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弁護士コラム

2022年02月28日
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勾留延長とは? 流れや延長阻止に向けた弁護活動を解説

勾留延長とは? 流れや延長阻止に向けた弁護活動を解説
勾留延長とは? 流れや延長阻止に向けた弁護活動を解説

刑事事件のニュース報道をみていると「◯◯容疑者について、勾留期限の延長が決定した」といった情報が流れることがあります。令和3年12月には、所得を過少申告していた容疑で逮捕された某大学の前理事長について、10日間の勾留延長が決定したと報じられました。

「身柄拘束が延長された」という意味であるくらいはイメージできるかもしれませんが、なぜ延長されるのか、そもそも誰が延長を求めていつまで拘束されるのかといった詳しい内容までは知らない方も多いでしょう。

本コラムでは、刑事事件における「勾留延長」の意味や決定までの流れ、勾留延長によって受ける影響や勾留延長を阻止する方法を解説します。

1、勾留とは?

まずは「勾留」がどのような手続きなのかを確認しておきましょう。

  1. (1)「勾留」の意味

    勾留とは、犯罪の容疑をかけられている被疑者や被告人について、身柄を拘束し自由な行動を制限する強制処分のひとつです。被疑者の勾留は、検察官からの請求を受けて裁判官が可否を決定します。勾留中の被疑者が、同一の事実によって公訴提起されたときは、起訴の日から、何らの手続を経ることなく、当然に被告人の勾留が開始されます。

    刑事訴訟法第64条1項では、勾留された被疑者・被告人は「刑事施設」に収容されることが明記されており、ここでいう刑事施設とは法務省管轄の「拘置所」を指します。ところが、捜査の段階にある被疑者については、刑事収容施設および被収容者等の処遇に関する法律にもとづいて、事件捜査を担当する警察署の「留置場」に収容されるのが一般的です。

    本来は拘置所で収容するところを警察署の留置場で代用することから、この制度は「代用監獄制度」と呼ばれています。もっとも、代用監獄という用語はすでに廃止されている「監獄法」という法律にもとづく表現です。現在では「代用刑事施設」と呼ばれています。

    このように、勾留には、被疑者勾留と被告人勾留の両方がありますが、以下では、被疑者勾留及びその延長の解説をします。

  2. (2)勾留による身柄拘束の期限

    勾留による被疑者の身柄拘束の期限は、刑事訴訟法第208条1項に「勾留の請求をした日から10日以内」と定められています。検察官は、勾留が満期を迎える日までに公訴を提起するか、あるいは被疑者を釈放しなければなりません。

  3. (3)勾留が認められる要件

    被疑者としての勾留が認められるのは、先に適法な逮捕が存在する場合に限られます。任意の身柄として在宅捜査を受けている被疑者を突然勾留することは認められていません。勾留には必ず先んじて逮捕が必要となるため、これを「逮捕前置主義」といいます。

    さらに勾留には「勾留の理由」と「勾留の必要性」も求められます。

    【勾留の理由】
    • 被疑者が定まった住居を有しない「住居不定」であること
    • 被疑者が逃亡を図るおそれがあること
    • 被疑者が証拠を隠滅するおそれがあること

    【勾留の必要性】
    犯罪の嫌疑および勾留の理由があるうえで、勾留によって得られる利益とこれによって生じる不利益を比較し、不均衡がないこと
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2、勾留延長とは?

勾留は刑事訴訟法において特別に認められている強制処分です。要件を満たしているのかが裁判官によって厳格に審査されたうえで可否が決定されるものであり、捜査機関の都合で勝手に勾留したり、期間を延長できたりするわけではありません。

ただし、一定の要件を満たす場合は、「勾留延長」が可能です。

  1. (1)「勾留延長」の意味

    そもそも、勾留の期間は原則として「勾留請求の日から10日以内」です。これは、言い換えれば「捜査機関に与えられるタイムリミットは10日以内」だと考えられます。しかし、事件の内容や規模によっては、10日以内で捜査を遂げて事件の全容を解明するのは困難であるケースも少なくありません。そこで、刑事訴訟法第208条2項は「やむを得ない事由」があるときに限って、検察官の請求による勾留期間の延長を認めていますこれが「勾留延長」です

    延長される期間は「通じて10日以内」とされています。つまり、初回の勾留と延長による勾留を合計すると、勾留による身柄拘束は合計20日が限界です。

    なお、刑事訴訟法第208条の2では、勾留延長に加えてさらに5日までの再延長を規定しています。ただし、対象となるのは刑法に定められた次の犯罪のみです。

    • 第2章の内乱に関する罪
    • 第4章の国交に関する罪
    • 第8章の騒乱に関する罪


    内乱や外国との私的な戦闘、暴力的なデモ行為などを罰する犯罪に限定されているため、窃盗や詐欺、暴行・傷害などの一般的な事件で10日を超える再延長が許可されることはありません。

