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詐欺容疑で家族が逮捕! 逮捕後の影響や残された家族ができることを解説
特殊詐欺事件における現金の受取役である「受け子」として、割の良い仕事感覚でフリーターや無職者、あるいは中高生などの未成年者が安易に事件に加担しているケースは少なくありません。
もしご自身の家族が詐欺の疑いで逮捕されたら、残された家族としては逮捕後の影響が心配になるでしょう。
「家族としてできる限りのサポートをしたい」と考える方もいらっしゃるかと思いますが、家族が逮捕されてしまった場合、残された家族にはどのようなサポートができるのでしょうか?
1、家族が詐欺で逮捕されることで考えられる周囲への影響
詐欺罪の容疑者として家族が逮捕されてしまうと、さまざまな影響が生じます。
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(1)実名報道されて生活しにくくなる
詐欺事件の容疑者として逮捕された場合、実名報道を受けるおそれがあります。
警察は、被疑者を逮捕した場合に、氏名・特定できない程度の住所、職業、年齢、逮捕の理由となった罪名などの情報を報道各社に公表します。この情報を報道するか、しないかは報道各社の判断ですが、悪質性が高く組織的な犯行であれば、高い確率で報道されるでしょう。
実名報道をされてしまえば、容疑者のことを知る友人・知人や会社の同僚、自宅周辺の住人の間に「詐欺で捕まった」と悪い噂が流れてしまいます。
周りの目が気になり、それまでのように平穏な生活を送ることは難しくなるでしょう。 -
(2)仕事を失って収入が減少する
仕事をしている人が逮捕されてしまうと、身柄を拘束されている期間は出社できません。ある程度の段階で釈放されたとしても、勤務日数が減っていれば月収が少なくなってしまうでしょう。
逮捕された事実が会社に知られてしまえば、会社での居場所を失ってしまい退職を余儀なくされるケースも少なくありません。
就業規則に定めがない限り、逮捕された事実を理由にして一方的に解雇を受けることはありません。ただし、取引先にまで逮捕された事実が知られて会社の信用や名誉に損害を与えてしまえば、解雇の正当な理由として認められるおそれもあるでしょう。
解雇されてしまえば、定期的な収入が得られなくなるだけでなく、退職金の全部または一部がカットされてしまうリスクも考えられます。 -
(3)前科が付くことで制限を受ける
詐欺罪に限らず、有罪判決を受けてしまうと、医師などの国家資格について受験の欠格事由になったり、免許が剥奪されたりすることがあります。また、海外への渡航制限を受ける場合もあります。
前科が付いてしまった人はさまざまな制限を受けますが、前科が付いてしまった人の家族にまでは制限はおよびません。
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2、家族が詐欺で逮捕された時にするべきこと
家族の一員が詐欺の容疑者として逮捕されてしまった場合、残された家族は何をするべきなのでしょうか?
