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弁護士コラム

2024年03月12日
  • 性・風俗事件
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  • 逮捕

不同意わいせつ罪で逮捕されたら|罪にあたる行為や逮捕による影響

不同意わいせつ罪で逮捕されたら|罪にあたる行為や逮捕による影響
不同意わいせつ罪で逮捕されたら|罪にあたる行為や逮捕による影響

不同意わいせつ罪で逮捕・起訴されて刑事裁判で有罪が確定すると、6か月以上10年以下の拘禁刑(懲役)が科されます。重い刑事処分を回避するためには、早い段階で弁護士に相談することが大切です。

本記事では、不同意わいせつ罪の構成要件や該当行為の具体例、逮捕された場合の影響や逮捕後の流れなどをベリーベスト法律事務所の弁護士が解説します。

この記事で分かること

  • 不同意わいせつ罪が成立する要件と具体的な行為例
  • 逮捕された場合の悪影響
  • 逮捕されたら弁護士に相談するべき理由

目次

  1. 1、不同意わいせつ罪とは
    1. (1)不同意わいせつ罪の構成要件
    2. (2)不同意わいせつ罪が成立する行為の具体例
    3. (3)【令和5年7月施行】強制わいせつ罪から不同意わいせつ罪への変更点
  2. 2、不同意わいせつ罪で逮捕された場合の悪影響
    1. (1)家族や友人に知られる
    2. (2)解雇される・退学処分を受ける
    3. (3)実名報道されれば社会的信用を失う|再就職も困難になる可能性
    4. (4)有罪判決が確定すると前科が付く
  3. 3、不同意わいせつ罪で逮捕された後の刑事手続きの流れ
    1. (1)逮捕~勾留請求
    2. (2)起訴前勾留~起訴・不起訴
    3. (3)起訴後勾留
    4. (4)公判手続き・判決・刑の確定および執行
  4. 4、不同意わいせつ罪で逮捕されたら早急に弁護士へご相談を
  5. 5、まとめ

1、不同意わいせつ罪とは

「不同意わいせつ罪」とは、相手の同意がないにもかかわらず、わいせつな行為をした場合に成立する犯罪です。令和5年(2023年)7月13日に施行された改正刑法により、強制わいせつ罪と準強制わいせつ罪が不同意わいせつ罪に統合されました

  1. (1)不同意わいせつ罪の構成要件

    不同意わいせつ罪は、以下のいずれかの行為または事由により、被害者が同意しない意思を形成・表明・全うすることが困難な状態にさせ、またはその状態にあることを乗じてわいせつな行為をした場合に成立します(刑法第176条第1項)。


    • ① 暴行や脅迫を用いること、またはそれらを受けたこと。
    • ② 心身の障害を生じさせること、またはそれがあること。
    • ③ アルコールや薬物を摂取させること、またはそれらの影響があること。
    • ④ 睡眠その他の意識が明瞭でない状態にさせること、またはその状態にあること。
    • ⑤ 同意しない意思を形成・表明・全うするいとまがないこと。
    • ⑥ 予想と異なる事態に直面させて恐怖・驚愕(きょうがく)させること、またはその事態に直面して恐怖・驚愕していること。
    • ⑦ 虐待に起因する心理的反応を生じさせること、またはその心理的反応があること。
    • ⑧ 経済的や社会的な地位に基づく影響力によって受ける不利益を憂慮させること、またはそれを憂慮していること。


    また、その行為がわいせつではないとの誤信をさせる、もしくは行為者について人違いをさせる、またはそれらに乗じてわいせつな行為をした場合にも、不同意わいせつ罪が成立します(同条第2項)。

  2. (2)不同意わいせつ罪が成立する行為の具体例

    不同意わいせつ罪が成立しうる行為としては、以下の例が挙げられます。


    • 相手の身体を無理やり押さえつけてキスをした。
    • 「騒いだら殺すぞ」などと脅したうえで、相手の身体を触った。
    • 相手にお酒を飲ませて泥酔させた状態で、相手の身体を触った。
    • 相手が眠っている間に、相手の身体を触った。
    • 相手とすれ違う時に、いきなり相手の身体を触り、すぐに逃走した。
    • 目の前で火事が起こり、相手が怖がっているすきにその身体を触った。
    • 相手に対して日常的に暴力を振るい、抵抗しても無駄だと思わせた状態で、相手の身体を触った。
    • 上司が部下に対して、「断ったら左遷する」と伝えたうえで、部下の身体を触った。
    など
  3. (3)【令和5年7月施行】強制わいせつ罪から不同意わいせつ罪への変更点

    令和5年7月13日に改正刑法が施行され、従来の「強制わいせつ罪」と「準強制わいせつ罪」が不同意わいせつ罪に統合されました。
    改正刑法による変更点は、以下のとおりです。


    ① 該当行為の明確化
    従来の「暴行」「脅迫」「心神喪失」「抗拒不能」という要件を改め、具体的な行為および事由を列挙する形に明確化されました。

    ② 性交同意年齢の引き上げ
    従来は13歳未満の者に対するわいせつな行為が一律処罰の対象とされていましたが、13歳以上16歳未満の者に対するわいせつな行為についても、5歳以上年長の者が行う場合は一律処罰の対象とされました。

    ③ 身体の一部または物を挿入する行為の取り扱いの見直し
    膣(ちつ)または肛門に陰茎以外の身体の一部や物を挿入する行為は、従来は「わいせつな行為」とされていましたが、改正によって「性交等」に含められたため、不同意わいせつ罪ではなく不同意性交等罪となります(刑法第177条)。

