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弁護士コラム

2022年06月27日
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ネットの誹謗中傷で訴えられた際の法的責任は? 適切な対応法も解説

ネットの誹謗中傷で訴えられた際の法的責任は? 適切な対応法も解説
ネットの誹謗中傷で訴えられた際の法的責任は? 適切な対応法も解説

SNS・ネット掲示板・ブログなど、インターネット上での誹謗中傷にあたる行為をすると相手に訴えられてしまう危険があります。

逮捕や刑罰を受けたりといった事態を避けるためには、弁護士への依頼による早急な解決が欠かせません。

本コラムでは、ネット上の誹謗中傷で問われる責任や罪、被害者に訴えられてしまった場合の流れや弁護士に依頼した場合に期待できるサポートの内容を解説します。

1、誹謗中傷の定義

ネット上のトラブルが多くの人にとって身近な問題になったことで「誹謗中傷」という用語を耳にする機会も増えました。では「誹謗中傷」とはどのような意味をもつ用語なのでしょうか?

一般的な解釈と法的な解釈の違いや、紛らわしい「批判」「非難」との違いを確認しておきましょう。

  1. (1)「誹謗中傷」とは

    一般的に「他人の悪口を言う」ことを誹謗中傷だと考えている方も少なくないでしょう。「誹謗」とはまさに他人を悪く言う、そしる、といった意味をもっています。

    「中傷」とは、根拠のない情報を言いふらして他人の名誉を傷つける行為です。つまり、誹謗中傷とは「うそ・デマなどを用いて他人を悪く言う行為」だと解釈できます。

    ただし、法的な問題として扱うには「悪く言う」だけでは足りません。さらに「権利を侵害する」という角度からも見る必要があります。

    たとえば、他人の人格をあげつらうなどの単なる悪口では誹謗中傷とはいえません。悪口がほかの人の目にもとまるような方法で発信することで、相手のプライバシーや社会的・経済的な評価などの権利を侵害するという結果が生じてこそ、誹謗中傷が法律問題として扱われることになるのです。

  2. (2)誹謗中傷と「批判」の違い

    「批判」とは、相手の意見や主張の誤りについて根拠を示しながら論理的に指摘し、改善を求めるような行為を指します。建設的な論争なども批判に含まれると考えるのが妥当なので、誹謗中傷と比べるとネガティブな意味合いは濃くありません。

    ただし、他人の社会的・経済的な評価を下げるような表現を用いれば、違法な行為にあたってしまうこともあるので注意が必要です

  3. (3)誹謗中傷と「非難」の違い

    「非難」とは、他人の失敗・欠点などを取りざたして責める行為です。たとえ根拠にもとづく発言だったとしても攻撃的な意味合いが強いため、相手とのトラブルを招きやすいという特徴があります。

    誹謗中傷との境界は明確ではありませんが「根拠の有無」でおおむね仕分けることができるでしょう。なお、事実であっても他人の名誉を毀損したりすれば法的な責任を問われる可能性があるので注意が必要です。

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2、ネットで誹謗中傷するとどうなる?

SNS・ネット掲示板・ブログなど、ネット上での誹謗中傷があれば民事的な側面と刑事的な側面の両方で責任を追及されることになります。

  1. (1)相手から損害賠償請求を受けるおそれがある

    民法第709条は「故意または過失によって他人の権利または法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う」と明記しています。これが「不法行為責任」と呼ばれる規定で、損害賠償請求の根拠になっている条文です。

    誹謗中傷において「故意または過失」が問題となるケースはあまり考えられません。SNSなどで自ら進んで誹謗中傷にあたるコメントを投稿しているのだから、故意の認定は避けられないでしょう。

    問題となるのは「他人の権利または法律上保護される利益の侵害」です。たとえば、誹謗中傷によってビジネス用のアカウントが炎上し、風評被害によって顧客が離れてしまい利益を失う損害を与えたケースでは、損害賠償請求をされる危険があります。

    では、ビジネスに関係ないアカウントであれば問題にならないのかといえば、それは間違いです。プライバシーを明かされた、社会的名誉を傷つけられた、経済的な信用能力をおとしめられたといった結果が生じていれば、個人に対する権利侵害が発生しています。

