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窃盗罪とは? 構成要件を解説! 意図せず窃盗罪になるケースも
窃盗罪には、ニュースなどでよく耳にする万引きから、車上荒らしなども含まれます。では、具体的にどのような行為をすると窃盗罪が成立し、処罰の対象になるのでしょうか。
窃盗罪が成立するには、3つの要件があります。本コラムでは、窃盗罪が成立する構成要件について具体的な例を挙げながら、弁護士が解説します。
1、窃盗罪とは? 3つの構成要件
窃盗罪とは刑法第235条に規定されている犯罪で、他人の財物を自分の物にするために盗み取ることです。
窃盗罪が成立するための構成要件は以下の3つです。
これら3つをすべて満たすと窃盗罪としてみなされます。
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(1)窃取した物が他人の占有する財物であること
「財物」とは基本的に有形物を指しますが、他に気体や液体、電気なども含みます。
「占有」とは財物を事実上支配・管理している状態のことです。
そのため、自分の所有物を他人に貸した、もしくは預けたあとは他人の占有下にある財物とみなされます。 -
(2)不法領得の意思のもと行われたこと
「不法領得の意思」とは、他人の占有物を自らの物として経済的用法に従って利用処分しようとする意思を指します。
したがって、相手の了承を得ずに持ち帰ったとしても、盗もうと思っていなければ「不法領得の意思」は成立しない可能性があります。「持ち出した目的」がポイント
ここでポイントとなるのは、「持ち出した目的」です。
持ち出した目的が、質屋に売ろうとしたなど利益目的の場合、「不法領得の意思」があるとみなされるでしょう。 -
(3)窃取の事実があること
「窃取」とは、他人が占有する財物を占有者の意思に反して、自分または第三者の占有に移転させることです。
また、窃盗にあたるのは相手に見つからないようにこっそり盗み取る行為だけのように考えるかもしれませんが、こっそりでなくても窃盗は成立します。
たとえば、「ひったくり」は被害者から無理やり金品を奪うことですが、これも窃盗罪のひとつの類型です。
2、こんなケースも!? 窃盗罪になる可能性がある行為
以下のようなケースは、窃盗罪にあたる可能性がある行為となります。
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(1)盗まれた物を盗み返した
もちろん本来は自分の持ち物ですが、窃盗罪にあたる可能性がある行為です。
たとえ自分の持ち物であっても、相手の占有下にあれば「他人の占有する財物」に該当します。したがって、自分の物であってもそれを盗む行為は窃盗罪に抵触してしまうのです。
たとえば、盗まれた自転車を路上で発見したとしても、無許可で持ち帰らないほうがよいでしょう。実際に目の前にある自転車が本当に自分の物であるという証拠はどこにもありません。
この場合、まずは警察に通報する必要があります。 -
(2)他人に貸している自分の物を勝手に持ち出した
このケースでも、前項同様、窃盗罪にあたる可能性があります。
いずれも本来は自分の物なのになぜそれを取り返す、持ち出す行為が窃盗罪にあたるのか、という疑問を抱くことでしょう。しかし、窃盗罪においては、財物の「本来の所有者」よりも、「現在の占有者」を重視するように考えられています。
たとえば、貸した自転車をなかなか返してもらえないとき、勝手に持ち帰りたいと思うこともあるかもしれません。
しかし、あなたが許可を出して貸し出している以上、その自転車の「現在の所有者」は相手となります。したがって、自転車を貸していた相手の許可を得ず、黙って持ち帰ってしまえば、窃盗罪に抵触する可能性が高いと考えられます。 -
(3)他人の自転車を、自分のものと取り違えた
乗って帰った理由が自分の自転車と似ていたために取り違えたのであれば「不法領得の意思」はないと考えられます。
しかし、他人の物であると知りつつ自分の物にしようという意思があれば窃盗にあたるでしょう。 -
(4)他人の自転車を使用したが、後で返すつもりだった
少し使用したあとに返す目的で他人の自転車を使用した場合は「不法領得の意思」はないと考えられ、窃盗罪には抵触しません。
