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弁護士コラム

2020年02月25日
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  • 傷害致死

過失致死罪・傷害致死罪・殺人罪の違いは? 不起訴や正当防衛の可能性

過失致死罪・傷害致死罪・殺人罪の違いは? 不起訴や正当防衛の可能性
過失致死罪・傷害致死罪・殺人罪の違いは? 不起訴や正当防衛の可能性

刑法に定められる罪には、一見するとなかなか区別がつきにくいものがあります。その例のひとつに挙げられるのが過失致死罪と傷害致死罪です。

どちらも何らかの行為をした結果、人を死に至らしめたという事実には変わりありません。しかし、それぞれの罪は刑罰の重さに大きな違いがあります。

今回は、過失致死罪と傷害致死罪の何が違うのかを見た上で、それぞれの罪と不起訴になる条件、示談をおこなう際の注意点などを解説します。

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  1. 1、過失致死罪・傷害致死罪・殺人罪は、それぞれ何が違う?
    1. (1)過失致死罪とは
    2. (2)傷害致死罪とは
    3. (3)過失致死罪と傷害致死罪の違い
    4. (4)殺人罪
    5. (5)傷害致死罪と殺人罪の違い
  2. 2、過失致死罪で不起訴になることはある?
    1. (1)不起訴になる可能性
    2. (2)刑が重くなりやすいケース
  3. 3、傷害致死罪で不起訴になることはある?
    1. (1)不起訴になる可能性
    2. (2)刑が重くなりやすい状況
  4. 4、正当防衛だったとしても、傷害致死に問われる?
    1. (1)正当防衛が認められる5つの条件
    2. (2)正当防衛は簡単には認められない
  5. 5、死亡事件における示談の難しさ
    1. (1)示談が難しい理由
    2. (2)示談交渉・減刑を望む場合は、弁護士に相談を

1、過失致死罪・傷害致死罪・殺人罪は、それぞれ何が違う?

まずはそれぞれの罪の内容や成立要件、刑罰の違いなどを見ていきましょう。

  1. (1)過失致死罪とは

    過失によって人を死なせてしまう罪が過失致死罪です
    誤ってぶつかったら相手が階段から転げ落ちて死亡してしまった、などのケースが典型でしょう。

    殺すつもりどころかケガをさせるつもりもなく、いわば完全に事故で人を死なせてしまった場合です

    刑罰
    50万円以下の罰金刑


    これは加害者に加害する意図があったわけではないためです。

    ただし、業務上で同様の結果を招けば業務上過失致死罪となり、5年以下の懲役か禁錮、または100万円以下の罰金と、罪が一気に重くなります

    なお、過失傷害罪は起訴の条件として告訴を要する親告罪ですが、過失致死罪は重大な結果が生じていることから非親告罪となっています。

  2. (2)傷害致死罪とは

    意図的に相手を負傷させ、それにより死なせてしまう罪が傷害致死罪です
    相手の顔を思い切り殴打したら脳内出血で死亡してしまった、などのケースが典型でしょう。
    死なせるつもりまではなかったけれども、暴行や傷害の意図はあったというような場合です

    刑罰
    3年以上の有期懲役刑


    殺人罪よりは軽いものの、暴行や傷害の意図までは存在することから、過失致死罪よりは刑が重くなっています。
    この罪も非親告罪であり、遺族などの告訴がなくても起訴される可能性はあります

  3. (3)過失致死罪と傷害致死罪の違い

    過失致死罪と傷害致死罪は、人を死亡させる点では同じですが、意図的かどうかで違いが生じます。
    傷害致死罪には暴行や傷害までの故意があり、過失致死罪には相手への故意は存在しません。

  4. (4)殺人罪

    殺人罪は、殺意を持って、人を死亡させた場合に成立します。

    刑罰
    死刑又は無期若しくは五年以上の懲役(刑法第199条)
  5. (5)傷害致死罪と殺人罪の違い

    傷害致死罪も殺人罪も、被害者を死亡させている点は共通しています。
    両者の大きな違いは「殺意の有無」にあります。

    殺意とは?
    殺意とは、死亡という結果の認識認容のことです。
    「相手を殺してやる」という意思や、「相手が死んでも構わない」という認識があれば、殺意があったとされます


    殺意は内面の問題なので、立証が難しい側面があります。
    本人が「殺すつもりだった」と自白するケースばかりではありませんし、仮に自白があったとしても、人を殺めてしまった異常な状況下の中で自身の意図を認識できない場合もあるでしょう。

    殺意があったと判断されやすいケース
    そこで、殺意を認定するための客観的な要素として、凶器や創傷部位、犯行の動機、救護措置の有無など、間接事実を積み上げて立証することになります。

    たとえば、包丁を使い(凶器)、心臓や首などの枢要部分を刺せば(創傷部位)、殺意の認定に傾きます。事件前からひどく相手を恨むような事実があり(犯行の動機)、事件後に救急車を呼ばずに(救護措置がない)放置すれば、殺意があったと判断されやすくなります。


    殺人未遂罪になるケース
    また、殺意をもって犯行におよべば、結果として人が死亡しなくても殺人未遂罪で罰せられる可能性があります。

2、過失致死罪で不起訴になることはある?