    このようなケースでは、被害者が精神的苦痛に対する賠償として「慰謝料」の支払いを求める権利をもつため、損害賠償請求をされる危険があるのです

  2. (2)刑事告訴されて刑罰を受けるおそれがある

    ネット上での誹謗中傷を刑法の定めに照らすと、さまざまな犯罪が成立するおそれがあります。

    ● 名誉毀損罪(刑法第230条)
    公然と事実を摘示して、相手の社会的名誉を害した場合

    ● 侮辱罪(刑法第231条)
    事実の摘示がなくても、公然と相手を侮辱した場合

    ● 信用毀損罪・偽計業務妨害罪(刑法第233条)
    虚偽の風説または偽計を用いて、他人の経済的信用を害した、あるいは業務の遂行を妨害した場合

    ● 威力業務妨害罪(刑法第234条)
    威力を用いて他人の業務遂行を妨害した場合

    ● 脅迫罪(刑法第222条)
    生命・身体・自由・名誉・財産に対して危害を加える旨を告知した場合

    ● 強要罪(刑法第223条)
    生命・身体・自由・名誉・財産に対して危害を加える旨を告知して、相手に義務のないことをおこなわせた、または権利行使を妨害した場合


    被害者が刑事告訴に踏み切れば、警察・検察官による捜査を受けたうえで刑事裁判にかけられて厳しい刑罰が言い渡される危険があります。

    民事的な責任と刑事責任は別のものなので「どちらかを尽くせばもう一方は免除される」といったものではありません。被害者の意向次第ですが、民事・刑事の両方で責任を追及されるおそれもあると考えておくべきです。

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3、事例ごとの罪と罰則

誹謗中傷トラブルでどのような罪が適用されるのかを、事例に照らしながら見ていきましょう。

  1. (1)飲食店の口コミレビューで悪い評価を書き込む

    飲食店の口コミサイトなどにレビューを投稿する際は、実際に利用してみた個人の感想や評価をコメントとして投稿することになります。商品・サービスの品質が低ければ忌憚(きたん)ない感想を投稿することもあると思いますが、嫌がらせ目的の虚偽が含まれていれば経済的な信用能力をおとしめるため、信用毀損罪が成立する可能性があります。

    信用毀損罪の法定刑は3年以下の懲役または50万円以下の罰金です

  2. (2)SNSでデマを投稿する

    SNSで「地震で動物園のライオンが逃げた」などのデマを拡散した場合は、虚偽情報によって動物園の正常な業務遂行を妨害したとして、偽計業務妨害罪が成立する可能性があります。

    また、「爆弾を仕掛けた」とデマのメールを送ると、警備・警戒のために人員を割くことを余儀なくさせたとして、威力業務妨害罪が成立する可能性があります。

    どちらも法定刑は3年以下の懲役または50万円以下の罰金です

  3. (3)元交際相手の性的な画像を投稿する

    破局した腹いせに元交際相手の性的な画像をネット掲示板などに投稿する、いわゆる「リベンジポルノ」にあたる行為は、リベンジポルノ被害防止法の「私事性的画像記録公表罪」にあたります。

    法定刑は3年以下の懲役または50万円以下の罰金です

  4. (4)個人に対して誹謗中傷する

    個人に対する誹謗中傷の多くは、名誉毀損罪あるいは侮辱罪が適用されます。ここで注意すべきは、一般個人だけでなく有名人・著名人・芸能人なども保護の対象となることがあるという点です。

    有名人などに関する書き込みや投稿が適法となるのは、その内容が真実であり、さらに「公益目的」がある場合に限られます。たとえば、政治家のスキャンダルは、多くの有権者が興味を示す関心事であるため、情報が真実であれば処罰されません。

    一方で、嫌がらせや仕返しなどの目的で個人が知られたくない情報や口外されれば社会的評価をおとしめる情報を書き込めば、たとえ真実であっても犯罪の成立は免れないでしょう。

    名誉毀損罪の法定刑は3年以下の懲役もしくは禁錮または50万円以下の罰金、侮辱罪の法定刑は拘留または科料です

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4、誹謗中傷で訴えられた場合の流れ

誹謗中傷の相手から「訴える」と言われた場合は、その後どのような流れで責任を追及されるのでしょうか?

