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弁護士コラム

2022年09月07日
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拘留とはどんな罰? 前科はつく? 拘束される期間や勾留との違い

拘留とはどんな罰? 前科はつく? 拘束される期間や勾留との違い
拘留とはどんな罰? 前科はつく? 拘束される期間や勾留との違い

わが国の刑事司法制度において、意味は全く異なるのに読み方は同じであるものが存在します。たとえば、刑事罰としての「拘留(こうりゅう)」と、刑事手続きの中で登場する「勾留(こうりゅう)」が挙げられます。
拘留と勾留は読み方が同じであるため、混同して同じ意味だと捉えている方もいるようですが、両者はまったく別の意味なので注意が必要です。

拘留は刑罰のなかでも軽微なものと位置付けられていますが、具体的にどのような刑罰で、拘留を受けるとどうなるのかも気になるところでしょう。

このコラムでは「拘留」について、どのような刑罰なのか、勾留との違いを弁護士が解説します。拘留を受けるおそれがある場合に取るべき正しい行動についても触れていきましょう。

1、拘留の定義

拘留とはどのような刑罰なのでしょうか?

  1. (1)拘留とは|刑罰の内容や特徴

    拘留とは、1日以上30日未満の期間、刑事施設において身柄を拘束し自由を奪う刑罰です(刑法16条)。

    わが国における刑罰は、刑法第9条によって死刑・懲役・禁錮・罰金・拘留・科料の6つが主刑として規定されています。死刑を極刑として、その他5つの主刑は刑罰の性質から「自由刑」と「財産刑」で区別され、拘留は懲役・禁錮と同じく、移動の自由を制限することから、自由刑にあたります。

    ただし、拘留には懲役・禁錮が科せられる際に認められる執行猶予(刑法25条)がつきません。執行猶予とは、刑の執行の全部または一部を一定期間に限って猶予するもので、条件を守って猶予期間が経過した場合は刑の効力が消滅する制度です。執行猶予は、懲役・禁固刑や罰金刑が科せられる場合を想定しているため、拘留に執行猶予がつくことはありません

  2. (2)拘留が規定されている犯罪

    拘留が規定されている主な犯罪は以下のとおりです。

    【刑法犯】
    • 公然わいせつ罪(第174条)……6か月以下の懲役もしくは30万円以下の罰金または拘留もしくは科料
    • 暴行罪(第208条)……2年以下の懲役もしくは30万円以下の罰金または拘留もしくは科料
    • 侮辱罪(第231条)……1年以下の懲役若しくは禁錮若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料

    【特別法犯】
    • 軽犯罪法第1条違反……拘留または科料
    • 酩酊者規制法第4条違反……拘留または科料
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2、拘留と勾留の違い

拘留と同じく「こうりゅう」と読む手続きとして「勾留」があります。拘留と勾留の違いを確認していきましょう。

  1. (1)勾留とは

    勾留とは、逮捕によって身柄拘束を受けている被疑者について、検察官が法律に規定されている要件に該当するとして請求し、裁判官が許可した場合に行われる身柄拘束をいいます(刑事訴訟法207条1項本文)。初回の請求では10日間、延長請求があればさらに最長で10日間、合計すると最長で20日間までの身柄拘束を受けます(刑事訴訟法208条1項、2項)。

    勾留中は刑事施設に身柄を置かれ、取り調べを受けることになります。主に警察署の留置場で身柄拘束を受けますが、この期間は自宅へ帰ることも、会社や学校へと通うことも認められません。

    また、刑事裁判の被告人として起訴された場合も、被告人として勾留を受けることになります。保釈が認められない限り、刑事裁判が結審する日まで身柄拘束が解かれません。

  2. (2)拘留と勾留の違い

    拘留と勾留は、同じく「こうりゅう」と呼びます。両者を区別するために拘留を「てこうりゅう」、勾留を「かぎこうりゅう」と呼ぶこともありますが、これらは本質的にまったく異なるものです。

    拘留は刑事裁判の判決として下されるものであり、懲罰として身柄を拘束します一方、勾留は被疑者または被告人の証拠の隠滅や逃亡等を防ぎ、刑事裁判の実効性を確保するための身柄拘束であり、懲罰としての性格はもっていません

    勾留中は取り調べなどの捜査や刑事裁判における審理を受ける立場であり、まだ有罪と決まったわけではないので懲罰を受ける立場にはないのです。

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3、拘留された場合の流れ

拘留が決定するまでの流れや決定後の流れを確認していきましょう。

  1. (1)拘留が決定するまでの流れ

    刑事事件の発生を受け、捜査機関による取り調べや逮捕・送致の後、検察官が裁判所に刑事裁判を提起します(起訴といいます。)。刑事裁判では裁判官が証拠を取り調べたうえで有罪・無罪を判断し、有罪であればどの程度の刑罰が適当であるのかを決定します。

    ここで裁判官が拘留を下せば、刑罰として拘留が科せられます。

  2. (2)拘留決定後の流れ

    拘留が決定すると刑事施設に拘置されて拘留が執行されます(刑法16条)。被告人が勾留されている場合は釈放されないまま、勾留されず在宅のままであれば判決後に身柄を拘束されたうえで刑事施設へと送られます。

