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弁護士コラム

2021年10月14日
  • 少年事件
  • 少年審判

少年審判の流れや処分の種類:対象となる事件や大人の裁判との違いとは?

少年審判の流れや処分の種類:対象となる事件や大人の裁判との違いとは?
少年審判の流れや処分の種類:対象となる事件や大人の裁判との違いとは?

少年が非行や犯罪を行うと、原則として家庭裁判所へ送致されて、少年審判に付されることになります。

少年審判は、少年の最終処分を決定するという意味では成人の事件における裁判のような側面はあります。しかし、その目的や特徴、審判当日の流れなどは、裁判とは大きく異なるのです。

本コラムでは、少年審判の特徴や流れ、処分の種類などについて、ベリーベスト法律事務所の弁護士が解説いたします。あわせて、少年事件で重要な役割を果たすことになる、弁護士の活動内容についても紹介します。

1、少年審判とは

法律では、少年とは「20歳に満たない者」のことを指します。
少年が非行を起こすと、家庭裁判所は非行事実の有無を確認したうえで、少年の特性や環境に照らして、適切な処分を決定します。この手続きを「少年審判」といいます。

  1. (1)少年の種類

    少年審判に付される少年は、以下の3種類に分けられます。


    • 犯罪少年
    • 犯罪少年とは、14歳以上で罪を犯した少年のことです。
      少年とはいえ、14歳以上は刑事責任能力が認められるため、本来であれば成人と同じように刑事裁判で審理される必要があります。しかし少年がまだ若く、外部からのはたらきかけによって更生できる可能性(可塑性)が高いため、これを考慮して、少年審判によって適切な処分が検討されることになるのです。

    • 触法少年
    • 触法少年とは、14歳未満で刑罰法令に触れる行為をした少年のことです。14歳以上の少年が刑罰法令に触れる行為をすると罪になりますが、14歳未満は刑法第41条の規定により刑事責任を問われないため、罪になりません。ただし児童相談所による調査の対象となり、少年審判に付される可能性もあります。

    • 虞犯少年
    • 虞犯(ぐはん)少年とは、保護者の正当な監督に服しない性癖があるなど、その性格や環境と照らし、将来に罪を犯したり、刑罰法令に触れる行為をしたりするおそれのある20歳未満の少年のことを指します。
      虞犯少年は罪を犯したり、刑罰法令に触れる行為をしたりしたわけではありませんが、少年の健全な育成と将来の非行を防止するために保護の対象とされています。


    なお、成年年齢を引き下げる民法改正を受けて、令和4年4月から少年法も改正されます。20歳未満を少年とすることに変更はありませんが、18歳・19歳の少年は「特定少年」となり、逆送対象となる事件が拡大されるなど、17歳以下の少年と比べると厳しい対応を受けることになるのです。

  2. (2)少年審判の目的

    成人の刑事裁判は、被告人に刑罰を与えることで更生を図らせて、社会の犯罪を予防することが目的です。一方、少年審判は、少年に過ちを自覚させて反省を促すことで、非行性を取り除き、将来の非行を防ぐことにその目的があります。そのため、少年審判は非行事実を明らかにするだけでなく、少年に対する教育の場としての側面も持っているのです。

    また、少年の健全育成を図り、少年の再非行を防止することで、社会の安全を確保する意味もあります。

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2、少年審判の特徴

少年審判の特徴や、成人の刑事裁判との違いについて解説します。

  1. (1)教育主義

    「教育主義」とは、成人のように責任を追及して処罰するのではなく、教育的手段によって少年の非行性を矯正して、社会の一員として育成しようとする考え方をいいます。

    少年は精神的に未成熟であり、周囲の環境の影響を受けやすいため、非行の事実があっても、必ずしも深い犯罪性を持っているわけではありません。また、少年は人格が発達途上にあるため、指導や教育による更生の可能性が成人よりも高いとされています。したがって、成人と同じように刑罰を科すよりも、教育的なはたらきかけをするほうが犯罪の抑制にも効果的だと考えられているのです。