  1. (1)民事上の損害賠償請求の流れ

    民事上の損害賠償請求について「直ちに裁判になる」と考えるのは正確ではありません

    まずは個人間の請求がおこなわれたのち、話し合いによっても解決できなければ裁判所の調停へと移行し、それでも解決できなければ訴訟になるのが一般的な流れです。

    なお、訴訟では、被害者=訴える人を原告、加害者=訴えられる人を被告として手続きが進みます。

    訴訟になると、原告の主張が示された訴状の控えが郵送されるので、被告側の主張を答弁書に記して返送します。答弁書を返送する際には、被告側の主張を示す具体的な証拠書類も添えます。

    その後、期日がおとずれると第1回の口頭弁論が開かれ、数回の審理を経て判決が言い渡されます。

  2. (2)刑事告訴の流れ

    被害者=告訴人が警察に告訴状を提出するなどにより、警察の捜査がはじまります

    捜査機関において「逃亡または証拠隠滅を図るおそれがある」と判断されれば、逮捕による身柄拘束を受けたうえで、検察官への送致、検察官による起訴を経て刑事裁判へと移行し、刑罰が下されることになるでしょう。

    また、逃亡・証拠隠滅のおそれはないと判断されても、任意の在宅事件として捜査を受けたのち、送致・起訴を経て刑事裁判へと移行します。

    逮捕された事件と在宅事件の間には、身柄拘束の有無という違いがあるだけです。どちらの罪が重い・軽いといった区別はないので、在宅事件になったとしても厳しい刑罰が言い渡されてしまう危険があります。

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5、訴えられた場合の対応方法

誹謗中傷について相手から訴えられた場合は、どのような責任を追及されているのかによって必要な対応が変わります。民事的な損害賠償請求を受けている場合は、相手の請求額が妥当なのか、減額できる要素はないのかを検討する必要があります。

訴訟になれば解決までに時間がかかってしまうため、示談による和解を目指すべきなのか、それとも過大な請求を受けており相手が譲歩しないので裁判官の判断を仰ぐべきなのかといった判断が求められるでしょう。法的な知識や経験がない個人で対応するのは難しいので、弁護士への相談が必要です

刑事告訴を受けた場合は、放置すれば逮捕や刑罰といった不利益を受けるおそれがあります。早急に被害者との示談交渉を進めて、真摯(しんし)に謝罪したうえで慰謝料の支払いやコメントの削除を誓約し、刑事告訴の取り下げを求めるのが最優先です。

名誉毀損罪や侮辱罪は、被害者の告訴がなければ検察官が起訴できない「親告罪」にあたります。示談が成立し、刑事告訴が取り下げられれば必ず不起訴処分となるため、刑罰を受ける危険を回避できます

また、親告罪にあたらない事件でも、示談が成立していることで加害者にとって有利な情状となり、執行猶予付き判決や罰金が言い渡される可能性が高まります。

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6、ネット誹謗中傷で訴えられたときに弁護士に依頼する意義

誹謗中傷の加害者がトラブルを穏便に解決できるもっとも現実的な方法は「被害者との示談交渉」です。民事的な責任を尽くしたうえで刑事責任も回避できるので、示談成立によって得られる利益は計り知れません。

ただし、被害者との示談交渉は被害者が感情的になって冷静な話し合いができない等の理由で難航をきわめる場合もあります。

このような場合でも、弁護士であれば、被害者の感情に配慮しながら、法的な観点から冷静な話し合いを進めることができることもあります

また、弁護士が示談交渉を行うときには、同じような事例に照らして適切な慰謝料額での和解が期待できます。当事者同士で顔をつきあわせる状況では、特に被害者が感情的になりやすいので、弁護士による交渉が安全です。

示談交渉の経験が豊富な弁護士に対応を一任することで、漏れのない示談書の作成も期待できます。特に「刑事告訴の取り下げ」や「今後の賠償請求をしない」といった清算条項の記載に漏れがあると、せっかく示談が成立しても無意味になってしまうおそれがあるので、示談書の作成も含めて対応を任せましょう。

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7、まとめ

ネット上での誹謗中傷で相手から「訴える」と言われた場合は、慰謝料を含めた損害賠償請求や刑事告訴を受ける危険があります。捜査機関や裁判所が動き出してからでは穏便な解決が難しくなるので、できるだけ早い段階で対策を講じることが大切です

SNS・ネット掲示板・ブログへのコメントが誹謗中傷にあたると指摘されてトラブルになった場合は、直ちにネットトラブルや刑事事件の解決実績が豊富なベリーベスト法律事務所にご相談ください。

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監修者
萩原 達也
弁護士会:
第一東京弁護士会
登録番号:
29985

ベリーベスト法律事務所は、北海道から沖縄まで展開する大規模法律事務所です。
当事務所では、元検事を中心とした刑事専門チームを組成しております。財産事件、性犯罪事件、暴力事件、少年事件など、刑事事件でお困りの場合はぜひご相談ください。

※本コラムは公開日当時の内容です。
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