起訴するかどうかの判断は検察がおこないます。
個別の具体的な事情によっても判断は異なってくるため、不起訴となる確実な方法があるわけではありません

ただ、罪に問われた場合の指針として、不起訴や減刑の可能性をあらかじめ検討しておくのもよいでしょう。

  1. (1)不起訴になる可能性

    前提として、過失致死罪であったとしても不起訴となる可能性はあります
    一般的には、事件の悪質性や被害者遺族との話し合い、あるいは示談の成立などが起訴・不起訴の判断に大きな影響を及ぼすとされています。

    事件の悪質性とは?
    事件の悪質性とは、たとえば不注意の度合いです。
    階段で人にぶつかったケースで考えると、単に急いでいて相手にぶつかってしまった場合と、歩きスマホで注意力散漫になっていた場合とでは、後者のほうが不注意の度合いは大きいといえるでしょう。


    被害者遺族と示談
    また、被害者遺族との話し合いや示談は、処罰感情の強さや処罰の必要性とあわせて重要となります。
    特に示談の成立は、不起訴になる可能性を高めると考えられます。

    示談とは 裁判をせずに、当事者間の話し合いで解決すること 加害者 被害者への謝罪 示談金による賠償 弁護士が加害者の代理人として被害者と示談交渉 被害者 加害者を許す 被害届を取り下げ 弁護士からの説明で冷静に話しやすくなる 両者の合意により示談成立 ベリーベスト法律事務所
  2. (2)刑が重くなりやすいケース

    ① 業務上で起こった場合や、悪質性が高い場合
    人が亡くなった要因が、業務上で起こった場合や危険性・悪質性の高い行為によって生じたような場合には、刑が重くなりやすい傾向にあります。
    いくら相手を死なせるつもりがなかったとしても、何かの間違いで人を死に至らしめるような行為をするならば、あらかじめ十分に気をつけておくべきだといえるからです。

    ② 死亡状況に不審な点がある場合
    なお、被害者の死亡状況が不審と見なされた場合、過失致死罪ではなく殺人罪の容疑がかけられる可能性もあります
    殺人罪が成立すると罪の重さも大きく異なるため、警察や検察は厳しく取り調べをすることでしょう。
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3、傷害致死罪で不起訴になることはある?

不注意で人を死に至らしめてしまった場合と比べて、傷害致死罪においては少なくとも暴行や傷害の意図はあるため、罪はそれだけ重くなります。
では、傷害致死罪の容疑で逮捕され場合、不起訴になる可能性はあるのでしょうか。

  1. (1)不起訴になる可能性

    傷害致死罪でも、不起訴になる可能性がまったくないわけではありません

    ① 事件の悪質性・示談成立の有無
    個別の事件における判断は検察官が行いますので一概にはいえませんが、一般論としては事件の悪質性のほか、被害者遺族との話し合いや示談の成立が影響を及ぼすとされています。

    ② 因果関係
    また、それに加えて傷害致死罪の場合は因果関係も特に考慮される要素となります。
    因果関係とは、暴行や傷害と被害者の死亡とのつながりです。
    たとえば殴りつけた相手がたまたま持病の心臓発作を起こして暴行とは関係なく死亡したような場合、加害者が殴ったことによって被害者が死亡したわけではないといえる場合があります。


    このような場合、傷害罪には問われたとしても、致死の結果についてまでは責任を問われないというわけです。

    刑事裁判には「疑わしい場合は被告人の利益に」という理念があります。
    検察が起訴するかどうかの判断にもこれは当てはまり、「嫌疑不十分」「嫌疑なし」「起訴猶予」と検察が判断した場合は不起訴となります。

  2. (2)刑が重くなりやすい状況

    傷害致死罪で取り調べを受けているとき、被害者に暴行を加えて死亡させたと取れる言動や証拠があった場合、有罪となる可能性が高くなります

    法定刑
    傷害致死罪の法定刑は3年以上の有期懲役と重く、執行猶予もつきにくいといえます。

    執行猶予
    執行猶予は、懲役が3年以下である場合、被告人側に有利となる事情がある場合につく可能性があるものだからです。


    さらに、死なせるというより殺すという意図があると見なされる場合には、殺人罪で起訴されてしまうおそれもあります。
    傷害致死罪と殺人罪の判断は難しく、慎重な対応が求められます

4、正当防衛だったとしても、傷害致死に問われる?

