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弁護士コラム

2019年12月23日
  • 少年事件
  • 盗撮
  • 慰謝料

未成年の子どもが盗撮!親だからこそ知りたい、慰謝料を払う義務と理由は

未成年の子どもが盗撮!親だからこそ知りたい、慰謝料を払う義務と理由は
未成年の子どもが盗撮!親だからこそ知りたい、慰謝料を払う義務と理由は

総務省が公表している平成27年版の犯罪白書によると、平成26年度における迷惑防止条例違反の盗撮事犯による検挙数は3265件あったことがわかっています。スマートフォンやカメラ付携帯電話による犯行が70.9%を占めていることから、気軽に犯行に及んでしまうケースが少なくないのかもしれません。

では、未成年の少年が盗撮事件を起こしてしまった場合、親の立場としては刑罰や処分などが心配になるのは当然のことです。さらには「慰謝料」の問題も気になるのではないでしょうか。わが子が加害者として盗撮事件を起こした場合、親が慰謝料を支払う義務を負うのでしょうか? ベリーベスト法律事務所の弁護士が解説します。

1、盗撮事件の慰謝料

盗撮事件を起こしてしまうと、被害者側から慰謝料の支払いを求められることがあります。また、相手からの請求がない場合も、加害者側から慰謝料を提示してトラブルの解決を目指すケースもあります。

盗撮事件における慰謝料とは、被害者が被った精神的苦痛に対する賠償を果たすはたらきがあります。民法上、慰謝料の支払いによって「精神的苦痛を賠償した」と評価されるためです。盗撮事件の被害者には、精神的苦痛のほかにも損害を主張できる材料があります。たとえば次のような損害を主張されるケースが考えられます。

  • 盗撮被害を受けたショックで休業を余儀なくされた
  • メンタルクリニックを受診したので通院治療費が発生した
  • 被害現場を避けるために通勤経路を変更し交通費が増えた

慰謝料の支払いが完了すれば、被害者・加害者の双方が「精神的苦痛に関しては金銭で解決した」ことに納得したのと同意義であるとみなされる効果があります。

慰謝料の金額は、被害者・加害者の双方が納得する範囲で決定するため、特段の定めはありません。一般的には被害の程度が軽微であれば少額に、重大であれば高額になりますが、盗撮事件は行為が軽微でも被害者に大きな心の傷を与えてしまうおそれがあります。

なお、以下のようなケースでは、被害が大きく犯行内容が悪質であるとみなされるため、慰謝料が高額になると考えられるでしょう

  • 盗撮した画像や映像がインターネット上にアップロードされて広く拡散された
  • 販売目的の盗撮であった
  • 被害者が児童だった

加害者が成人であれば、取り調べを受けたのち、罰金刑などの処罰が下される可能性があります。たとえ処罰が下され罰金を支払ったとしても、加害者が未成年者であっても、以下のようなケースであれば、警察や検察、裁判所による処分が完了したのちであっても、被害者側から損害賠償請求の訴訟を提起されるおそれがあります。

  • 支払いができなかった
  • そもそも示談を行わなかった

場合によっては、裁判所の手続きによって慰謝料の支払いを命じられ、強制執行による財産や給与の差し押さえをされてしまう可能性があることを知っておきましょう。

多くの場合、被害者側としては、事件を早く忘れるためにも「一括で支払ってほしい」と考えるものです。しかし、まとまった慰謝料を用意できないケースは少なくありません。十分な支払い能力がない場合は、被害者側との話し合いを重ねて、分割払いの約束を取り付ける必要があります。

単に「お金がないから」と説明するだけでは被害者側も納得できないでしょう。給与額や預金残高などの具体的な資料を明示して、誠実に説得を尽くすべきです。

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2、盗撮において慰謝料を支払えば示談が成立する?