さらに、嫌がらせで相手の自転車を持ち出したなどの目的があるときは、「不法領得の意思」はないといえるでしょう。
ただし、(3)(4)は、いずれも他の罪に問われる可能性はあります。 -
(5)窃盗罪になる可能性がある、その他の行為
他にも、以下のような行為は窃盗罪として罪に問われる可能性があります。
- 空き巣、事務所や店舗荒らし、車上荒らし
- 万引き
- ひったくり
- 置き引きなど
- 無断の充電
詳しくは、「窃盗・万引きで逮捕・起訴・前科をつけたくない」のページで解説しています。
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(6)盗むつもりがなく、持ち帰ってしまった場合の対応
これらを総合的に考えると、盗むつもりがなく持ち帰ったケースは、窃盗罪に問われる可能性は低いと考えられます。
しかし、窃盗の疑いで取り調べを受けたり裁判になったりしたとき、窃盗にあたらないと主張しても認められるかどうかはまた別の話です。
まずは、「不法領得の意思」に該当するのか弁護士に相談することをおすすめします。
- ※お電話は事務員が弁護士にお取次ぎいたします。
- ※被害者からのご相談は有料となる場合があります。
3、窃盗罪の量刑とは
窃盗罪と判断された場合、以下のいずれかの刑罰が科されます(刑法第235条)。
- 10年以下の懲役刑
- 50万円以下の罰金刑
具体的な量刑については、
- 盗み取った物の内容や犯行の状況
- 前科の有無
- 示談が成立しているかどうか
などによって変わります。
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(1)初犯の場合
前科の有無を例に挙げると、初犯というのは量刑判断において有利な要素となります。
被害者への示談や弁済が済んでいれば、不起訴となることも多くあります。
加えて、初犯は再犯よりも執行猶予がつく可能性が高いといえます。
執行猶予がつけば、一定の期間内で新たな罪を犯さない限り刑務所へ行かなくてよくなるため、かなりの違いがあります。
このように、初犯であるという事実は絶対ではなく、あくまでも量刑判断における考慮要素のひとつなのです。 -
(2)再犯の場合
逆に再犯、つまり懲役に処せられた者が、刑の執行の終了日または執行の免除日から5年以内に罪を犯し、有期懲役に処された場合には、初犯と比べて刑罰も重くなる傾向にあります。
これは、再犯であるという事実が反省の乏しさや犯行の悪質性を示し、量刑判断において不利となるためです。
特に窃盗罪は再犯も多いので、過去に有罪判決を受けたことがある場合には、より注意しなければなりません。 -
(3)窃盗罪の時効
また、窃盗罪の時効は7年です。
この期間を経過すると検察官が公訴する権限は消失します。・14歳以上の場合
なお、窃盗罪を犯した者が未成年の場合は、少年法に基づき処分が決まります。
一般的に、14歳以上の未成年は警察などの取り調べを受けたあと、家庭裁判所に送られることになります。
最終的には状況などを顧みて少年審判によって判断され、保護観察や少年院送致、不処分などの処分が下されることとなります。
したがって、窃盗のみであれば刑事裁判にかけられ、成人が受ける刑罰を受けるケースはほとんどないでしょう。
・14歳未満だった場合
もし、窃盗を行った者が14歳未満だった場合、刑事責任を問えないため逮捕されることはありません。
ただし、何も起こらないわけではなく、警察は罪を犯した可能性がある子どもを保護して、児童相談所へ送る可能性があります。
4、窃盗はうまくいかなくても窃盗未遂として罪になる
窃盗をはたらこうとしたが被害者の抵抗にあうなどしてうまくいかず未遂に終わるケースもあるでしょう。
その場合、前述した窃盗罪の3つの構成要件のひとつである「窃取の事実」は成立していませんが、未遂罪(刑法243条)に抵触するため、未遂の場合も罪に問われることになります。
たとえば、病院の待合室のソファに置いたままのカバンから財布を盗み取ろうとしたが、カバンの持ち主が戻ってきて相手に捕まりとがめられた場合、窃盗未遂罪として罪に問われる可能性があります。
窃盗未遂罪について詳しくみていきましょう。
