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弁護士コラム

2020年08月20日
  • 暴力事件
  • 恐喝
  • 起訴率

恐喝事件における起訴率はどのくらい? 逮捕されたら起訴される?

恐喝事件における起訴率はどのくらい? 逮捕されたら起訴される?
恐喝事件における起訴率はどのくらい? 逮捕されたら起訴される?

恐喝事件といえば、こわもての犯人が強く脅すような事件をイメージする方が多いはずです。

令和2年6月には、富山市内で被害者に対して「殺すぞ」などと脅して金銭を要求した暴力団組長の男が逮捕される事件が起きましたが、このような事件が典型的なケースとして思い浮かべるはずです。

ところが、法律で定められた「恐喝罪」は、このようなケースだけを処罰するのではありません。いわゆる「カツアゲ」行為も処罰の対象となるほか、自分では正当な金品の請求だと思っていてもその方法や交渉の経緯によっては恐喝罪が成立する場合もあります。

このコラムでは、恐喝罪の逮捕率や起訴率、初犯の場合の量刑や恐喝罪に似ている犯罪などについて解説します。

1、恐喝罪の定義

刑法第249条は「人を恐喝して財物を交付させた」場合に恐喝罪で処罰する旨を明記しています。一定の要件を満たしていれば逮捕され、刑事裁判で有罪判決を受ければ刑罰が下されます。

  1. (1)恐喝罪にあたる行為

    冒頭で挙げた事例のように「殺すぞ」といって金銭を要求したケースや、他人が秘密にしている事実を指して「バラされたくなかったら口止め料を支払え」と金品を要求するケースが代表的です。また「殴られたくなかったらお金を渡せ」と要求する、いわゆる「カツアゲ」行為も、法律に照らせば恐喝罪に該当します。

  2. (2)恐喝罪の成立要件

    恐喝罪が成立するのかを判断する要素として、次の4点が挙げられます。


    • 暴行・脅迫を用いたこと
    • 被害者が畏怖の感情を抱いたこと
    • 畏怖の感情に基づいて被害者が財物を処分したこと
    • 財物が加害者または第三者の手に渡ったこと


    これを典型的な恐喝事件のケースに当てはめてみましょう。
    まず、加害者が被害者に対して「殺すぞ」などと脅したり「言うことを聞かないともっと痛い目に遭うぞ」などといって顔面を殴ったりすれば、暴行・脅迫が成立します。さらに、これらの暴行・脅迫に対して被害者が「言うことを聞かないと危害を加えられる」と恐怖すれば「畏怖の感情」を抱くことになります。畏怖の感情によって「お金を支払うしかない」と決心し、加害者にお金を渡します。これで加害者の手にお金が渡れば、恐喝罪が成立します。
    もし財物の処分や移動がなかった場合は、恐喝未遂となります。

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2、恐喝事件の逮捕率と起訴率

恐喝事件を起こしてしまった場合に警察に逮捕されるのか、検察官に起訴されてしまうのかは、加害者となってしまった方にとって非常に気になるところです。

法務省が公表している犯罪白書によると、平成30年中に認知された恐喝事件の総数は2417件で、警察・検察庁に逮捕された事件は1904件でした。そのうち12件は警察による逮捕後すぐに釈放されていますが、逮捕率は78.3%となっています。
さらに、検察統計調査によると、同年度の恐喝事件では583件が起訴されており、起訴率は30.2%です。

恐喝事件は、警察が認知すると高い割合で逮捕されてしまうという特徴があります。ただし、起訴率はさほど高くはなく、逮捕されたからといって確実に起訴されて刑罰を受けるとはいえないようです。

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3、初犯の場合はどうなる? 恐喝罪で下される刑罰

恐喝事件を起こしても、初犯の場合は刑罰が軽くなる可能性があります。ただし「初犯だから必ず軽減される」というものではありませんので注意しましょう。

  1. (1)恐喝罪の刑罰内容

    恐喝罪の法定刑は「10年以下の懲役」です。ここで注目すべきは、恐喝罪は懲役刑しか用意されていない犯罪だということでしょう。罰金刑で済まされる可能性は一切ないので、有罪判決を受けてしまえば確実に懲役刑が下されます。

    この事実は、初犯でも常習犯でもかわりがありません。初犯でも懲役刑が下され、場合によっては実刑判決を受けるおそれがあることをおぼえておきましょう。

  2. (2)量刑の判断内容

    法定刑の範囲で実際に下される処分のことを「量刑」といいます。恐喝罪の場合は、最短で1か月、最長で10年の懲役刑が下されることになります。1か月と10年とでは大きな差があるので、加害者となった立場からみれば「できる限り軽い処分で」と期待するのが当然でしょう。

    実際の刑事裁判では、次のような要素が量刑判断を左右します。


    • 犯行の悪質性
    • 被害金額の大小
    • 加害者本人の反省の度合い
    • 被害者への謝罪の有無


    このほか、加害者の前科前歴も大きな判断材料となります。とはいえ、犯行態様が悪質だったり、加害者本人が反省していなかったりすれば、初犯でも執行猶予がつかず実刑判決が下されてしまうおそれがあります。

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4、恐喝罪と似ている犯罪とその違いとは?

