります。追随した時間・拒絶や助けを求めるなどの被害者の対応・相手との関係や性別など、さまざまな要因が影響します。

    相手が不安・迷惑を感じたかどうかは、行為をしている者にとっては不明確なことがあります。そのため、実際の事件では加害者・被害者の供述だけでなく目撃者の証言や現場の状況などから総合的に判断されることになるでしょう。

  2. (2)軽犯罪法違反(つきまとい行為)における罰則

    軽犯罪法第1条で規定されているつきまとい行為により取り締まりの対象となった場合、拘留または科料が科せられる可能性があります。

    ニュースなどで報道されることが多い罰則は、刑法で規定されていることが多い「懲役」や「罰金」です。拘留・科料という刑罰を耳慣れない方は多いのではないでしょうか。それぞれの処罰内容は以下のとおりです。

    • 拘留(こうりゅう)
    • 身体の自由を拘束する自由刑のひとつで、1日以上30日未満の刑事施設への収容が科せられます。執行猶予がつくことはなく必ず実刑となりますが、実際の拘留期間には起訴後の勾留期間が含まれるため、比較的早期に帰宅できるでしょう。懲役刑と違い、労働に従事することはありません。

    • 科料(かりょう)
    • 罰金刑と同じく財産を奪う財産刑で、金額が1000円以上1万円未満という少額であるのが特徴です。科料が支払えない場合は日当換算で労役につくことになります。
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2、つきまといの行為でストーカー規制法違反となる場合も

「つきまとい」と呼ばれる行為を処罰する法律は、軽犯罪法だけではありません。

まず、「つきまとい行為」を禁止する法律として多くの方が思い浮かぶのは「ストーカー規制法(ストーカー行為等の規制等に関する法律)」ではないでしょうか。

実際に、ストーカー規制法第2条第1項では、次のように規定しています。

ストーカー規制法 第2条 第1項
この法律において「つきまとい等」とは、特定の者に対する恋愛感情その他の好意の感情又はそれが満たされなかったことに対する怨恨の感情を充足する目的で、当該特定の者又はその配偶者、直系若しくは同居の親族その他当該特定の者と社会生活において密接な関係を有する者に対し、次の各号のいずれかに掲げる行為をすることをいう。

  1. 一 つきまとい、待ち伏せし、進路に立ちふさがり、住居、勤務先、学校その他その通常所在する場所(以下「住居等」という。)の付近において見張りをし、住居等に押し掛け、又は住居等の付近をみだりにうろつくこと。
  2. 二 その行動を監視していると思わせるような事項を告げ、又はその知り得る状態に置くこと。
  3. 三 面会、交際その他の義務のないことを行うことを要求すること。
  4. 四 著しく粗野又は乱暴な言動をすること。
  5. 五 電話をかけて何も告げず、又は拒まれたにもかかわらず、連続して、電話をかけ、ファクシミリ装置を用いて送信し、若しくは電子メールの送信等をすること。
  6. 六 汚物、動物の死体その他の著しく不快又は嫌悪の情を催させるような物を送付し、又はその知り得る状態に置くこと。
  7. 七 その名誉を害する事項を告げ、又はその知り得る状態に置くこと。
  8. 八 その性的羞恥心を害する事項を告げ若しくはその知り得る状態に置き、その性的羞恥心を害する文書、図画、電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。以下この号において同じ。)に係る記録媒体その他の物を送付し若しくはその知り得る状態に置き、又はその性的羞恥心を害する電磁的記録その他の記録を送信し若しくはその知り得る状態に置くこと。

この条文こそ、ストーカー規制法における「つきまとい」の根拠です。

ストーカー規制法では、第2条第1項の第1から8号に該当する行為を「つきまとい等」と定義しています。
まず、ストーカー規制法上の「つきまとい等」に該当するためには、特定の者に対する好意の感情や好意が満たされなかったことに対する怨恨の感情を充足する目的がある必要があります。

