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弁護士コラム

2022年04月12日
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被害弁償や示談で罪は軽減されるのか|加害者が知るべきポイント

被害弁償や示談で罪は軽減されるのか|加害者が知るべきポイント
被害弁償や示談で罪は軽減されるのか|加害者が知るべきポイント

刑法などの刑罰法令に触れる行為があると犯罪が成立し、所定の刑事手続きを経て刑罰が科せられます。事件を起こしても必ず刑罰が科せられるわけではありません。

法務省が公開している令和3年版の犯罪白書によると、令和2年中に検察庁で処理した事件のうち、刑事裁判に発展したのは刑法犯で37.4%、特別法犯で48.8%でした。数字だけをみれば、刑法犯ではおよそ3人に2人、特別法犯ではおよそ2人に1人が罪に問われないまま事件が終結しているのです。

事件を起こして厳しい刑罰が科せられる事態に発展するかどうかは「被害弁償」や「示談交渉」の有無が大きく作用します。本コラムでは、被害弁償や示談交渉の効果を確認しながら、罪が軽減されるのかどうかを見ていきましょう。

1、被害弁償・示談とは

罪を犯して他人に被害を与えた加害者は、法律の考え方に照らせば「被害回復」の義務を負います。被害回復の方法は、大きく分けると被害弁償・示談・供託の3種類です。

  1. (1)「被害弁償」とは

    被害回復の方法としてもっとも典型的なものが「被害弁償」です。読んで字の如く、まさに「被害を弁償する」ことを意味します。

    たとえば窃盗事件では、盗んだものに相当する額の金銭を支払えば被害弁償を果たしたことになるでしょう。万引きのケースでは、店舗側から盗んだ商品の買い取りを求められたり、商品そのものを返還するように求められたりすることもありますが、これらも広くみれば被害弁償です。

    また、傷害事件のように物品や金銭の被害は生じていない事件では、病院の治療費や休業中の収入補償、精神的苦痛に対する慰謝料の支払いをもって被害弁償を果たしたと評価されます。

  2. (2)「示談」とは

    被害弁償と似ているのが「示談」です。示談とは、裁判外で加害者と被害者が話し合い、事件を解決することを意味します。

    示談と被害弁償の大きな違いは、被害者が加害者の処罰について意思を表明するところにあります。

    すでに被害弁償を受けており、被害が完全に回復したので加害者を厳しく罰する必要はないという意思を被害者が表明すれば「示談成立」です。

  3. (3)「供託」や「寄付」

    被害者への直接的な賠償や交渉ができないときは「供託」を考えることになります。また、供託と似た制度として「寄付」というものもあります。

    ● 供託
    被害者が被害弁償や示談を受け入れない場合は、弁償額に相当する金額を法務局に「供託」するという方法があります。直接被害者に被害弁償を果たしていなくても、供託すれば「金銭の支払い義務を果たした」という法的な効果が生じます

    ● 寄付
    被害者がどこの誰なのかもわからないといったケースでは被害弁償・示談・供託といった手段をとることができません。そこで、そのような場合に加害者が反省の意思を示す手段として「寄付」があります。
    加害者が反省の念を金銭に換えて、弁護士会や慈善団体などに寄付をすることで、有利な情状の一つとして考慮される可能性があります。反省の念をこめていることから「贖罪(しょくざい)寄付」ともいいます。

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2、被害弁償・示談の流れ

実際に被害弁償・示談を進める際の一般的な流れを確認していきます。

  1. (1)弁護士に交渉を依頼する

    被害弁償や示談は、あくまでも加害者と被害者との間で行われる民事的なやり取りです。つまり、原則として警察や検察官、裁判所が介入することはないので、進め方にルールは設けられていません。

    ただし、被害弁償・示談を安全に進めたうえで法的な効果をもたらすためには弁護士のアドバイスやサポートは欠かせません。まずは弁護士に相談し、詳しい状況を伝えたうえで被害弁償・示談の交渉を依頼しましょう

  2. (2)被害者の連絡先を入手する

    被害弁償・示談を進める際は、被害者に対して事前にその申し入れを行い、日時や場所を決める必要があります。そのためには、まず被害者の連絡先の入手が欠かせません。

    被害者と顔見知りの場合は特に問題なく連絡先を入手できるので、弁護士に伝えるだけで済みます。

    問題となるのは、被害者がどこの誰かもわからないといったケースです。たとえば、デパートで盗撮事件を起こした、繁華街で酔客とケンカして怪我を負わせる傷害事件を起こしたといったケースでは、被害者の連絡先を知っているのは警察・検察官といった捜査機関です。

    捜査機関に「被害者の連絡先を教えてほしい」と求めても、捜査上の都合や個人情報の保護を理由に断られてしまいます。ただし、弁護士が捜査機関に対して「被害弁償のために連絡先が必要」とはたらきかければ、被害者の承諾を取り付けたうえで連絡先が開示される可能性があります

  3. (3)示談交渉を進める

    連絡先を入手したら、被害者に連絡を取って示談交渉の日時・場所を設定します。代理人として弁護士が電話をかける流れが一般的ですが、住所しか入手できなかった場合は手紙や訪問によって連絡を取り付けるという流れも考えられるでしょう。