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(1)まずは状況を確認する
警察に逮捕された容疑者は、家族といえども一切の連絡ができなくなります。家族や周囲の人たちは「失踪した」「行方不明になった」と心配することになるでしょう。
そこで警察は、容疑者が指定した人に対して「警察が逮捕して身柄を拘束している」と連絡します。
逮捕連絡は、逮捕・勾留期間中のサポートが可能な人を指定するのが一般的なので、ほとんどのケースで家族が指定されます。
逮捕連絡を受けた家族としては、まずどのような容疑で逮捕されたのか、被害者はどこの誰なのか、身柄拘束がされている場所はどこなのか、今後はどのような取り調べや手続きが進められるのかを確認するべきでしょう。 -
(2)職場や学校に連絡する
逮捕された本人が仕事をしていれば、職場に連絡を入れます。学校に通っている学生・生徒であれば、学校に「数日間は休みにする」と連絡を入れる必要があります。無断欠勤や無断欠席とみなされてしまえば、解雇・退学などの処分を受けてしまうため、連絡は必須でしょう。
ただし、正直に「逮捕された」と伝えるべきではないケースも少なくありません。勾留請求が認められなければ3日程度で、不起訴処分になれば数週間で釈放されるため、逮捕の事実を伝えて社会復帰を難しくするべきではありません。
起訴・不起訴の見通しを含めて、どのように伝えるのが適切かを弁護士に相談するとよいでしょう。 -
(3)弁護士に接見を依頼する
弁護士には、いつでも、何度でも自由に容疑者と面会できる権利が与えられています。
これを「接見交通権」といいます。
逮捕直後の72時間は、たとえ家族であっても面会が認められません。この期間、容疑者と会うことができるのは弁護士だけなので、弁護士に接見を依頼して、今後の見通しを立ててもらうとよいでしょう。
詐欺事件の解決実績が豊富な弁護士であれば、接見を通じて今後の対策を立てて、できる限り有利な方向に持ち込むことが期待できます。逮捕された事実を知った段階で、すみやかに弁護士に相談しましょう。 -
(4)面会に行く
逮捕された家族にとって、家族との面会は何よりも心強い励みになるものです。
詐欺事件を起こして逮捕されているとしても、家族としてサポートする姿勢をもっているとしっかりと伝えることで、逮捕された家族は気を強くもって取り調べに臨めるでしょう。
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3、家族が詐欺で逮捕された際の面会で知っておきたいポイント
家族が詐欺容疑で逮捕された場合に知っておきたい、面会の注意点やポイントを紹介しましょう。
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(1)面会が可能な日時や回数
詐欺で逮捕された容疑者は、警察署の留置場や警察の留置管理センターなどに収容されます。つまり、公務所にあたる機関での面会になるため、面会が許されるのは祝祭日を除く月曜日から金曜日までの平日のみです。
面会が可能な時間は午前・午後にわかれており、午前9時から午前11時までと、午後1時から午後4時までに設定されている場合が多いようです。
ひとりの容疑者について認められる面会の回数は1日に1回限りなので、その日のうちに友人・知人・会社の同僚などが面会していると、家族でも面会は認められません。
1回の面会時間は15分程度に限られているので、相談すべき事項があればあらかじめ整理しておくべきでしょう。 -
(2)面会の方法
面会は、留置先の警察署などの窓口で申し入れる必要があります。
住所・氏名・逮捕された容疑者との間柄などを申請書に記入して、問題がなければ面会が認められます。
警察署で取り調べを受けている日は面会できますが、検察庁で取り調べが実施される日は終日不在になることが多いので面会できない場合があります。
予約は受け付けてもらえませんが、担当課に問い合わせれば当日の予定を教えてもらえることがあるので、面会希望日が決まれば前日までに電話で確認しておくとよいでしょう。 -
(3)面会時の差し入れ
面会時に差し入れをしたい場合は、差し入れ可能・不可能な物品について確認しておくべきでしょう。
衣類や一部の日用品、書籍などの差し入れは可能ですが、食品や自傷他害の危険がある物品は差し入れできません。留置先に電話して、どのような物品が差し入れ可能なのかを確認しておくと確実です。 -
(4)面会で話せる内容
面会で話す内容には特に制限はありません。
ただし、事件の詳細や捜査の内容、事件の関係者とのコンタクトなどについて話していると、証拠隠滅を疑われるおそれがあります。面会の中止や接見禁止につながるので、事件に関する会話は弁護士にすべて任せて、逮捕された家族の精神的なケアに努めるのが賢明でしょう。
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4、まとめ
詐欺容疑で家族が逮捕されてしまうと、残された家族としてできるサポートはあまり多くありません。残された家族としては、逮捕された本人の精神的なサポートと、釈放後の生活に不利益がないように周囲や職場・学校への対策に努めるべきでしょう。
逮捕された容疑者との面会は、家族であっても制限を受けます。弁護士なら、回数や時間の制限を受けずに接見できますし、早期釈放や刑の減刑に向けた弁護活動も可能です。
弁護士への相談は、詐欺事件の解決実績が豊富なベリーベスト法律事務所まで、お気軽にご一報ください。
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