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(1)実行の着手
犯罪に該当する行為を開始することを、「実行の着手」と呼びます。
未遂罪が成立するためには実行の着手がなければなりません。
たとえば、頭の中で「あの店の宝石を盗みたい」と思っただけでは窃盗未遂罪は成立しないということです。
ただし、どの時点から実行の着手があると認められるかについては見解が分かれています。ひとつの見解として「結果発生に対する現実的危険性が生じる行為をした時点」とするものが有力です。
裁判例から見る、「実行の着手」
過去の裁判では、以下のタイミングで「実行の着手」が認められています。・住居侵入目的の窃盗
他人の家へ侵入後、金品物色の目的でたんすに近寄ったとき
(昭和9年10月19日 大審院判決)
・土蔵内での窃盗
窃盗目的で倉庫への侵入行為をしたとき
(昭和25年11月14日 名古屋高判) -
(2)未遂と刑の減免
・未遂罪の場合
未遂罪の場合、既遂罪と比べて刑が減軽されることがあります。
これを裁量的減軽といい、刑を軽くするかどうかは裁判所の判断に委ねられます。
・自分の意思で犯罪を中止した場合
また、自分の意思で犯罪を中止した場合は刑の減軽か免除がなされます。
これは必要的減免といい、裁判所は減軽または免除をしなければなりません。
いずれも刑法第43条に定めがあります。
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(3)窃盗未遂罪が成立した2つの事例
窃盗未遂罪が成立した事例を2つご紹介します。
・ケース1:自動販売機の紙幣挿入口を損壊
被告人は清涼飲料水の自動販売機の中から千円札を窃取しようとする目的で、バールなどの道具を用いて紙幣挿入口と周辺部品を損壊させました。
しかし、通行人の通報によって駆け付けた警察官に逮捕され、千円札を窃取する目的を果たさなかったため窃盗未遂罪となりました。
判決:懲役1年、執行猶予3年の判決となりました。
・ケース2:他人のキャッシュカードを機械に挿入
被告人は盗んだバッグに入っていたキャッシュカードを用いて銀行および郵便局のキャッシュカードコーナーで現金を引き出そうとしましたが、被害者がすでに盗難届を出していたことから機械に無効カードとして取り込まれたため、その目的を遂げませんでした。
他人のキャッシュカードを挿入した時点で実行の着手があったとみなされ、窃盗未遂罪が認められました。
判決:懲役1年、執行猶予3年の判決となりました。
5、通常逮捕と現行犯逮捕の違い
逮捕は、現行犯逮捕と通常逮捕、緊急逮捕の3つに分類されますが、窃盗罪で逮捕される場合は、通常逮捕または現行犯逮捕が多いと考えられます。
では、通常逮捕と現行犯逮捕では、どのような違いがあるのかを確認していきましょう。
通常逮捕は、被疑者に逮捕状を示して身柄を拘束することで、後日逮捕ともいいます。
通常逮捕は、捜査によって被疑者と特定された場合に行われます。
ただし、軽微な窃盗事件であり、証拠隠滅や逃亡のおそれがなく逮捕の必要性が認められない場合には、逮捕はされず在宅事件となる可能性もあります。
・現行犯逮捕
現行犯逮捕は、窃盗中や窃盗直後、盗品を所持して逃げているときになどに身柄を拘束されることです。
刑事訴訟法213条は「現行犯人は、何人でも、逮捕状なくしてこれを逮捕することができる」と定めており、警察官や検察官だけでなく、被害者や目撃者、店員、警備員などの私人でも逮捕することができます。
6、窃盗罪で逮捕された後の流れ
窃盗罪で逮捕された場合、裁判まではどのように進むのでしょうか。
流れを確認していきましょう。
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(1)逮捕
逮捕されると、身柄を拘束されたうえで警察官の取り調べを受けます。
警察は48時間以内に、被疑者を検察官に送致するか、微罪処分として釈放するかを決定します。
微罪処分で釈放された場合、事件は終了となるため、それ以上の捜査は行われません。 -
(2)送致・勾留
送致とは、事件を警察から検察官に引き渡すことです。ニュースなどでは送検と表現されることもあります。
検察官は送致後24時間以内(逮捕から72時間以内)に、勾留請求をするかを判断します。