殺意がなかったにしても人を死なせてしまえば傷害致死に問われる可能性がありますが、正当防衛を主張できる場合もあります

正当防衛は刑法第36条に規定されており、認められれば不起訴処分が期待できます
起訴後であっても、無罪判決となる可能性も生じるでしょう。

  1. (1)正当防衛が認められる5つの条件

    正当防衛が認められるには、次の5つの条件を全て充たす必要があります。

    ① 不正の侵害
    法律上保護されるべき利益に対して、相手が違法に侵害している状態をいいます。
    侵害とは、生命、身体、財産に向けられた加害行為を指します。

    ② 急迫性の有無
    急迫性とは、権利の侵害行為が現在進行形で発生し、または間近に迫っている状態をいいます。身の危険があれば警察を呼ぶ方法がありますが、それすらする暇がないときには急迫性があると認められます。

    ③ 防衛の意思
    違法な侵害行為に対する防衛の意思です。たとえば相手から殴られるだろうと予想したうえで積極的に攻撃すれば、防衛の意思は否定されるでしょう。

    ④ 防衛の必要性
    防衛のためにやむをえずした行為だったのかということです。
    逃げる余裕があったのにあえて攻撃していれば、防衛の必要性が否定される可能性があります。

    ⑤ 相当性の有無
    相当性とは、防衛のためにとった行動が必要最小限のものであり、本当に防衛のためだったのかを確認する基準です。つまり、やり過ぎていないかということです。
    ロープで縛った相手に対してなおも攻撃を続けるような行為や、素手で襲ってきた相手に刃物で応戦するような行為は過剰防衛と評価され、傷害致死罪となる可能性があります。
  2. (2)正当防衛は簡単には認められない

    傷害致死事件で正当防衛が認められる可能性があるのは、たとえば、「殺す」と叫びながら執拗に暴行を加えてくる相手を防御のために腕で一度押したら転倒し、当たりどころが悪く亡くなってしまったケースなどです。

    しかし正当防衛は、本来ある違法性を阻却する重大な行為ですので、認められるには上記すべての条件を充たす必要があり、決して簡単ではありません

    事件の発端となる事実が相手側にあり、自分では正当防衛だと思っても、法律の観点からすれば成立しないことも少なくないのです。

    そのため、正当防衛を主張する場合は、刑事事件の取り扱い経験が豊富な弁護士へ相談することがもっとも重要です。

5、死亡事件における示談の難しさ

一般的に、被害者が亡くなっている場合、示談は難しくなる傾向にあります。
その理由とどのような対応をとることができるか説明します。

  1. (1)示談が難しい理由

    ケガなら治癒の可能性も期待できますが、死亡という結果は取り返しのつかないものです。多くの場合、遺族からの処罰感情は激しいものとなるため、示談も難しくなるのです。
    特に過失致死罪や傷害致死罪の場合、加害者も相手を死なせる意図はなかったため、罪の重さを自覚しにくいところもあります。
    遺族に対して真摯(しんし)な反省を示せなければ、示談交渉は難航します

    また、示談交渉自体を拒絶されることもあります。
    また、交渉をおこなえたとしても示談金が高額になったりすることもあり、こうした事情が示談の成立を難しくさせるといえます。

  2. (2)示談交渉・減刑を望む場合は、弁護士に相談を

    加害者本人やご家族が遺族と直接面会すると、感情を逆なでしてしまい、話がこじれることもあり得ます。
    また、被害者が加害者家族と話したくないというケースも珍しくありません。

    被害者への謝罪、示談交渉にあたってはまずは弁護士に相談し、どう対応するのが良いのか助言を得ることがよいでしょう。

    また、示談交渉は弁護士が行うことができます。
    刑事事件の経験豊富な弁護士に間に入ってもらうことで、示談成立の可能性が高まりますので、まずは弁護士へ相談しましょう。

    刑事事件で弁護士ができること 1:弁護士に依頼する8つのメリット 2:周囲に知られる前に解決が期待できる 3:被害者と示談交渉ができる 4:不起訴・執行猶予にできる可能性がある 5:早期身柄解放に向けた弁護活動 6:無実の照明について弁護活動ができる 7:自主するべきか、適切な判断ができる 8:逮捕中に面会ができるのは弁護士だけ
本コラムを監修した弁護士
萩原 達也
ベリーベスト法律事務所
代表弁護士
弁護士会:
第一東京弁護士会

ベリーベスト法律事務所は、北海道から沖縄まで展開する大規模法律事務所です。
当事務所では、元検事を中心とした刑事専門チームを組成しております。財産事件、性犯罪事件、暴力事件、少年事件など、刑事事件でお困りの場合はぜひご相談ください。

※本コラムは公開日当時の内容です。
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