  4. (4)示談成立

    被害者に対して真摯に謝罪したうえで被害弁償を尽くす約束を交わし、条件を提示して被害者が合意すれば、実際に金銭を支払うなどして被害を弁償します。被害弁償と同時に、事前に作成した「示談書」に双方が署名・押印すれば示談成立です

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3、被害弁償・示談を行うべき理由

刑事事件をできる限り穏便な形で解決したいと望むなら、被害弁償・示談に力を尽くすことは加害者にとってプラスにはたらきます。

  1. (1)不起訴処分の可能性が高まる

    罪を犯して刑罰を科せられるのは、基本的には刑事裁判で有罪判決を受けた場合です。
    刑事裁判を提起する手続きを「起訴」といい、起訴の権限は検察官のみに与えられています。検察官が起訴・不起訴を判断する際には、加害者自身の生い立ちや性格、なぜ犯行に及んだのかといった事情が考慮されますが、その際に「被害弁償を尽くしているのか?」という点も重視されます。

    示談交渉を通じて真摯に謝罪し、被害弁償を尽くして被害者がこれを受け入れたという状況があれば、検察官が不起訴処分を下す可能性は大いに高まるでしょう

  2. (2)判決に執行猶予がつく可能性も高まる

    検察官による起訴が回避できない事件でも、被害弁償・示談を尽くしたといった事情は加害者にとって有利にはたらきます。刑事裁判において裁判官が刑の重さを決める際に、懲役や禁錮の期間が短くなったり、執行猶予がついたりする可能性も高まるでしょう

    懲役・禁錮に執行猶予がついた場合は、刑務所に収監されず社会生活を送りながら更生を目指すことが許されます。社会復帰を望むなら、執行猶予が付されたという結果は加害者にとって大きなプラスとなるでしょう。

  3. (3)民事事件としての解決にもつながる

    刑罰を受けても民事賠償の義務が免除されるわけではありません。刑事裁判で有罪判決を受けたあとで、さらに被害者から損害賠償請求の民事裁判を起こされてしまう可能性があります。被害弁償を果たし、示談の際に清算条項を入れておくことで、のちに民事訴訟を提起される事態の回避につながります

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4、被害弁償・示談交渉は弁護士に相談を

被害者に対する被害弁償や示談交渉を考えているなら、まずは弁護士への相談をおすすめします。

  1. (1)被害者とのやり取りはすべて弁護士が対応してくれる

    弁護士を代理人に選任すれば、以後の被害者とのやり取りはすべて弁護士が対応します。被害者との連絡や実際の交渉は弁護士に一任できるので、加害者本人やその家族の負担は大幅に軽減できるでしょう。

    被害者の多くは、加害者との接触を嫌う傾向があります。加害者の顔を見るだけでもつらい被害を思い出してしまう、謝罪されても許すつもりはないといった感情を抱えている相手と交渉を進めるのは容易ではありません。公平な第三者である弁護士が代理人として窓口の役目を務めることで、謝罪や示談交渉をかたくなに拒んでいる被害者の感情をやわらげる効果をもたらします。

  2. (2)早期の示談成立が期待できる

    刑事事件の解決にはスピード感をもった対応が欠かせません。逮捕・勾留により身柄を拘束されている場合、警察による逮捕から検察官の起訴までの期間は最長でも23日間です。検察官が起訴に踏み切るまでに示談を成立させなければなりませんが、事件の内容によっては23日間よりも早まるおそれもあるので、迅速な対応が求められます

    刑事事件の解決実績が豊富な弁護士なら、被害者との示談交渉を進めるためのノウハウを身につけています。早期の示談成立によるスピード解決を期待するなら、弁護士のサポートは必須です。

  3. (3)適正な弁償額や示談金額での解決が期待できる

    被害者のなかには、有利な立場であることを逆手にとって不適正なほど高額な被害弁償や示談金の支払いを求めてくる者もいます。「有利な処分を得るためには仕方がない」と考えて被害者の求めるままに金銭を支払っていると、大きな負担を抱えてしまう事態を招くでしょう。

    数多くの刑事事件を取り扱ってきた実績のある弁護士に被害弁償・示談を一任すれば、事件の内容や実際に生じた被害額に応じた適正な弁償額・示談金額での解決が期待できます。無用に重い負担を回避することは、事件後の生活の安定にもつながります。
    生活の安定が再犯の予防にもつながる可能性があるので、適正な弁償額・示談金額を支払うことが非常に大切です。

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5、まとめ

被害者に対して被害弁償・示談を尽くすことは、被害者に対する義務を果たすと同時に、加害者本人にとって有利な効果をもたらします。起訴の回避や刑罰の軽減といった効果を期待できるだけでなく、事件後に民事訴訟を起こされる危険も回避できるので、早急に被害弁償・示談に向けたアクションを起こしましょう。

ただし、加害者本人やその家族などによる対応では、被害者が相手にしてくれない、弁償額や示談金額をつり上げられて無用な負担を増大させてしまうといった危険があります。被害者に対する被害弁償や被害者との示談交渉は、刑事事件の解決実績が豊富なベリーベスト法律事務所におまかせください。

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本コラムを監修した弁護士
萩原 達也
ベリーベスト法律事務所
代表弁護士
弁護士会:
第一東京弁護士会

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※本コラムは公開日当時の内容です。
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