そして、「つきまとい等」をした違反者には警察署長からの警告下されることになります(同法第4条)。
また、「つきまとい等」により、相手方に身体の安全、住居等の平穏若しくは名誉が害され、又は行動の自由が著しく害される不安を覚えさせる行為があった場合、都道府県公安委員会は、当該行為をした者に対して、当該行為をしてはならないという禁止命令を下すことができます(同法第3条、第5条)。
つきまとい等を繰り返した場合は「ストーカー行為」となり、1年以下の懲役または100万円以下の罰金が科せられる可能性があります(同法第2条第3項、第18条)。

なお、ストーカー規制法第2条第1項第1号から第4号、第5号のうち電子メールの送信等に係る部分については、身体の安全、住居等の平穏若しくは名誉が害され、又は行動の自由が著しく害される不安を覚えさせるような方法により、繰り返し行われた場合に、「ストーカー行為」に該当する、とされています。
禁止命令が出ているにもかかわらず、ストーカー行為をした者は、2年以下の懲役または200万円以下の罰金が科せられる可能性があります。(同法第19条)

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3、軽犯罪法違反(追随等の罪)となる典型的な行為

軽犯罪法における追随等の罪とみなされる行為の具体例を挙げてみましょう。

  • ナンパ
  • 通行人に対して飲食や遊びに誘う、いわゆる「ナンパ」と呼ばれる行為が挙げられます。

  • 事業活動
  • 飲食店の従業員が通行人を呼び止めて来店を促す「客引き」や、コンサート・スポーツ会場などでチケット売買を目的として客につきまとう「ダフ屋」などが該当します。ただし、客引き行為やダフ屋行為は、状況によって都道府県の迷惑行為防止条例違反や、いわゆる入場券不正転売禁止法違反として処罰される可能性があります。

  • 思想活動
  • 通行人などに署名や募金、祈りを求める行為も、態様によっては追随等の罪とみなされる可能性もあります。
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4、つきまとい行為で軽犯罪法違反として逮捕されたら

軽犯罪法違反の罰則は、先述のとおり拘留または科料です。拘留または科料にあたる罪の場合、刑事訴訟法第199条第1項のただし書きによって「定まった住所を有しない」または「正当な理由なく出頭に応じない」という状況がない限り逮捕状に基づく逮捕が制限されます。さらに、同法第217条によって「住居もしくは氏名が明らかではない」または「逃亡するおそれがある」という状況がないと現行犯逮捕もできません。

したがって、誤った対応を取らない限り、多くの方が軽犯罪法違反に該当するつきまといの行為を理由に逮捕されることはないでしょう。それでも逮捕されてしまう可能性があるとすれば、出頭の求めを無視した、その場から逃走しようとしたなど、「逃亡のおそれがある」とみなされたか、住所不定で名前も明らかにできず、身元保証人もいないケースと考えられます。

ただし、つきまとい行為が軽犯罪法違反ではなく別の犯罪とみなされた場合は通常逮捕・現行犯逮捕を受けるおそれがあります。ストーカー規制法や迷惑防止条例違反などに該当すれば、逮捕による長期間の身柄拘束や刑罰を受けるリスクが伴うでしょう。

弁護士に対応を一任することで、逮捕されてしまった際の取り調べの対応や今後の流れなどについて、詳しくアドバイスが受けられるでしょう。また、被害者に謝罪して示談金を支払うことで逮捕・起訴の回避も期待できます。被害者との示談交渉は、犯罪事件の解決実績が豊富な弁護士に任せることで有利に運ぶ可能性が高まるでしょう。

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5、まとめ

繁華街でのナンパ行為や通行人に署名を求める行為など、あなたにとってはおよそ犯罪だとは思えない行為であっても、軽犯罪法の規制によって犯罪とみなされるおそれがあります。また、行為の態様によっては軽犯罪法違反ではなくストーカー規制法など別の法律によってより重い処罰を受けるリスクは否定できません。

何気なく起こした行為がつきまとい行為とみなされて事件してしまうおそれがある場合は、弁護士に相談して解決を目指すことをおすすめします。ベリーベスト法律事務所では、刑事事件の弁護・解決実績を豊富にもつ弁護士が、軽犯罪法やその他の法律に違反した疑いをかけられている方を強力にサポートします。刑事事件の弁護はスピードが命です。まずは気軽にご相談ください。

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監修者
萩原 達也
弁護士会:
第一東京弁護士会
登録番号:
29985

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※本コラムは公開日当時の内容です。
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