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弁護士コラム

2022年05月31日
  • その他
  • 勾留満期
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勾留満期日でも連絡は来ない? 被疑者の家族が状況を知る方法とは

勾留満期日でも連絡は来ない? 被疑者の家族が状況を知る方法とは
勾留満期日でも連絡は来ない? 被疑者の家族が状況を知る方法とは

犯罪の被疑者として「勾留」されてしまうと、自宅へ帰ることも、仕事に行くことも許されません。残された家族としては「いつ釈放されるのか?」と強い不安を感じるでしょう。

また、勾留には期限がありますが、勾留が満期になると必ず釈放されるのか、そのまま延長されるのか、勾留満期よりも前に釈放される可能性はないのかといった疑問を感じる方も多いはずです。なかには、勾留満期日が到来したにもかかわらず本人からなんの連絡もなく、どういう状況なのか分からず困っている方もいるでしょう。

本コラムでは「勾留」について、特に残された家族の方が状況を知るための方法を中心に解説していきます。

1、釈放のタイミングは勾留満期日だけではない

「勾留」は、検察官からの請求を受けた裁判官が許可した場合に、犯罪の嫌疑をかけられている人の身柄を拘束する処分のひとつです。身柄拘束の手続きとしてもっともイメージしやすいのは「逮捕」ですが、実は逮捕による身柄拘束の限界は短く、その後の長期にわたる身柄拘束は勾留によって行われます

そうであるとすれば、身柄拘束からの釈放は勾留の効力が限界を迎える日、つまり「勾留満期日」になると考えることになりますが、刑事事件の流れをみると釈放のタイミングは勾留満期日だけではありません。刑事事件の流れにそって、釈放のタイミングをみていきましょう。

  1. (1)逮捕から72時間以内の釈放

    警察に逮捕されると、警察署の留置場に身柄を確保されたうえで警察官による取り調べを受けることになります。主に逮捕事実に関する認否や事件の状況などを中心とした取り調べがおこなわれますが、警察の持ち時間は48時間が限界です。警察は、逮捕から48時間以内に、被疑者の身柄と捜査書類を検察官へと引き継がなければなりません。

    この手続きを「送致」といい、ニュースなどでは「送検」と表現されています。送致を受けた検察官は、さらに自らも被疑者を取り調べたうえで、24時間以内に勾留を請求するか、または釈放しなければなりません。

    つまり、警察の捜査を経て送致を受けた検察官が「逃亡や証拠隠滅を図るおそれはない」と判断すれば、48時間+24時間=72時間以内に釈放される可能性があります。また、検察官からの請求について裁判官が却下した場合も同様です。なお、この却下に対し、検察官は準抗告を行うことができます。

  2. (2)勾留開始から10日目・20日目の釈放

    裁判官が勾留を許可すると、原則10日間の身柄拘束が開始します。勾留開始から10日目、つまり逮捕から数えると13日目が初回の勾留満期日です。

    ただし、勾留は通じて10日以内であれば延長が認められます。初回勾留の10日間で捜査を遂げられず、検察官が勾留延長を請求して裁判官がこれを許可すると勾留の延長となります。延長請求の限度も10日間なので、勾留開始から20日目、逮捕から23日目が最終的な勾留満期日となります。

    検察官は、勾留満期日までに起訴・不起訴の処分をしなければなりません。捜査によって被疑者がその行為者でないことが明白な場合又は犯罪の成否を認定すべき証拠のないことが明白な場合には「嫌疑なし」、被疑事実につき、犯罪の成立を認定すべき証拠が不十分な場合には「嫌疑不十分」、被疑事実が明白な場合に、被疑者の性格、年齢及び境遇、犯罪の軽重及び情状並びに犯罪後の事情により訴追を必要としない場合には「起訴猶予」として、いずれも不起訴処分となり釈放されます。また、この段階では起訴・不起訴の判断が難しい場合であっても、起訴しなければ引き続き身柄を拘束することはできないため、この場合は「処分保留」として釈放されます。

  3. (3)起訴後の保釈

    検察官に起訴された場合、被告人としてさらに勾留が続き、拘置所で身柄を拘束されます。被告人勾留の期間は公訴の提起があった日から2カ月ですが、「特に継続の必要がある場合」には1カ月ごとの更新が可能です(刑事訴訟法第60条2項)。勾留を継続する必要があると検察官が主張することで判決の日まで勾留が続くため、身柄拘束が長期化します。

    そこで、公判期日への出廷や裁判所との誓約事項を遵守することを約束したうえで、保証として保釈金を支払うことで、勾留が一時的に解除される制度が用意されています。これを「保釈」といいます。

    保釈が認められ、指定された保釈金を納付すれば、制限つきとはいえ身柄拘束からの解放が実現します

  4. (4)判決後の釈放

    刑事裁判の判決が懲役・禁錮の実刑や拘留であれば、そのまま刑罰が執行されるため釈放されないまま刑事施設へと収容されてしまいます。一方で、懲役・禁錮に執行猶予が付された場合や罰金・科料の判決を受けて納付を済ませた場合には、その時点で釈放となります。

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2、勾留満期日、釈放されるかどうかの連絡は家族に来ない

家族の誰かが逮捕された方にとって、勾留満期日に釈放されるのか、それとも勾留延長や起訴されて被告人勾留を受けることになるのかといった情報は一番の関心事です。

初回の勾留が決定した際、裁判所から、弁護人を選任している場合は弁護士へ、弁護人を選任していない場合は家族などへの連絡が入りますが、勾留満期日の扱いについては裁判所や検察官からの連絡はありません。

勾留延長の有無だけでなく、起訴・不起訴の処分の連絡もないため、残されている家族としては弁護士を経由しなければ情報を得られないことになります

また、勾留満期よりも前に検察官が不起訴処分を下して釈放となった場合であっても、家族への連絡はありません。この場合も、やはり積極的に情報を得るには弁護士を経由する必要があります。