  2. (2)個別処遇

    非行や犯罪の原因は、少年ごとに大きく異なります。そのため、少年の性格や環境の問題点を明確にしたうえで、個々の少年の特性に応じた処遇を与える必要があるのです

    少年事件では、個別処遇の実現のために、家庭裁判所の調査官など専門的な知識・経験を有する者が少年の調査を行って、少年の心身を鑑別するための専門施設として少年鑑別所が設けられています。

    また、明確になった問題に対して適切に対処するために、保護処分、児童福祉法上の措置、試験観察などの中間的な教育的措置が存在します。

  3. (3)職権主義

    成人の刑事裁判では、検察官と被告人(弁護人)が対立する当事者主義的な訴訟構造が採られています。一方、少年審判では原則として検察官は関与せず、家庭裁判所の職権で手続きが進められます。

    これは、少年審判が少年の更生と社会復帰を目的としているため、家庭裁判所が主導して専門的な調査を行い、少年の育成のために話し合ったうえで少年の処分を決定するのが望ましいと考えられているからです。

  4. (4)検察官は基本的に関与しない

    少年審判には、少年と保護者のほかに、裁判官、書記官、付添人(多くの場合は弁護士)、調査官などが参加します。家庭裁判所が求めた場合には保護観察官や保護司、少年鑑別所の教官など、少年の更生に協力する立場の人が参加する場合もあります。一方、成人の刑事裁判のように検察官は参加しないのが原則です。

    ただし、一定の重大事件において、「非行事実を認定するために、検察官の参加の必要がある」と家庭裁判所が認めるときには、検察官が参加する場合があります。重大事件とは、犯罪少年に係る事件であって、死刑又は無期もしくは長期3年以を超える懲役もしくは禁錮にあたる罪の事件をいいます(少年法第22条の2第1項)。

  5. (5)原則非公開

    少年法第22条第2項では、「審判は、これを公開しない」として、少年審判を非公開としています。

    審理の場で明らかになる少年の環境や成長過程の問題点は、少年の心の内をつまびらかにするものです。少年審判が公開されれば、少年は傷付き、心を閉ざしてしまうことになり、自らの非行や問題点と向き合うことができなくなってしまいます

    また、少年は精神的に未成熟・不安定であるため、公開による審判では萎縮して思うような発言ができなくなるなどして、事件の真実が見えなくなるおそれがあります。少年の更生と社会復帰を図るため、また真実を明らかにする意味でも、非公開のほうが問題の解決に適していると考えられるのです。

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3、少年審判の手続き

少年事件では、警察の捜査・調査を受けた後に、すべての事件が家庭裁判所へ送致されます(全件送致主義)。
事件発生から家庭裁判所送致、少年審判開始までの流れを説明します。

  1. (1)事件発生から家庭裁判所への送致

    事件発生から家庭裁判所へ送致されるまでの流れは、犯罪少年・触法少年・虞犯少年によって異なります。


    • 犯罪少年
    • 犯罪少年が罰金刑以下の刑にあたる罪を犯したときには、警察から直接、家庭裁判所へ送致されます。死刑・懲役・禁錮刑にあたる罪を犯したときには警察から検察官へ送致されて、検察官から家庭裁判所へと送致されるのです。

      逮捕された場合は、48時間以内に検察官に送致され、送致から24時間以内に勾留を受けるかどうかを決定します。勾留期間は原則として最長で20日間です。また「勾留に代わる観護措置」として、最長10日間、少年鑑別所での収容を受ける場合もあります。

    • 触法少年
    • 触法少年は、警察からの調査という名目で取り調べなどを受けた後に、少年の行為や環境に応じて児童相談所に通告・送致されます。児童相談所は少年を一時保護するなどの児童福祉法上の措置により事件を終わらせる場合がありますが、家庭裁判所での審判が必要だと判断すると、家庭裁判所へ送致されます。

    • 虞犯少年
    • 14歳未満の虞犯少年は、警察から児童相談所または福祉事務所に通告されます。児童相談所などが「家庭裁判所の審判を受けさせるべき」と判断すると、家庭裁判所へ送致されます。14歳以上18歳未満の虞犯少年は、警察から児童相談所へ通告されるか、家庭裁判所へ送致されます。18歳以上は児童福祉法の対象外なので、警察から家庭裁判所へと送致されます

