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弁護士コラム

2020年02月25日
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  • 傷害致死

過失致死罪と傷害致死罪はどう違う? 不起訴になるポイントと示談について

過失致死罪と傷害致死罪はどう違う? 不起訴になるポイントと示談について
過失致死罪と傷害致死罪はどう違う? 不起訴になるポイントと示談について

刑法に定められる罪には、一見するとなかなか区別がつきにくいものがあります。その例のひとつに挙げられるのが過失致死罪と傷害致死罪です。

どちらも何らかの行為をした結果、人を死に至らしめたという事実には変わりありません。しかし、それぞれの罪は刑罰の重さに大きな違いがあります。

今回は、過失致死罪と傷害致死罪の何が違うのかを見た上で、それぞれの罪と不起訴になる条件、示談をおこなう際の注意点などを解説します。

1、過失致死罪と傷害致死罪は何が違う?

まずはそれぞれの罪の内容や成立要件、刑罰の違いなどを見ていきましょう。

  1. (1)過失致死罪とは

    過失によって人を死なせてしまう罪が過失致死罪です。誤ってぶつかったら相手が階段から転げ落ちて死亡してしまった、などのケースが典型でしょう。殺すつもりどころかケガをさせるつもりもなく、いわば完全に事故で人を死なせてしまった場合です。

    刑罰は50万円以下の罰金刑です。これは加害者に加害する意図があったわけではないためです。ただ、業務上で同様の結果を招けば業務上過失致死罪となり、5年以下の懲役か禁錮、または100万円以下の罰金と、罪が一気に重くなります。
    なお、過失傷害罪は起訴の条件として告訴を要する親告罪ですが、過失致死罪は重大な結果が生じていることから非親告罪となっています。

  2. (2)傷害致死罪とは

    意図的に相手を負傷させ、それにより死なせてしまう罪が傷害致死罪です。相手の顔を思い切り殴打したら脳内出血で死亡してしまった、などのケースが典型でしょう。死なせるつもりまではなかったけれども暴行や傷害の意図はあったというような場合です。

    刑罰は3年以上の有期懲役刑です。殺人罪よりは軽いものの、暴行や傷害の意図までは存在することから、過失致死罪よりは刑が重くなっています。
    この罪も非親告罪であり、遺族などの告訴がなくても起訴される可能性はあります。

  3. (3)2つの罪の違い

    過失致死罪と傷害致死罪は、人を死亡させる点では同じですが、意図的かどうかで違いが生じます。傷害致死罪には暴行や傷害までの故意があり、過失致死罪には相手への故意は存在しません。

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2、過失致死罪で不起訴になることはある?

起訴するかどうかの判断は検察がおこないます。個別の具体的な事情によっても判断は異なってくるため、不起訴となる確実な方法があるわけではありません。ただ、罪に問われた場合の指針として、不起訴や減刑の可能性をあらかじめ検討しておくのもよいでしょう。

  1. (1)不起訴になる可能性

    前提として、過失致死罪であったとしても不起訴となる可能性はあります。一般的には、事件の悪質性や被害者遺族との話し合い、あるいは示談の成立などが起訴・不起訴の判断に大きな影響を及ぼすとされています。
    事件の悪質性とは、たとえば不注意の度合いです。階段で人にぶつかったケースで考えると、単に急いでいて相手にぶつかってしまった場合と、歩きスマホで注意力散漫になっていた場合とでは、後者のほうが不注意の度合いは大きいといえるでしょう。
    また、被害者遺族との話し合いや示談は、処罰感情の強さや処罰の必要性とあわせて重要となります。特に示談の成立は、不起訴になる可能性を高めると考えられます。

  2. (2)刑が重くなりやすい状況

    人が亡くなった要因が、業務上で起こった場合や危険性・悪質性の高い行為によって生じたような場合には、刑が重くなりやすい傾向にあります。いくら相手を死なせるつもりがなかったとしても、何かの間違いで人を死に至らしめるような行為をするならば、あらかじめ十分に気をつけておくべきだといえるからです。
    なお、被害者の死亡状況が不審と見なされた場合、過失致死罪ではなく殺人罪の容疑がかけられる可能性もあります。殺人罪が成立すると罪の重さも大きく異なるため、警察や検察は厳しく取り調べをすることでしょう。

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3、傷害致死罪で不起訴になることはある?

