- 財産事件
- 万引き
- 逮捕
- 23日間
万引きによる逮捕勾留は最大23日間拘束! 逮捕後の流れと家族がすべきこと
万引きは比較的軽微な犯罪であると思われがちですが、れっきとした刑法犯です。容疑をかけられ、窃盗罪で有罪判決を受ければ、10年以下の懲役刑もしくは50万円以下の罰金刑が科されます。
被疑者として逮捕されると刑事事件として処理されるため、最大23日間身柄が拘束されます。その間、ご家族であっても自由に面会することは難しい状況です。
今回は、ご家族が万引きを起こして逮捕された場合に、どのような流れで取り調べが行われるか、取り調べのルールなどについてご説明します。万引き事件がスムーズな解決に至るかどうかは、時間との戦いでもあります。できるだけ早く通常の生活に戻るために、ご家族がすべきことについても知っておきましょう。
1、万引きで逮捕されたあとの流れ
万引きで逮捕されたあとの流れについてみていきましょう。
-
(1)逮捕
万引きの場合、万引きの現場を店員や警備員などに見つかり、警察を呼ばれて逮捕される現行犯逮捕がほとんどです。しかし万引きが繰り返されることから店側が被害届を提出して捜査が開始され、防犯カメラの映像などから個人が特定され、後日、逮捕状をもって通常逮捕される可能性もゼロではありません。
-
(2)取り調べ
逮捕されると行われるのが、被疑者の取り調べです。最初に指紋採取と写真撮影が行われます。そのあと取り調べが行われ、逮捕から48時間以内に以下のいずれかが、警察官によって判断されます。
- 微罪処分扱いにて釈放
- 検察に送致
-
(3)送致
引き続き捜査が必要と判断され、検察に送致された場合は、検察官による取り調べが行われます。検察に送致され24時間以内に以下のいずれかが判断されます。
- 釈放(在宅捜査)
- 勾留請求
在宅捜査は勾留が不要と判断された場合に釈放されることですが、それでも不起訴になるとは限りません。あくまでも身柄を拘束する必要がないと判断されたにすぎませんので、在宅のまま捜査は続けられます。 -
(4)勾留
勾留とは、引き続き身柄を拘束することを指し、勾留請求が認められれば原則10日間、拘束されます。勾留はさらに10日間の延長が可能であるため、拘束状態が最大20日間続く可能性があります。証拠隠滅をはかる可能性がある、逃亡の恐れがある、期限までに起訴すべきか否かの判断ができない場合などに勾留請求の延長が行われます。
-
(5)起訴・不起訴
勾留されている間に、検察によって起訴・不起訴の判断が下されます。
起訴されると、その後の裁判により有罪・無罪の判決が出ますが、起訴されると有罪判決が下る可能性がかなり高くなります。
不起訴処分となれば、身柄は解放されます。もちろん前科もつきません。
他の電話対応中の場合、取次ぎまで時間がかかる場合があります
被害者の方からのご相談は有料となります メールでのお問い合わせ
2、被疑者取り調べのルールについて
被疑者の取り調べについて、厳しい取り調べで体調を崩す、無理やり自白させられるといった事例があったことから、問題視されていました。
そこで被疑者の取り調べには、「警察捜査における取調べ適正化指針」に一定のルールが設けられています。
被疑者には黙秘権が認められています。しかし取り調べには応じなくてはいけません。明確に法律で定められているわけではありませんが、刑事訴訟法198条1項によって受忍義務があると解釈されています。
ただし、昼夜問わず長時間の取り調べを行うことによって、無実であるにも関わらず罪を認めるような発言をしてしまうことを避けるため、指針によって、取り調べ時間は原則1日8時間以内と定められています。また基本的には朝5時~夜10時までの間に行われます。ただし、前述した通り、警察では48時間以内に送致するかどうかの決定、検察では24時間以内に勾留請求するかどうかの判断を下すという期限は変わりません。そこで、逮捕された時間などによっては上記の時間以外に取り調べが行われることもあります。
警察によって取り調べが行われたあと、微罪処分となり釈放されることもあります。微罪処分にするかどうかの判断は警察が行います。基準として、初犯であることや犯行が悪質でないこと、万引きによる被害額が少ないこと、被害者が処罰を望んでいない場合などが該当します。これに加え、逃亡の恐れがないこと、身元引受人がいることが基本的に必要とされます。
他の電話対応中の場合、取次ぎまで時間がかかる場合があります
被害者の方からのご相談は有料となります メールでのお問い合わせ
3、家族が逮捕されたらまず何をするべきか?