慰謝料の支払いには「精神的苦痛に関して金銭で解決した」という双方の合意を示す能力があります。ただし、慰謝料さえ支払っていれば盗撮事件が解決するわけではありません。

  1. (1)慰謝料と示談金の違い

    慰謝料と示談金は「加害者から被害者に支払われる金銭」という意味で同じもののように感じられるかもしれません。しかし、実は異なった趣旨のものです。慰謝料は「精神的苦痛に対する賠償金」ですが、示談金は先ほどの精神的苦痛以外の治療費等の損害も含めて、「示談に合意してもらうための差し出し金」という意味あいが強くなります。なぜなら、刑事事件における示談では、加害者側は被害者に対して、被害届の取り下げや処罰を望まないなどの意見を警察や検察、裁判所などに出してもらうようお願いすることが多いためです。

    これらの損害部分も含めて、示談に合意してもらうために差し出すものが示談金です。お金のほかに、犯行場所近辺に近寄らないようにするなどの約束を提示される可能性もあります。

    示談を成立させるには精神的苦痛に対する損害賠償としての慰謝料が含まれるため、大きく見れば「慰謝料は示談金の一部」だと考えられます。

    盗撮事件を解決するには、慰謝料の支払いだけでなく、示談金の支払いをもって示談を成立させる必要があるわけです。

  2. (2)示談金を受け取らないケースもある

    盗撮事件の加害者としては、示談金の支払いによって刑事責任を回避したいと考えるものです。ところが、被害者が示談金を受け取らないというケースも存在します。

    • 金銭での解決は望まないので刑罰を受けてほしい
    • 提示された示談金の金額や条件に納得ができない

    このようなケースでは、示談による解決が難航してしまいます。加害者が直接交渉をするのでは被害者の理解を得られない場面が多いうえ、そもそも盗撮事犯の場合、被害者の個人情報を加害者が知らないケースが圧倒的多数です。もちろん捜査機関や裁判所は、被害者の個人情報を加害者に伝えることはありません。そのため、弁護士に示談交渉を依頼するのが賢明でしょう。弁護士であれば、加害者の代理人として被害者との交渉ができる可能性があります。

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3、未成年が起こした盗撮事件の慰謝料

では、盗撮事件の加害者が未成年の少年であった場合は、同じように刑罰が下されるのでしょうか? 少年が起こした盗撮事件の慰謝料は誰が支払うことになるのでしょう?

  1. (1)盗撮事件を起こした少年の刑事責任

    盗撮事件の加害者が未成年の少年(法律上の「少年」には男女の区別はありません)である場合、成人と同様に刑罰が下されるわけではありません。適用される法律は同じですが、少年の場合は「刑罰を下す」のではなく「少年を更生させる」という目的で処分が下されます。

    ただし、14歳以上の少年の場合、捜査の必要性によっては逮捕されることがあります。少年が盗撮事件で逮捕された場合、成人とほとんど同じ流れで手続きが進みます。警察での逮捕後48時間以内に検察庁に送致され、引き続き身柄拘束の必要があれば送致から24時間以内に勾留が請求されます。この間、家族や友人などとの面会が制限されるケースがほとんどです。

    勾留が決定すると、最長で20日間、警察署の留置施設に身柄が置かれますが、少年の場合は勾留に代わって少年鑑別所などにおける観護措置に代えられることがあります。

    勾留が満期を迎える、もしくは取り調べが完了すると、検察から家庭裁判所に送致され、裁判官が少年の処分を決定します。成人の場合、検察官の段階で起訴・不起訴を決定しますが、少年の場合は一度家庭裁判所の裁判官に判断が委ねられるという違いがあります。

    家庭裁判所は、「審判」によって少年の処分を決定します。親などの指導によって十分に更生が可能な場合は不処分や審判不開始が期待できますが、更生のために援助が必要だと判断されれば保護観察・少年院送致などの保護処分が下されるおそれがあるでしょう。また、成人同様の刑事処分を科すことが適切である判断された場合には、検察官に送致(逆送)され、罰金刑等が科される可能性もあります。

  2. (2)慰謝料の支払い責任は誰にあるのか?