    ④ 夫婦間における成立の明確化
    婚姻関係にある夫婦の間でも、不同意わいせつ罪が成立し得る旨が明文化されました。

2、不同意わいせつ罪で逮捕された場合の悪影響

不同意わいせつ罪の疑いで逮捕されると、生活・仕事・学業などについて以下の悪影響が生じるおそれがあります。



  1. (1)家族や友人に知られる

    不同意わいせつ罪の疑いで逮捕されると、身柄拘束されて自宅に帰れなくなるので、同居している家族に知られることは避けられません。また、友人の間でも逮捕のうわさが広まってしまうことがあります。

    家族や友人に性犯罪の疑いで逮捕されたことを知られると、人間関係に大きな支障が生じてしまうかもしれません。

  2. (2)解雇される・退学処分を受ける

    不同意わいせつ罪の疑いで逮捕された事実は、報道されたり、身柄拘束が長期化することにより、会社や学校にも知られる可能性が高いといえます。

    会社に知られた場合は解雇、学校に知られた場合は退学処分が懸念されます。解雇や退学処分を受けると、仕事のキャリアや学業が頓挫してしまい、生活にも大きな悪影響が生じてしまうでしょう。なお、逮捕の時点で解雇や退学処分を行うのは、本来は先走り過ぎた対応であり、事後的に効力を争える場合もあります。

  3. (3)実名報道されれば社会的信用を失う|再就職も困難になる可能性

    性犯罪に対する関心が高まっている昨今では、不同意わいせつ罪の疑いで逮捕された場合、その事実が報道される可能性が高いと考えられます。
    性犯罪による逮捕が実名報道されれば、社会的信用を失い、再就職が困難になってしまうおそれがあります。

  4. (4)有罪判決が確定すると前科が付く

    不同意わいせつ罪に関する有罪判決が確定すると、前科が付くことになります。
    前科が付くと、公的な資格をはく奪される、就職活動において不利になる、海外渡航が制限されるなどの不利益を受けるおそれがあるので注意が必要です。

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3、不同意わいせつ罪で逮捕された後の刑事手続きの流れ

不同意わいせつ罪で逮捕された後の刑事手続きの流れは、以下のとおりです。



  1. (1)逮捕~勾留請求

    不同意わいせつ罪で逮捕されると、留置場において身柄が拘束されます。

    逮捕の期間は最長72時間ですが、検察官がさらに長期の身柄拘束が必要と判断した場合は、裁判官に対して勾留請求を行います。基本的に、不同意わいせつ以上の犯罪では、勾留請求は行われるものと考えた方が良いです
    裁判官は、勾留の理由と必要性があると判断すれば勾留状を発します。

  2. (2)起訴前勾留~起訴・不起訴

    裁判官によって勾留状が発せられた場合には、起訴前勾留に移行して引き続き身柄が拘束されます。起訴前勾留の期間は、最長20日間です。

    起訴前勾留期間中の捜査結果を踏まえて、検察官は被疑者を起訴するかどうか判断します。

  3. (3)起訴後勾留

    不起訴となった場合は直ちに身柄が釈放されますが、起訴された場合は起訴後勾留に移行して、引き続き身柄が拘束されます。

    起訴後勾留の期間中に、被告人は弁護人とともに、公判手続き(刑事裁判)に向けた準備を整えます。なお、起訴後勾留中は裁判所に対する保釈請求が可能です(刑事訴訟法第89条、第90条)。

  4. (4)公判手続き・判決・刑の確定および執行

    公判手続きでは、被告人の有罪・無罪および量刑が審理されます。

    検察官が被告人の犯罪事実を立証し、被告人が反論する形で公判手続きは進行します。被告人は、罪を認めて情状酌量を求めることもできますし、犯罪事実を争って無罪を主張することもできます。

    公判手続きの審理が熟すると、裁判所は判決を言い渡します。判決に対しては控訴・上告による不服申し立てが認められています。
    控訴・上告の手続きを経て判決が確定した後、有罪判決であれば刑が執行されます。ただし、執行猶予付き判決の場合は刑の執行が一定期間猶予されます。

4、不同意わいせつ罪で逮捕されたら早急に弁護士へご相談を

不同意わいせつ事件を起こした疑いで逮捕されてしまったら、早急に弁護士へ相談することをおすすめします。弁護士が検察官や裁判官に対して良い情状を訴えれば、起訴や重い刑事処分を回避できる可能性が高まります。

特に被害者と示談を成立させることは、不同意わいせつ罪による処罰等を回避する観点から非常に重要です。弁護士にご依頼いただければ、被疑者が身柄拘束された状態でも、被害者との示談交渉を代行し、適切な条件で示談を成立させられるように尽力いたします。

不同意わいせつ罪による起訴や重い刑事処分を回避するためには、できる限り早期に弁護士へご相談いただくことが大切ですので、お早めにベリーベスト法律事務所へご相談ください。

5、まとめ

相手の同意なく、わいせつ行為をすると、不同意わいせつ罪によって逮捕・起訴されて刑事罰を科されるおそれがあります。起訴や重い刑事処分を避けるためには、できる限り早期に弁護士へ相談し、弁護活動を依頼することが大切です。

ベリーベスト法律事務所は、被疑者・被告人が不当な処分を受けないように、刑事事件の解決実績が豊富な弁護士が親身になってサポートいたします。
不同意わいせつ罪の疑いで逮捕された、警察から連絡がきているといった状況の場合には早急にベリーベスト法律事務所へご相談ください。

本コラムを監修した弁護士
萩原 達也
ベリーベスト法律事務所
代表弁護士
弁護士会:
第一東京弁護士会

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※本コラムは公開日当時の内容です。
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