ご家族が万引きで逮捕されてしまった場合、何をするべきなのかについて整理していきましょう。
まずは本当に万引きをしたのかという事実確認をすることです。ただし、逮捕されてしまったあとの72時間はご家族であっても自由に面会を許されていません。そのため、確認しようにも難しいのが現実です。
弁護士であれば自由に接触することが可能です。そこで事実確認依頼を含め、なるべく早く弁護士に相談することが大切です。
ご家族としては、今後の流れや今回の事件の見通しなどについて見解を聞くことができます。逮捕されたご家族の状態について弁護士を通して知ることも可能です。被疑者においても、取り調べにどのように応じるべきかなどのアドバイスをもらえるので、非常に心強いことでしょう。
できるだけ早く身柄を解放されるため、被害者との示談の準備も大切です。被害金の弁済や万引きをした店舗との示談交渉などは弁護士に依頼することが可能です。
他の電話対応中の場合、取次ぎまで時間がかかる場合があります
被害者の方からのご相談は有料となります メールでのお問い合わせ
4、示談は早期釈放につながる可能性がある
示談成立は、その事件が被害者と加害者の間で解決したという判断材料のひとつとなるため、万引き事件においても非常に重要です。被害者の処罰感情が弱まり、事件が解決したのであれば、これ以上捜査機関での取り調べや身柄を拘束する必要もないと判断され、早期釈放につながる可能性があります。
前述した通り、万引きであっても、他の刑事事件で逮捕勾留されるのと同様に、最大23日間も身柄が拘束されます。月の半分以上も会社に行けない、学校に行けないということになれば、職場や学校に対し、万引きで逮捕されている事実を告げなければいけなくなる可能性が高くなるでしょう。いずれにしてもマイナスの影響を与えてしまうことは避けられません。そのため、将来への影響を避けるためにも、できるだけ早くに示談交渉を行うことが大切となります。
起訴前に示談交渉を行い示談が成立した場合は、不起訴処分となる可能性が高くなります。たとえ成立のタイミングが起訴後であっても、窃盗罪の量刑を決定づける際に有利に働く可能性が高まります。つまり示談交渉を行っておいて損はないのです。
しかし、示談交渉が早期釈放、不起訴を勝ち取るためにも重要だとはいえ、当事者のみで行うのは難しいものです。ご家族が被害者のところに出向いて代わりに謝罪し、示談交渉を申し出たとしても、必ずしも被害者にスムーズに受け入れてもらえるとは限りません。そこで、第三者である弁護士に依頼し、示談交渉を行ってもらうのが賢明でしょう。
他の電話対応中の場合、取次ぎまで時間がかかる場合があります
被害者の方からのご相談は有料となります メールでのお問い合わせ
5、まとめ
たかが万引きと思っても、窃盗罪として有罪になれば懲役刑や罰金刑を科され、前科がついてしまいます。逮捕されると最大で23日間も身柄が拘束されることから、社会生活に影響することも懸念されます。そこで欠かせないのが被害者との間で示談を成立させることです。示談が成立する時期が早いほど身柄を拘束される期間も短くなり、不起訴となり前科を避けることにもつながります。
ベリーベスト法律事務所の弁護士は万引きなどの刑事事件弁護の豊富な経験を生かし、できるだけ社会生活に影響がないように早期釈放を目指します。ご家族が万引きで逮捕されてお困りであれば、できるだけお早めにご相談ください。
他の電話対応中の場合、取次ぎまで時間がかかる場合があります
被害者の方からのご相談は有料となります メールでのお問い合わせ
ベリーベスト法律事務所は、北海道から沖縄まで展開する大規模法律事務所です。
当事務所では、元検事を中心とした刑事専門チームを組成しております。財産事件、性犯罪事件、暴力事件、少年事件など、刑事事件でお困りの場合はぜひご相談ください。
※本コラムは公開日当時の内容です。
刑事事件問題でお困りの場合は、ベリーベスト法律事務所へお気軽にお問い合わせください。