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弁護士コラム

2019年07月03日
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子どもが万引きをしてしまった! 少年院送致になるの? 逮捕後の流れを解説

子どもが万引きをしてしまった! 少年院送致になるの? 逮捕後の流れを解説
子どもが万引きをしてしまった! 少年院送致になるの? 逮捕後の流れを解説

警察や店から「お宅の子どもが万引きをしたので捕まえました」と連絡が来た場合、親としてはどのように対応すればよいのでしょうか。

被害を与えてしまった店への弁償や謝罪の方法も知っておかなければなりませんし、子どもがこの先どうなるかという不安も生じるでしょう。その反面、そもそも本当に万引きをしたのかと、子どもを信じたい気持ちもあるかもしれません。

今回解説するのは、未成年の子どもが万引きをして逮捕された後の流れについてです。子どもの将来のためにも、適切な対応の仕方を確認しておきましょう。

1、未成年でも万引きは窃盗罪! 逮捕されることがある

  1. (1)子どもの万引きの多さ

    警察庁の発表する「刑法犯に関する統計資料(平成29年)」によれば、平成29年度において、少年犯罪のうちもっとも検挙件数が多いのは窃盗罪です。同年度の窃盗罪での検挙件数のうち、少年の万引き事件での検挙件数は7552件となっています。これは、暴行(986件)や傷害(2184件)といった他の主要な犯罪と比べても、相当な数と考えられます。

  2. (2)未成年の子どもでも万引きで逮捕される?

    万引きは強盗や殺人などと比較して実行までの心理的なハードルが低く、子どもが手を染めやすい犯罪と言えます。しかし、犯罪であることには変わりなく、通報されれば逮捕される可能性も十分にあります。
    確かに、初犯だったり被害が少額だったりといった理由で通報を免れ、厳重注意だけで済まされるケースもありますが、それはあくまでも店側の配慮に過ぎません。子どもの今後を考えて特別に見逃されているだけなのです。「どうせ子どもなら捕まらない」と思い込むのは誤りです。

  3. (3)「万引き」ではなく「窃盗罪」

    「万引き」と表現すると軽く思えるかもしれませんが、刑法上は窃盗罪として扱われます。
    窃盗罪の法定刑は10年以下の懲役または50万円以下の罰金であり、必ずしも軽微な犯罪とは言えません。また、万引きを繰り返していた場合、常習累犯窃盗罪として3年以上の懲役を科せられることもあります。これは盗犯等ノ防止及処分ニ関スル法律に定められています。

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2、未成年が万引きをして逮捕される場合

  1. (1)逮捕と逮捕後の手続き

    逮捕には、万引きをしているその場で逮捕される場合(現行犯逮捕)や、後から逮捕される場合(通常逮捕)があります。店の中でとがめられなかったとしても、監視カメラの映像などに万引き現場が記録されていれば、後日に逮捕される可能性があります。
    未成年の子どもでも14歳以上なら、刑事責任能力があると判断されるため、少年法に基づき処分を受ける可能性があります。

    逮捕されると、警察での取り調べが48時間を限度として行われ、その後検察へと事件が送致されます。検察では取り調べを行った上で、さらなる身柄拘束の要否を24時間以内に判断します。最大72時間の取り調べ期間中、逮捕された人は警察署の留置場に入れられることとなり、家族と共にいることはできません。
    身柄拘束が必要だと判断された場合、成人であれば勾留が行われるところ、未成年の子どもだと勾留またはそれに代わる観護措置が行われます。観護措置とは、家庭裁判所に送致された少年の審判や、適切な処分を決めるための検査を行うことを目的として、少年を少年鑑別所に送致して収容することを言います。

  2. (2)少年審判を受けた後

    検察の取り調べ後、子どもは家庭裁判所で少年審判を受け、一定の判断が下されます。審判の内容としては、不処分の他、保護観察処分、少年院送致、検察官送致等(ほかにも児童自立支援施設への送致等)が挙げられます。
    不処分とは、処分をしないという判断です。たとえば、万引きの事実がなかった場合や、被害が軽微で子どもが深く反省しており処分までする必要がないと判断された場合に下されます。
    保護観察処分となった場合、子どもに保護司をつけ、普段の生活状況や生活態度を引き続き観察することになります。
    少年院送致とは、少年院に身柄を送られることです。子どもの万引きでも、反省の態度が一切見られない、頻繁に犯行を繰り返すなど、悪質な場合には少年院送致もあり得ます。
    検察官送致とは、検察に事件が再度送致されることです。万引きだけで検察官送致となることはほとんどありませんが、盗む際に店員を傷つけた場合などは強盗致傷罪として扱われ、検察へ送致される可能性も出てきます。

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3、13歳以下の子どもの場合はどうなる?