  2. (2)勾留延長が請求されやすいケース

    勾留延長はあくまでも例外であり、どのような事件でも許可されるわけではありません単純な犯罪で事実に争いがない事件や、比較的に被害が軽微な事件では、検察官が勾留延長を請求しないケースもあります

    一方で、次に挙げるような事件では事実の究明が困難となり、起訴・不起訴の判断も難しくなるため「やむを得ない事由」が認められる可能性が高いとして、検察官が勾留延長を請求することが多くなります。

    • 被疑者が否認に徹している、あるいは完全黙秘に徹している事件
    • 被疑者・関係者などの供述が食い違う事件
    • 共犯者が存在する事件
    • 組織的な犯行による事件
    • 複数の余罪がある事件 など
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3、勾留延長までの流れ

勾留延長が決定するまでの流れを確認しておきましょう。

  1. (1)勾留満期の前日までに延長が請求される

    警察に逮捕されると、48時間以内に検察官のもとへ送致されます。送致を受けた検察官は、自らも被疑者を取り調べたうえで「身柄を拘束して取り調べる必要がある」と判断すれば、送致を受けから24時間以内に勾留を請求します。裁判官が勾留を許可すると、原則10日間の初回勾留の開始です。

    初回の勾留が満期を迎えるまでの捜査の進捗に応じて、検察官は勾留延長の要否を検討します。「さらに身柄拘束が必要」と判断されると、勾留満期日前日などに勾留延長が請求されます。

  2. (2)裁判官が勾留延長の可否を決定する

    勾留の可否を決定するのは裁判官です。延長請求を受けた裁判官は、勾留の理由と必要性を判断したうえで、延長の可否を決定します。

    初回の勾留が許可されたからといって、必ず延長請求が認められるわけではありません。捜査の進捗や被疑者を取り巻く状況の変化に応じて、初回の勾留とは違った角度から延長の可否が判断されます。

    たとえば、初回勾留の期間中に必要な捜査がすでに遂げられている、被害者に示談金を支払って示談が成立しているといった状況があれば、延長請求は却下される可能性が高くなります

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4、勾留延長阻止に向けた弁護活動

勾留延長が認められると、10日以内を限度に身柄拘束が延長されてしまいます。逮捕から通算すると勾留延長の満期まで最大で23日間にわたって社会から隔離されることになるので、社会生活への悪影響は計り知れません。

すでに初回勾留を受けている状況なら、勾留延長の阻止に向けて弁護士のサポートを受けるのが賢明です。

  1. (1)裁判官へのはたらきかけによる延長決定の阻止

    勾留延長の可否を決定するのは裁判官です。「勾留を延長する必要がある」という検察官の主張を打ち消すことができれば、裁判官は勾留延長を却下せざるを得ません。「勾留延長の必要はない」という事情を説明する意見書などを裁判官に示せば、延長決定を阻止できる可能性が高まるでしょう。

  2. (2)被害者との示談成立による不起訴処分を目指す

    勾留延長を阻止するうえで重要となるのが、被害者との示談交渉です。初回勾留の期間中に被害者との示談が成立すれば、検察官が不起訴処分を下す可能性が高まります。検察官が不起訴処分の判断をする場合、身柄拘束の必要性も失われるので、勾留延長は請求されず釈放となるでしょう。

    ただし、犯罪の被害者は加害者やその家族などに対して強い怒りの感情を抱えているものです。個人による示談交渉ではかたくなに拒絶されてしまうケースも珍しくないので、弁護士を代理人として穏便な解決を目指すのが最善策だといえます

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5、まとめ

検察官の請求によって「勾留延長」が認められてしまうと10日以内を限度に身柄拘束が延長されます。逮捕から数えると最長で23日間にわたって社会から隔離される事態になるため、仕事・家庭生活にも大きな悪影響を及ぼすのは確実です。

勾留延長を阻止したい、早期の釈放を実現したいと考えるなら、刑事事件の解決実績が豊富なベリーベスト法律事務所におまかせください。弁護士・スタッフ一同が全力でサポートを尽くします。

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本コラムを監修した弁護士
萩原 達也
ベリーベスト法律事務所
代表弁護士
弁護士会:
第一東京弁護士会

ベリーベスト法律事務所は、北海道から沖縄まで展開する大規模法律事務所です。
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※本コラムは公開日当時の内容です。
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