恐喝罪は、行為にわずかにでも差があるだけで別の犯罪へと変化する可能性があります。

  1. (1)暴行の悪質性が高いと強盗罪

    暴行の度合いが強く、被害者に財物を「差し出させる」のではなく強引に「奪った」と評価される場合は、刑法第236条の強盗罪になります。
    法定刑は「5年以上の懲役」なので最長で20年の懲役が科せられることになることに加えて、悪質性が高いと判断されやすいため、恐喝罪よりも重い処分が下される可能性が高いでしょう。

  2. (2)義務にない行為を強いると強要罪

    暴行・脅迫を用いて「義務のない行為」をおこなわせると、刑法第223条の強要罪が成立します。恐喝罪の構成要件と比べると、財物が目的なのか、それとも何らかの義務のない行為をさせることが目的なのかの違いがあります。
    法定刑は「3年以下の懲役」です。恐喝罪よりも軽い処分が規定されています。最長でも3年の懲役なので、執行猶予がつきやすいという面も大きな差となるでしょう。

  3. (3)脅す行為だけなら脅迫罪

    金銭などの要求がないケースでも、被害者に危害を加えることを伝えて脅迫すれば刑法第222条の脅迫罪が成立します。金銭などの要求がないため、恐喝罪よりも軽い「2年以下の懲役または30万円以下の罰金」が規定されています。

    被害者が脅迫に屈せず金銭などを差し出さなかった場合は、脅迫罪ではなく恐喝未遂となり、恐喝罪に規定されている刑罰が下されます。

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5、恐喝事件での弁護活動の内容

家族が恐喝事件の加害者となってしまった場合は、直ちに弁護士に相談しましょう。

警察に逮捕されてしまうと、逮捕から72時間以内はたとえ家族でも面会ができません。警察官・検察官の取り調べに対するアドバイスや、留置場での処遇への抗議、加害者への精神的なサポートができるのは弁護士だけです。

また、逮捕後は身柄の早期釈放を目指した弁護活動も期待できます。逃亡・証拠隠滅のおそれといった要件を否定して勾留の必要性がないことを主張する、勾留されてしまった場合は勾留理由開示請求や勾留取り消し請求などの対応が可能です。
残された家族が個人で対抗するのは現実的に不可能に近いので、弁護士のサポートを欠かすことはできません。

さらに、恐喝罪の量刑判断のうち非常に重要となる被害者との示談交渉では、弁護士が加害者の代理人となってスムーズな交渉を進めます。恐喝事件の被害者は、加害者本人やその家族との接触を強く嫌う傾向があります。示談交渉のテーブルにさえついてもらえないケースも少なくありません。公正な第三者として弁護士が対応するのが賢明でしょう。

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6、まとめ

恐喝事件を起こして有罪判決を受けてしまえば、最長で10年の懲役という重い刑罰が科せられます。初犯であることは量刑判断において有利となり刑罰を減軽するひとつの要素になりますが「必ず執行猶予がつく」というものではありません。
とはいえ、起訴率の面からみれば恐喝事件で起訴されるおそれはほかの犯罪事件と比べて決して高いとはいえないでしょう。
適切なタイミングで弁護士による弁護活動を尽くすことができれば、不起訴処分や執行猶予、刑罰の減軽も期待できます。家族が恐喝事件の加害者となり悩んでいる場合は、ベリーベスト法律事務所にご相談ください。

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本コラムを監修した弁護士
萩原 達也
ベリーベスト法律事務所
代表弁護士
弁護士会:
第一東京弁護士会

ベリーベスト法律事務所は、北海道から沖縄まで展開する大規模法律事務所です。
当事務所では、元検事を中心とした刑事専門チームを組成しております。財産事件、性犯罪事件、暴力事件、少年事件など、刑事事件でお困りの場合はぜひご相談ください。

※本コラムは公開日当時の内容です。
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