  1. (1)13歳以下の子どもは逮捕される?

    14歳に満たない年齢の子どもは、刑法上、刑事責任能力がないとされています(刑法第41条)。責任を問うほどに心が成熟していないため、福祉的な保護が優先されることになります。
    したがって、「逮捕」はされません。しかし、これは一切の身柄拘束がなされないという意味ではありません。警察によって児童相談所へ通告され、そこで一時保護という名目のもとに身柄が拘束される可能性はあります。
    一時保護の場合、原則として2ヶ月以内と定められていますが、例外的に期間が延びることもあります。

  2. (2)児童相談所での取り扱い

    児童相談所に送られた子どもは、万引き行為について注意をされ、福祉司に指導を受ける、誓約書を提出させられるなどの取り扱いがなされます。
    環境が、その子どものまっとうな成長を妨げるものと判断された場合、養護施設に入れられたり、親戚や里親に預けられたりする可能性もあります。つまり、親と一緒に暮らせなくなることもあるのです。
    親としては、児童相談所の職員と面談をする際に、子どもをきちんと育てていくことができることを示す必要があります。

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4、弁護士に相談を

  1. (1)未成年の子ども(14歳以上)が逮捕されてしまったら

    未成年の子どもが逮捕された場合、早めに弁護士への相談を行うことをおすすめします。弁護士が逮捕された子どものためにできることとしては、主に以下の3つが挙げられます。


    • 取り調べに向けたアドバイス
    • 被害者との示談交渉・締結
    • 処分の軽減に向けた働きかけ


    まず、警察官や検察官に囲まれて取り調べを受けるのは、子どもにとって多大なストレスとなることが考えられます。逮捕されてから72時間の取り調べ期間中は、家族といえども子どもと面会することはできません。弁護士が味方としてつき、取り調べに対してどういう受け答えをするとよいのかをアドバイスすることで、子どもの精神的な安定にもつながります。
    次に、万引きした店へ行って弁償し、示談をすることで、それを契機として子どもが自分の犯した罪の重大さを認識することにもつながりますし、被害弁償がされたことで、処分が軽減される可能性もあります。
    さらに、子どもだけではなく保護者の方へのフォローも行い、家庭環境に大きな問題がないことや、今後家庭環境を改善していけることを示し、不処分や保護観察処分を得られるよう働きかけます。
    このように、逮捕されたとしても、弁護士の活動によって子どもの受ける処分は変わってくる場合があります。

  2. (2)事件化する前に食い止められることも

    現行犯逮捕ではない場合、後から通常逮捕される前に被害者側と示談して、そもそも事件にさせず事態を沈静化させられることもあります。逮捕される前に事態を収められれば、警察や検察、家庭裁判所への対応も不要となります。
    たとえ子どもの万引きが店に露見していないように思えたとしても、後日逮捕される可能性は依然として残っています。こうした場合も、できるだけ速やかに弁護士へ相談することをおすすめします。

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5、まとめ

今回は、子どもが万引きをして逮捕された後の流れや対処の仕方についてご説明しました。
万引きは決して軽い犯罪ではなく、店の経営を圧迫し、場合によっては倒産や廃業にまで追い込んでしまいかねない行為です。
子どもの犯罪への対処は、いかに更生への道のりを探すかという考えに基づいて行われます。ご家族が一丸となって、子どもがまっとうな道を歩めるよう協力していく必要があります。
もし子どもが万引きで逮捕されてしまったら、ベリーベスト法律事務所の弁護士にご相談ください。子どもの将来も考え、望ましいサポートを行います。

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監修者
萩原 達也
弁護士会:
第一東京弁護士会
登録番号:
29985

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※本コラムは公開日当時の内容です。
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