    少年が盗撮事件を起こした場合、基本的には少年自身に慰謝料の支払い義務が発生します。学生・生徒であれば、基本的には無収入なので責任能力がないように思われがちですが、民法では「自分の行為の責任を弁識するに足りる能力を備えていない者」でない限り、支払いの義務を負います。

    一般論としては12~13歳程度までがこれに該当するため、盗撮事件を起こした少年自身に慰謝料の支払い義務がないケースは少ないでしょう。とはいえ、学生・生徒など無収入の少年自身が慰謝料の支払いに応じられるケースもまたまれです。多くの場合は、資力のない少年に代わって親が弁済することになります。

    少年事件は、すべての事件を家庭裁判所に送致する「全件送致主義」が採用されているため、成人事件のように、示談によって事件化を回避することはできません。ただし、審判において反省の程度を判断する材料にもなるので、慰謝料の支払いを含めた示談の成立は重要です。信頼できる弁護士に依頼して、早急に示談の成立を目指しましょう。

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4、盗撮事件で示談金交渉をするときのポイント

少年が盗撮事件を起こしてしまった場合、できるだけ素早い示談成立を目指しましょう。

成人事件では示談成立が起訴・不起訴処分や量刑の決定に大きな影響を与えますが、少年事件では全件送致主義が採用されているため家庭裁判所送致は免れません。「少年事件は示談をしても意味がない」と考えられがちですが、その考え方は間違いです。実際、少年事件の段階では、弁護士が入らず示談等もなされなかった結果、被害者から損害賠償されたケースもあります。

少年自らが起こしてしまった犯罪について、被害者との示談交渉で罪と向き合い、真剣に反省している姿勢が評価されれば、家庭裁判所の審判でも「更生が期待できる」と判断されやすくなります。
また、逮捕されている場合は、示談成立によって被害者の処罰感情が薄れたと評価され、早期釈放にもつながります。

盗撮事件の示談金を交渉する場合は、弁護士に相談してサポートを受けるのが賢明でしょう。弁護士は、盗撮事件をはじめとした刑事事件において、加害者が過剰な処罰を受けないよう行動します。盗撮事件の被害者の心理や示談の進め方を熟知しているだけでなく、事件内容に照らした示談金の相場にも明るいので、法外な示談金を請求されるリスクが避けられます。また、被害者としても、弁護士であれば安心して示談交渉できるという心理があるため、弁護士のサポートは必須でしょう。

少年が逮捕されている場合、前述のとおり、たとえ家族であっても接見が認められていない限り面会はできません。特に、逮捕直後の72時間は面会が不能となりますが、この間でも弁護士であれば接見できるため、少年の様子を知り、精神的なサポートが可能となります。示談交渉のうえで必要な少年自身の反省を促すためにも有効なので、まずは弁護士に相談してアドバイスを受けましょう。

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5、まとめ

盗撮事件は被害者の感情によって処分の軽重が左右されることが多いものです。したがって、早急に示談交渉や、更生を促すための準備を進める必要があります。示談が成立すれば、少年に対する処分が軽くなる期待も高まるため、少年の将来が心配であれば早急に示談交渉を進めるべきだといえます。

ベリーベスト法律事務所では、盗撮事件の解決を目指して弁護士が徹底的にサポートします。ご家族が盗撮事件の加害者になってしまった場合は、まずはお気軽に、ベリーベスト法律事務所までご相談ください。慰謝料の支払いを含めた示談交渉を進めることで、重たい処分を回避し、素早い社会復帰を全力で目指します。

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本コラムを監修した弁護士
萩原 達也
ベリーベスト法律事務所
代表弁護士
弁護士会:
第一東京弁護士会

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※本コラムは公開日当時の内容です。
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