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公然わいせつ事件を起こしてしまった! 後から逮捕されることはある?
たとえば宴会の席で余興として裸踊りをする。あるいは居酒屋で盛り上がり性交のまね事をしてしまう。このような場合、公然わいせつ事件として扱われるおそれがあります。
公然わいせつ罪を含む性犯罪に対し、年々世間の目は厳しさを増しています。
今回は、公然わいせつ罪の内容と逮捕に至るまでの経緯、万一有罪となってしまった場合にどうなるかを解説していきます。
1、公然わいせつはどのような犯罪? 逮捕される2つのパターンとは?
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(1)公然わいせつ罪の規定
公然わいせつ罪は刑法第174条に定められています。そこでは、犯罪となる行為および有罪となった場合に科される刑罰が示されています。
まず行為については、「公然」と「わいせつな行為」をした場合に犯罪となります。次に刑罰については、6か月以下の懲役もしくは30万円以下の罰金、または拘留(こうりゅう)、科料に処されます。
懲役は刑務所で所定の作業を行わせる刑罰で、拘留は労働の義務こそありませんが懲役と同じく身柄の自由を制限される刑罰です。また罰金・科料はお金を強制的に取り立てられる刑罰を指します。拘留は1日以上30日未満の拘置、科料は1000円以上1万円未満の徴収です。
逮捕されて有罪となってしまうと、ケースによっては6か月間の懲役刑もあり得ます。 -
(2)逮捕されるパターンとは
公然わいせつ罪に限らず、逮捕には大きく分けて2つのパターンがあります。それは現行犯逮捕と通常逮捕です。
事件現場で捕まることを現行犯逮捕といい、これは警察官だけではなく通行者などの一般人にも可能です。
これに対し現場を離れ、後から逮捕されることを通常逮捕といいます。裁判官により逮捕状が出され、それに基づいて警察官が逮捕するのが一般的です。捜査の進み具合によっては数日後や数か月後に逮捕されることもあるため、犯行から日数がたったからといって安心することはできません。
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2、事件として通常逮捕される公然わいせつ罪とは?
公然わいせつ罪では多くの場合に現行犯での逮捕がなされます。しかし、公然わいせつ行為の悪質性(事件性)が強い場合には後日、通常逮捕されることもあります。たとえば、公共の場所での露出というケースや特定の被害者がいるケース、多くの人に見られる可能性が高いケースなどです。
以下では、公然わいせつ罪で逮捕された具体的な事例をみてみましょう。
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(1)わいせつ行為の中継
報道によれば、令和元年6月に福岡県警察が、インターネットの動画投稿サイトでわいせつ行為を中継したとして、2名を逮捕しています。
このケースでは、不特定多数人の目に触れるような形で下半身を露出するなどしたわいせつ行為を公開していたことの悪質性が逮捕の要因と考えられるでしょう。中継や撮影に協力していた場合、共犯としての逮捕もあり得ます。 -
(2)防犯カメラの証拠映像
平成27年4月に大阪府警察が、女子高生に対する路上での下半身露出の容疑で、39際の男性を逮捕したという報道がありました。
このケースでは、周辺の防犯カメラに容疑者がズボンを下ろす様子や、逃走に使われた車が証拠として映っていたため、逮捕に至ったとのことです。
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3、公然わいせつの検挙率はどのくらい? 有罪になったときに執行猶予は付くのか?
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(1)公然わいせつ罪での検挙率
警察庁ではさまざまな犯罪について、各年の認知・検挙件数や検挙率(検挙に至る確率)を公表しています。認知件数とは発生した事件のうちで存在を認知した件数、検挙件数とは警察で事件を検察官送致・送付、または微罪処分とした件数をいいます。
平成28年のデータによれば、公然わいせつ罪の認知件数が2824件、そのうち検挙件数が1825件、検挙人員は1589人で、検挙率は64.6%となっています。悪質性が高くない場合は検挙に至らないこともあるものの、検挙率は決して低くはありません。 -
(2)有罪となった場合には
公然わいせつ罪で有罪となれば、6か月以下の懲役、30万円以下の罰金、拘留、科料のいずれかが刑罰として科されます。
初犯の場合や事件としての悪質性が高くない場合などは罰金刑が科される傾向にありますが、懲役刑となった場合でも執行猶予がつき、刑務所に行かないケースもあります。
ただ、以下でもご説明するように、逮捕された後の捜査機関への対応を誤ると重い刑罰を受けることもあるため、注意が必要です。居直るような受け答えや現行犯逮捕にもかかわらず罪を認めない態度を示すといったことは避けるべきです。
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4、公然わいせつ罪で逮捕されてしまうか不安なときの対応方法
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(1)自首という選択肢について
公然わいせつ罪にあたるような行為をしてしまった自覚がある場合、対応方法として「自首」を考える方もいることでしょう。自首とは、犯罪事実や犯人が発覚していないうちに、犯人が自分から捜査機関へ申し出ることをいいます。なお、犯人が捜査機関側に特定されている状態で申し出ることは出頭といいます。
自首は、捜査機関(警察署など)へ赴き、対象となる犯罪事実について告げれば足ります。ただし、そのまま逮捕された場合に備え、弁護士に同行してもらうことを検討すべきです。弁護士がいると、取り調べでどのような対応をすべきかアドバイスを受けることができますし、職場などへの対応についても助言を得ることができます。また、示談交渉の代行も依頼することができます。 -
(2)警察から呼び出しを受けた場合
被疑者または参考人として扱われる場合、いきなり逮捕されるのではなく警察から呼び出しを受けることがあります。任意なので断ることはできますが、事例によっては後日逮捕される可能性があるため、断り続けるのは得策ではありません。この場合も弁護士に相談することで、呼び出しへの対応について助言を得ることができます。
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5、公然わいせつで逮捕された場合、弁護士に依頼すべき理由と弁護士ができること
逮捕されると、警察や検察による取り調べが行われます。このときの対応により、起訴されるかどうか、また起訴された場合には執行猶予がつくかどうかなどが決まってくることもあります。弁護士に依頼すべきメリットのひとつとして、取り調べに対してどう対応するべきかアドバイスしてもらえるという点が挙げられます。
単に反省の態度を示すだけではなく、捜査機関側が何を聞きたいのかを知ることで、不用意な言動をしないことができるでしょう。
また、公然わいせつ罪のうちでも特定の被害者がいる場合、その被害者との示談の成立も重要です。示談が成立しているかどうかといった点は、起訴や不起訴の判断、裁判における量刑判断に影響を与えるからです。示談交渉を弁護士に任せることで、交渉が進み、示談が成立する可能性が高まります。
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6、まとめ
公然わいせつ罪は逮捕するかどうかの判断は事件性などを踏まえて行われます。事件が悪質で、なおかつ証拠隠滅のおそれがあるような場合には、逮捕される可能性が高いといえるでしょう。
もし、公然わいせつ罪にあたるような行為をしてしまい、逮捕されるかどうか不安に思われているようでしたらベリーベスト法律事務所までご相談ください。事件の見通しとともに、どのように対応すべきか、弁護士がサポートいたします。
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