  2. (2)家庭裁判所送致から審判開始決定まで

    送致を受けた家庭裁判所は、少年を観護措置にするかどうかを決定します。観護措置とは、少年を少年鑑別所に送り、一定期間収容する処分のことです。観護措置の期間は原則として2週間ですが、1回の延長が認められているため、多くの場合には4週間の収容となります。

    少年鑑別所では、一般社会からは隔離された生活を送りながら、家庭裁判所の調査を受けることになります。調査官は、少年および保護者との面接を行うほか、少年の性格や家庭環境、保護者との関係、教育の程度、学校環境などのあらゆる項目について調査します。

    家庭裁判所は、調査の内容をふまえたうえで、少年審判を開始するかどうかを決定します。

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4、審判が開始されない場合

家庭裁判所の調査の結果、審判が「不開始」とされるケースもあります。審判不開始とは、審判に付することができず、または審判に付することが相当ではない場合に、審判を開始しない旨の決定をすることです(少年法第19条第1項)。
どのようなケースで不開始となるのかについて、説明します。

  1. (1)審判に付することができない場合

    • 非行の可能性がない
    • 少年の行為が非行の構成要件に該当しない場合や、証拠に照らして非行の事実が存在しない場合などには、審判に付する必要がないため、審判不開始となります。

    • 少年審判が不可能
    • 少年が病気や心神喪失、所在不明、海外居住などにより、少年審判の開始が不可能になった場合です。

    • 審判条件の不存在
    • 少年が20歳以上であることが判明した場合や、有効な送致・通告がなかった場合など、審判条件を欠く場合をいいます。

  2. (2)審判に付することが相当ではない場合

    • 事案が軽微な場合
    • 非行の事実が軽微であり、すでに警察や学校、家庭で適切な措置が取られている場合には、再非行のおそれがないとして審判が開始されません。

    • 別件で保護中の場合
    • 少年が複数の事件を起こし、ほかの事件で保護処分を受けている場合です。新たに審判に付して保護処分を言い渡す必要がないため、審判不開始となります。

    • 保護的措置が行われた場合
    • 調査官の訓戒や教育的指導により再非行のおそれがなくなった場合をいいます。たとえば、ボランティア活動に参加させるなどの教育的指導が行われています。

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5、少年審判当日の流れ

少年審判当日の流れについて、紹介します。

  1. (1)本人確認・黙秘権の告知

    最初に、裁判官が少年の氏名や生年月日、住所、本籍地、職業を尋ねて、本人であると確認する「人定質問」があります。その後、裁判官から黙秘権の告知があります。

  2. (2)非行事実の審理

    まず裁判官が少年に対して読み聞かせる形で、少年審判で審理する非行事実を告げます。次に、本当に非行があったかどうかについて、裁判官が少年に質問する形で審理が進められます。少年の付添人にも、意見陳述が求められます。

    成人の刑事裁判のような証拠調べは基本的にありませんが、少年が非行事実を争っている事件では、証人尋問や鑑定などの証拠調べが行われる場合もあります。

  3. (3)裁判官から少年や保護者へ質問

    裁判官は、少年に対して非行の動機や犯行状況、反省の有無や被害者への感情、生い立ち、学校の状況、将来の夢などを質問します。

    一般的には、最初に事件の内容について質問し、その後に再非行の防止策や今後のことについて質問していきます。少年審判はそれ自体が少年に対する教育の場でもあるため、裁判官は少年自身に非行の原因を考えさせたり、被害者の気持ちに向き合わせたりして、内省を深めさせます

    保護者に対しても、少年の審判までの様子や少年を今後どのように監督していくつもりなのかなどの質問がなされます。

  4. (4)付添人や調査官から質問

    付添人や調査官から少年に対する質問も行われます。質問の内容は事件によって異なりますが、裁判官の質問になかった項目を中心に行います。たとえば、少年審判までの過程で気づいた少年の問題点に関する質問や、示談に至った経過などが質問されることもあります。