    拘留が執行されると、1日以上30日未満の範囲で刑事施設での拘置を受け、満期を迎えたら釈放されます

  3. (3)拘留される刑事施設

    拘留は、刑事施設に拘置される刑罰です。刑事施設には、警察が管轄する警察署の留置場、法務省が管轄する拘置所や刑務所があります。

    警察署の留置場は、逮捕・勾留された被疑者が留置される施設です。拘置所には、刑事裁判でいまだ判決が下されていない被告人や死刑囚が収容されます。拘留は自由刑なので、懲役・禁錮の服役囚と同じく刑務所に収監されますが、拘留が決定したからといってただちに刑務所へと移送されるわけではありません。

    拘置所から刑務所への移送までには時間がかかるうえに、拘留は30日未満の自由刑なので、実質的に拘置所において拘留が執行されることになります。

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4、拘留期間中の生活

拘留を受けると、実際にどのような生活を送ることになるのでしょうか?

  1. (1)拘置所での規則正しい生活を送る

    拘置所は、原則として刑罰が決定する前段階の被告人が収容される刑事施設です。この段階では、まだ刑罰が決定していないので、起床・睡眠・食事の時間などの制限はあるものの比較的に自由な生活が許されます。

    ただし、拘留が決定した段階からは、刑務所への移送を待ちながら拘置所に拘置されている間も拘留の受刑者という扱いです。1人部屋の独居房へと移されて拘留が執行されます。拘留の受刑者となるため、規則正しく、自由の許されない生活を余儀なくされるでしょう。

    家族などによる面会にも曜日や時間、回数に制限がかかるほか、差し入れできる物品も制限されます。

    なお、拘留の受刑者には、懲役の受刑者のように刑務作業が課せられません(刑法12条2項参照)。規則に従いながら独居房で過ごすのみですが、受刑者本人が希望した場合は刑務作業として軽作業への従事が認められます。

  2. (2)病気にかかってしまった場合

    懲役・禁錮と比べれば短期になるとはいえ、拘留を受けている期間中でも病気にかかってしまうことがあるでしょう。持病を患っている方であれば、特に不安を感じるのも当然です。

    拘留を受けている間に病気にかかってしまった場合は、病棟に収容されて投薬や医師の治療を受けられます。入院を要する状態であれば、拘留受刑者の立場のままで外部の病院での入院を認められることもあります(刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律第61条、62条参照)。

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5、拘留を避けるために弁護士に早期相談をする

拘留は、懲役・禁錮と比べると身柄拘束を受ける期間が短く、罰金よりも軽い刑罰に位置付けられています。とはいえ、拘留もれっきとした刑罰のひとつであり、有罪となれば前科がつきます

また、ごく短期とはいえ受刑者として外部の社会から隔離されるため、家族・会社などとの関係に悪影響を及ぼしかねません。離婚や解雇といった不利益を招くおそれもあるため、拘留が想定される場合はただちに弁護士に相談して刑罰の回避に向けたサポートを求めましょう。

  1. (1)取り調べに対するアドバイスが得られる

    刑事事件を起こしてしまうと、捜査機関による取り調べが実施されます。
    取り調べで述べた内容は供述調書として文書化され、検察官が起訴・不起訴を判断する際や裁判官が判決・量刑を下す際の重要な証拠として扱われます。

    供述調書作成の過程で「内容に間違いはない」と認めて署名等した場合、その供述調書の内容をくつがえすことは困難です。事実と異なる内容の供述調書は、署名してしまう前に訂正を求めなくてはなりません。

    そのため、早い段階で弁護士に相談してサポートを依頼し取り調べに際してどのような供述をすべきか、どのような点に注意しながら対応すべきなのかのアドバイスを受けましょう

  2. (2)刑事裁判での弁護活動を依頼できる

    拘留は刑事裁判で有罪判決が下されない限り科せられません。わが国の刑事司法制度の現状では、検察官が起訴に踏み切った事件のほとんどに有罪判決が下されているため、刑事裁判が避けられない場合は、弁護士の刑事弁護によって拘留を回避する必要があります。

    犯行の態様や動機に悪質性がない、本人が深く反省している、被害者との示談が成立しているといった有利な事情を弁護士が裁判官に主張することで、拘留の回避が期待できるでしょう。

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6、まとめ

拘留は、わが国の法律で規定されている刑罰のなかでも軽微なものとして分類されている自由刑のひとつです。懲役・禁錮と比べると身柄拘束を受ける期間はごく短期ですが、前科がついてしまうことに変わりはありません。社会生活から隔離されてしまうため、甚大な悪影響を受けるおそれも否定できないでしょう。

刑事事件を起こしてしまい、逮捕や刑罰に不安を感じている方は、刑事事件の解決実績が豊富なベリーベスト法律事務所にご相談ください。

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監修者
萩原 達也
弁護士会:
第一東京弁護士会
登録番号:
29985

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※本コラムは公開日当時の内容です。
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