建造物損壊事件において、被害者と示談はできませんでしたが、贖罪寄付等をすることで不起訴となりました。
事件発生の経緯
Aさんは、お酒に酔って街中を歩いている際に、飲食店の入口ドアを蹴破ってしまいました。
すぐに警察署に連行され、Aさんは自らの行為を認めました。
相談~解決の流れ
Aさんは、事件を起こした翌日にお店の方に謝罪をし、損害賠償をすべくご自身の連絡先をお店の方に渡しましたが、その後お店の方からは連絡はありませんでした。
しばらく経ってからAさんは警察に呼び出されました。警察からお店との間での示談を促されたため、Aさんは再びお店の方に謝罪の意思を伝え、損害賠償をしたい旨を伝えましたが、お店の方からは「示談に応じられない。」と伝えられました。
そのため、Aさんは、弁護士を通じて示談交渉を継続すべく、当事務所にご依頼になりました。
ご依頼をいただいてから再度弁護士からお店の方に連絡をしましたが、お店の方からは「示談に応じることはできない。刑事処罰を求める。」とのお答えがありました。
お店の方との示談は不可能になってしまったため、弁護士は、Aさんが有する真摯な謝罪の意思と損害賠償をする意思を検察官にしっかり伝える弁護活動にシフトすることにしました。
具体的には、Aさんご本人及びAさんのお父様に反省文(事件を起こしてしまった原因を分析し、更生のための具体的な方法を記載したもの)を作成していただきました。
また、Aさんの勤務先の上司の方にも検察官宛てに「今後もAさんを監督する。」旨を記載した上申書を作成していただきました。
さらに、お店への直接の損害賠償に代えて贖罪寄付もしました。加えて、弁護士は、Aさん及び弁護士がお店の方へ謝罪を行った経過をまとめた報告書を作成しました。
弁護士は、以上の書類を踏まえて、Aさんが心から反省していること及び被害者に対して真摯な謝罪の意思と損害賠償をする意思を有していることを内容とする、検察宛ての不起訴処分を求める意見書を作成・提出しました。
以上の弁護活動の結果、不起訴処分となりました。
解決のポイント
本件は、被害者から明確に「示談はできない。刑事処罰を求める。」と伝えられた事案でした。
被害者との示談はできませんでしたが、ご本人の反省・謝罪の意思をしっかりと検察官に伝え、さらに、Aさんのお父様や勤務先の上司の方にもご協力いただき、刑事処罰をしなくても更生をすることができることを検察官に伝えることができたことが、不起訴処分を獲得できた要因かと思います。
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