  5. (5)少年の最終陳述

    裁判官から少年に対して、「最後に言っておきたいことはないか」と尋ねられます。少年は、反省の思いや被害者に対する気持ち、再非行の防止に向けた決意など、言いたいことがあれば発言します。これが、処分決定前の最後の発言機会となります。

  6. (6)処分の告知

    裁判官から最終的な処分の内容を伝えられます。処分の言い渡しの後に、裁判官が少年に反省を促すために言い聞かせる場合もあります。

    非行事実を争わない事件では、少年審判は1回だけ行われ、1時間程度で終了します。
    保護観察処分や不処分が言い渡された場合には、そのまま自宅に帰ることができます。一方、少年院送致などが言い渡された場合には、一度少年鑑別所に戻るなどした後に、日を改めて少年院に収容されることになるのです。

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6、少年審判の処分の種類

少年審判で言い渡される処分の種類や内容について、詳しく解説します。

  1. (1)保護処分

    保護処分には、以下の3つがあります。


    • 保護観察処分
    • 施設に入所させることなく、家庭で生活を送りながら、社会の中での更生を図る処分です。少年が自分の力で社会復帰できるように、保護観察官や保護司が指導・監督します。少年は遵守事項を守りながら、月に数回保護司と面会して、近況を報告するなどして生活します。

    • 児童自立支援施設または児童養護施設送致
    • 小学生、中学生などの比較的低年齢の児童について、開放的な施設での生活を送りながら自立を支援する処分です。少年は施設内にある小学校・中学校(分校・分教室)に通ったり、クラブ活動やほかの児童との共同作業をしたりするなどして生活します。

      少年院送致と同じく少年を施設に収容する処分ですが、児童自立支援施設や児童養護施設は施錠されていない自由で開放的な施設であるため、少年は容易に施設の外に出ることができます。そのため、非行の度合いが強い少年はこの処分の対象とならず、少年院送致となるケースが多くなります

    • 少年院送致
    • 少年院に収容して、矯正教育を受けさせる処分です。少年の再非行のおそれが大きく、社会の中での更生が難しいと判断された場合に言い渡されます。少年は教科教育や職業訓練などを受けながら集団での規律正しい生活を送り、社会に適応できるよう、他人との接し方や社会のルールを学んでいきます。少年院は刑務所ではないため、刑罰を科せられることはありません。

  2. (2)都道府県知事または児童相談所送致

    18歳未満の少年について、児童福祉法による措置に委ねるため、知事または児童相談所長に送致する処分です。「非行の度合いがそれほど高くないが、家庭環境に問題がある」など、継続的な保護・指導を必要とする少年に対して言い渡されます。

    送致の後は、児童福祉司などに少年を指導させる措置や、児童自立支援施設に入所させる措置などが決定します。

  3. (3)検察官送致(逆送)

    死刑、懲役または禁錮にあたる罪の事件について、刑事処分が相当と認められるときには、検察官に送致されます。また、故意の犯罪行為により被害者を死亡させた事件で、罪を犯したときに16歳以上の少年については、原則として検察官送致されます

    送致を受けた検察官は原則として起訴するので、少年は成人と同じように刑事裁判にかけられることになります。

    なお、令和4年の少年法改正後は、18歳・19歳の特定少年に限って、死刑、無期または短期1年以上の懲役・禁錮にあたる事件を起こすと原則逆送となります

  4. (4)試験観察

    ただちに処分を決定することができない場合に、一定期間を定めて、家庭裁判所の調査官が少年の行動や生活の様子を観察する処分です。「中間処分」とも呼ばれます。調査官は少年に対して更生のための助言・指導を与えながら、少年が自分の力で立ち直ろうとしているかなどを観察します。

    試験観察が経過した後、再度審判が行われて、最終的な処分が決定します。

  5. (5)不処分

    少年が非行をしたとは認められない場合や、非行があっても教育的なはたらきかけにより非行のおそれが取り除かれた場合などには、処分をするまでもないと判断されて、保護処分に付さない旨の決定が下されます。