不注意で人を死に至らしめてしまった場合と比べて、傷害致死罪においては少なくとも暴行や傷害の意図はあるため、罪はそれだけ重くなります。では、傷害致死罪の容疑で逮捕され場合、不起訴になる可能性はあるのでしょうか。

  1. (1)不起訴になる可能性

    傷害致死罪でも、不起訴になる可能性がまったくないわけではありません。個別の事件における判断は検察官が行いますので一概にはいえませんが、一般論としては事件の悪質性のほか、被害者遺族との話し合いや示談の成立が影響を及ぼすとされています。
    また、それに加えて傷害致死罪の場合は因果関係も特に考慮される要素となります。因果関係とは、暴行や傷害と被害者の死亡とのつながりです。たとえば殴りつけた相手がたまたま持病の心臓発作を起こして暴行とは関係なく死亡したような場合、加害者が殴ったことによって被害者が死亡したわけではないといえる場合があります。このような場合、傷害罪には問われたとしても、致死の結果についてまでは責任を問われないというわけです。
    刑事裁判には「疑わしい場合は被告人の利益に」という理念があります。検察が起訴するかどうかの判断にもこれは当てはまり、「嫌疑不十分」「嫌疑なし」「起訴猶予」と検察が判断した場合は不起訴となります。

  2. (2)刑が重くなりやすい状況

    傷害致死罪で取り調べを受けているとき、被害者に暴行を加えて死亡させたと取れる言動や証拠があった場合、有罪となる可能性が高くなります。傷害致死罪の法定刑は3年以上の有期懲役と重く、執行猶予もつきにくいといえます。執行猶予は、懲役が3年以下である場合、被告人側に有利となる事情がある場合につく可能性があるものだからです。
    さらに、死なせるというより殺すという意図があると見なされる場合には、殺人罪で起訴されてしまうおそれもあります。傷害致死罪と殺人罪の判断は難しく、慎重な対応が求められます。

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4、過失致死罪と傷害致死罪における示談の難しさ

一般的に、被害者が亡くなっている場合、示談は難しくなる傾向にあります。その理由とどのような対応をとることができるか説明します。

  1. (1)示談が難しい理由

    ケガなら治癒の可能性も期待できますが、死亡という結果は取り返しのつかないものです。多くの場合、遺族からの処罰感情は激しいものとなるため、示談も難しくなるのです。
    特に過失致死罪や傷害致死罪の場合、加害者も相手を死なせる意図はなかったため、罪の重さを自覚しにくいところもあります。遺族に対して真摯(しんし)な反省を示せなければ、示談交渉は難航します。
    また、示談交渉自体を拒絶されることもあります。また、交渉をおこなえたとしても示談金が高額になったりすることもあり、こうした事情が示談の成立を難しくさせるといえます。

  2. (2)対処方法について

    加害者本人やご家族が遺族と直接面会すると、感情を逆なでしてしまい、話がこじれることもあり得ます。また、被害者が加害者家族と話したくないというケースも珍しくありません。被害者への謝罪、示談交渉にあたってはまずは弁護士に相談し、どう対応するのが良いのか助言を得ることがよいでしょう。また、示談交渉は弁護士が行うことができます。刑事事件の経験豊富な弁護士に間に入ってもらうことで、示談成立の可能性が高まりますので、まずは弁護士へ相談しましょう。

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5、まとめ

今回は過失致死罪と傷害致死罪の違いと、それぞれの罪で不起訴となる可能性、そして示談の難しさについて説明しました。
過失致死罪と傷害致死罪は被害者が亡くなるという結果が生じており、遺族感情も厳しいものとなることが通常です。また、刑事訴訟のほか、民事訴訟に発展する可能性も考慮する必要があります。
もし身内などが不注意や暴行・傷害の結果として相手を死なせてしまったのであれば、なるべく早めにベリーベスト法律事務所へご相談ください。弁護士が不当に重い刑罰を受けることのないよう、サポートいたします。

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本コラムを監修した弁護士
萩原 達也
ベリーベスト法律事務所
代表弁護士
弁護士会:
第一東京弁護士会

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当事務所では、元検事を中心とした刑事専門チームを組成しております。財産事件、性犯罪事件、暴力事件、少年事件など、刑事事件でお困りの場合はぜひご相談ください。

※本コラムは公開日当時の内容です。
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