被疑者の身柄を拘束して、引き続き取り調べをする必要があると判断した場合は、裁判官に勾留請求を行います。
勾留請求が認められると10日間勾留されることになりますが、延長が認められると、さらに10日間、つまり最大で20日間にわたり勾留されることになります。
勾留の必要がないと判断された場合や勾留請求が認められなかった場合は釈放され、起訴・不起訴が決まるまで在宅事件として扱われます。 -
(3)起訴・不起訴
検察官は、勾留期限までに起訴・不起訴を判断します。
・起訴とは
起訴とは、検察官が裁判所に対して刑事事件の審判を求める意思表示です。
・不起訴とは
検察官が起訴をしないと決定した処分を不起訴といいます。
不起訴処分に付するとき区分は20種類ありますが、主要となるのは次の4つです(事件事務規定75条2項)。
- 罪とならず
- 嫌疑なし
- 嫌疑不十分
- 起訴猶予
起訴猶予が認められるケース
このうち起訴猶予は、犯人の性格、年齢および境遇、犯罪の軽重および情状ならびに犯罪後の状況により訴追を必要としないときに認められます。 -
(4)略式裁判
略式裁判とは、公開の正式裁判を行わずに、検察官が提出した書類のみに基づいて審理する裁判手続です。
簡易裁判所の管轄に属する(事案が明白で簡易な事件)100万円以下の罰金・科料に相当する事件で、被疑者が同意している場合に対象となります。
簡易裁判所は、検察官の提出書類を検討したうえで、罰金の支払いを命じる略式命令を被告人に発令します。
略式命令であっても罰金刑であることに変わりはないため、前科がつくことになります。・容疑を認めていたり、被害が小さい場合
窃盗事件では、被疑者が容疑を認めている場合や被害額が小さい事件の場合などは略式裁判となる可能性があります。
・被害が大きい、悪質な事件の場合
一方、容疑を否認している場合や被害額が大きく悪質な事件の場合は、起訴され公開の法廷で審理されることになります。
7、窃盗罪の疑いで逮捕されたら
窃盗は、いうまでもなく犯罪です。
逮捕・起訴されれば、有罪となり前科がつく可能性があります。
前科がつけば、日常生活で不利益を被る可能性が高く、さまざまな影響を受けてしまいかねません。
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(1)弁護士に依頼するメリット
窃盗罪で逮捕されたときは、弁護士に依頼しスピード感を持って対応することによって、将来に至るまで受ける可能性がある影響を最小限に抑えることができます。
また逮捕後の勾留期間は、会社や学校に行くことはできません。
勾留期間が長引くほど、社会復帰への不安が大きくなるでしょう。
逮捕された場合、刑事事件の経験豊富な弁護士に依頼をすれば、検察官や裁判官へ釈放への主張や交渉を行うことで、長期勾留によるリスクを最小限に抑えられるでしょう。 -
(2)示談交渉も弁護士に任せよう
さらに難航する示談交渉の場においても、被害者感情に配慮しながら粘り強く交渉するため、被害者が示談に応じてくれる可能性が高まります。
示談に期待できない難しい状況でも、反省文の提出や贖罪(しょくざい)寄付、家族による監督体制の構築など、さまざまな角度から刑の軽減に向けた活動を行います。
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(3)窃盗行為で逮捕されたら、できるだけ早く弁護士に相談を
逮捕後は、72時間以内の弁護が非常に重要です。
依頼のタイミングによって結果が大きく異なってしまう可能性も否めません。
タイミングを逃さないよう弁護活動をスタートし、示談を成立させることによって、過剰に重い罪に問われること回避できる可能性もあります。
そのためにも、できるだけ早いタイミングで弁護士に依頼することをおすすめします。
窃盗行為をはたらいてしまった、家族が逮捕されたといった場合、まずはベリーベスト法律事務所にご相談ください。
刑事事件に対応した経験が豊富な弁護士が、全力でサポートいたします。
ベリーベスト法律事務所は、北海道から沖縄まで展開する大規模法律事務所です。
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