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7、少年事件での弁護活動

少年事件では、成人の刑事事件以上に。弁護士の存在が重要な意味を持ちます。弁護士はどのような活動をするのかについて、解説します。

  1. (1)捜査機関の取り調べに呼ばれている場合

    少年は精神的に未成熟であるため、警察官の誘導に乗りやすく、やってもいないことまで供述してしまうおそれがあります。そのため、弁護士が少年に対し、何を供述して何を供述すべきでないのか、事実とは異なる供述をすればどうなるのかなどをしっかりと理解させる必要があります。黙秘権などの重要な権利についても分かりやすくアドバイスします

    また、弁護士は捜査機関に対して取り調べが適切に行われているのかを頻繁に確認して、不当な取り調べがあればただちに抗議します。

  2. (2)逮捕直後の活動

    警察に逮捕された場合は、逮捕から家庭裁判所に送致されるまで最長で23日間もの身柄拘束を受けるおそれがあり、学校・会社への影響が大きくなってしまいます。そのため、弁護士が検察官・裁判官に対し、逃亡や証拠隠滅のおそれがないことを客観的証拠とともに示し、勾留の必要がない旨の主張を行います。

    勾留された場合でも、少年と頻繁に面会し、今後の流れを分かりやすく説明したり、家族からの励ましの言葉を伝えたりして少年を精神的に支えます。少年の精神状態が安定することで、取り調べに適切に対応できるようになり、家庭裁判所への送致を避けられる可能性も生まれるのです

  3. (3)示談交渉

    成人の刑事事件では、被害者との示談が成立すると不起訴処分になったり刑が軽くなったりするなどの影響があります。一方、少年事件では少年の保護・育成を目的としているため、示談をしたからといって必ずしも軽い処分で済まされるわけではありません。

    しかし、少年が被害者に対して謝罪したい気持ちを持っている事実や、被害弁済のために努力した事実は、少年の処分に影響を与える要素となります。

    また少年の保護者が示談金を工面するなど少年のために奔走する姿も、少年が自らの行為や親子関係と向き合い反省を深めるための重要なきっかけとなるでしょう。

    ただし、少年自身はもとより、少年の保護者が被害者と連絡を取り合って示談を進めるのは困難です。捜査機関は被害者保護の観点から被害者の連絡先を教えてくれないでしょうし、仮に連絡先を知っていても、被害者の恐怖心や処罰感情をさかなでするおそれが強いためです。直接の交渉は避けて、公平中立な立場の弁護士に交渉を一任しましょう

  4. (4)観護措置を回避するための活動

    弁護士は観護措置の必要性を否定できるように、親子関係の調整や学校・会社へのはたらきかけ、交友関係の清算など、少年の要保護性を減少させるための環境調整を行います。

    そのうえで、検察官に確認をして少年が家庭裁判所へ送致される日を正確に把握して、観護措置の決定が下る前に調査官・裁判官と面接する、意見書を提出するなどの活動を行います。たとえば観護措置により学校を退学になるなど少年の更生の妨げになるおそれがあること、少年が深く反省しており保護者の指導にしたがう意思があることなど、観護措置が不要である旨の主張を行います。

  5. (5)審判不開始や不処分の決定を得るための活動

    少年審判では調査官の意見が重視されるため、調査官と頻繁に連絡を取り、調査官の心証形成に影響を与える必要があります。弁護士は引き続き少年の環境調整や少年に内省を深めさせる活動を行い、すでに非行性がなくなっている旨を主張します

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8、まとめ

少年審判は非行少年の特性や環境にあった処分を決定するための場です。少年の健全育成を図り、将来の再非行を防ぐために行われます。少年審判で下される終局処分には保護観察処分や少年院送致などがありますが、少年の更生を妨げるような重い処分は避けなければなりません。そのためには、少年事件の実務に詳しい弁護士のサポートが不可欠です

もしも自分の子どもが事件を起こしてしまいお悩みであれば、早急に弁護士へ相談し適切な活動を実施してもらいましょう。少年事件の解決実績が豊富なベリーベスト法律事務所にご連絡いただければ、弊所の弁護士が全力でサポートいたします

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監修者
萩原 達也
弁護士会:
第一東京弁護士会
登録番号:
29985

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※本コラムは公開日当時の内容です。
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