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3、釈放後、所持金が足りず帰宅に困るケースも

どのタイミングであっても、捜査機関や裁判所が家族に対して「釈放した」と通知する制度は存在しません。逮捕・勾留による身柄拘束を受けている本人は、警察署・検察庁・裁判所・拘置所などで釈放されます。

釈放されたとしても、自宅まで送迎してくれたり、自宅までの交通費を支給してくれたりするといった支援はないので、たとえば自宅と事件現場が離れており、遠方の警察に逮捕され、勾留を受けたケースでは、帰宅しようにも交通費が足りないという場合が生じます。また、家族に迎えを頼みたくても携帯電話の充電が切れており、連絡もできないという場合もあり、せっかく釈放されても帰る手段に困るという状況が生じてしまいます。そのため、釈放を見据えて、勾留中にある程度の現金を差し入れておくことも検討しましょう

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4、家族は弁護士を通じて勾留・釈放の状況を把握できる

逮捕・勾留されたが不起訴処分になって勾留満期日に釈放された、あるいは初回の満期日を迎えたが勾留延長の決定を受けてさらに身柄拘束が延びたといった場合であっても、残された家族への通知はありません。身柄拘束を受けている本人の勾留や釈放といった状況を把握するためには、弁護士を弁護人として選任しておく必要があります

弁護士は、どのような状況でも時間・回数などの制限を受けずに面会を許される唯一の存在です。警察署や拘置所に留置されている間は家族による面会も可能なので、家族等が面会に行くことが可能であれば勾留・釈放の見通しを知ることができるかもしれません。しかし、逃亡や証拠隠滅のおそれを疑われ、接見禁止が付いている場合には家族による面会も禁止されるため、本人との連絡は弁護士を経由するほかに方法はありません。

勾留・釈放に関する刑事手続きの流れを正しく理解していなければ誤解が生じるおそれもあるので、正確な状況を把握するには弁護士のサポートが必須です

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5、勾留期間中に弁護士ができること

勾留の長期化や不起訴処分などの有利な展開を期待するなら、弁護士によるサポートが欠かせません。

  1. (1)勾留延長が決まるまでの流れ

    刑事事件の被疑者として逮捕され、検察官への送致を経て勾留請求を受け、裁判官がこれを許可すると初回勾留の開始です。初回勾留の期間は原則10日間で、この期間は検察官による指揮のもとで警察が捜査を進めます。捜査の結果、「やむを得ない事由」があるときは、刑事訴訟法第208条2項の定めに従って勾留延長が可能となります。

    やむを得ない事由にあたる条件について、法律の定めはありませんが、過去の判例によると次のような場合に認められています。

    【最高裁 昭和37年7月3日 昭和32(オ)682】
    • 被疑者もしくは被疑事実が多数である
    • 関係者らの供述や証拠の食い違いが少なくない
    • 取り調べが必要な関係者や証拠物が多い
    • 重要な参考人の病気・旅行・所在不明や鑑定などで証拠収集が遅延している
    など


    これらの事情があり、勾留期間を延長してさらに捜査をしなければ起訴・不起訴の決定が困難である場合には、勾留延長が可能となります。

  2. (2)勾留延長を阻止するための弁護活動

    勾留延長は、捜査側の都合だけで無制限に許されるものではありません。刑事裁判で有罪判決を受けるまでは、何人も無罪と推定されるという「無罪推定の原則」があるので、勾留は最低限の範囲でしか許容されるべきではないのです。

    不当な勾留延長を阻止するためには、捜査の状況に照らして「やむを得ない事由」にあたるのかを正確に判断し、身柄拘束の必要がないことを客観的に主張しなければなりません。弁護士に依頼すれば、勾留延長のためのやむを得ない事由を否定できる材料を収集し、検察官に延長請求を控えるよう働きかけることが可能です

    また、検察官が延長請求に踏み切った場合でも、裁判官に対して意見書を提出し延長請求の却下を求める、裁判官が許可した場合には準抗告による不服申し立てをおこなうといった方法で対抗します。

  3. (3)勾留の延長が決まった場合の対応

    裁判官が「やむを得ない事由がある」と判断して勾留延長を許可した場合には、さらに最大10日間の身柄拘束が続きます。捜査が進んで不利な証拠や供述がそろってしまうと検察官が起訴に踏み切る可能性も高まるので、その後も弁護士のサポートが欠かせません

    特に重要なのが「被害者との示談交渉」です。弁護士が代理人となって被害者と交渉する機会を設けたうえで、被害者に真摯(しんし)に謝罪し、被害を弁償します。被害者との間で示談が成立すれば、捜査機関は「被害者側に強い処罰を望む意思はない」と評価するため、検察官が不起訴処分を下す可能性が高まるでしょう。

    被害者との示談が成立すれば、勾留満期日よりも前であっても不起訴処分となって釈放されるケースが多いので、早期釈放と刑事処罰の回避という大きな利益が期待できます。

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6、まとめ

家族の誰かが逮捕・勾留による身柄拘束を受けると、残された家族としては「勾留延長を受けるのか」「勾留満期日には釈放されるのか」といった疑問を抱えることになります。しかし、検察官や裁判所は、勾留延長や釈放などの処分について家族には通知しないので、正確な状況を把握するためには弁護士のサポートが必要です。

逮捕・勾留による身柄拘束からの早期釈放や厳しい刑罰の回避などのサポートをお求めなら、刑事事件の解決実績が豊富なベリーベスト法律事務所にご相談ください

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監修者
萩原 達也
弁護士会:
第一東京弁護士会
登録番号:
29985

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※本コラムは公開日当時の内容です。
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