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弁護士コラム

2022年06月27日
  • 性・風俗事件
  • 強制性行

夫婦間での強制性交や強姦は成立する? 強制性交等罪とは

夫婦間での強制性交や強姦は成立する? 強制性交等罪とは
夫婦間での強制性交や強姦は成立する? 強制性交等罪とは

令和3年版の犯罪白書をみると「強制性交等罪」の検挙率は97.4%で、極めて高い割合で検挙されていることがわかります。これは、強制性交等罪が顔見知りの間で起こりやすい犯罪であることと関係しているからだといえるでしょう。

強制性交等罪は、通りすがりの暴漢などによる犯行をイメージしがちですが、意外なことに友人・知人・会社の同僚、さらには家族・親類などの間で生じる傾向があります。

本コラムでは「夫婦間での強制性交」について、罪に問われるケースや逮捕後の流れを解説していきます。

令和5年7月13日に強制わいせつ罪は「不同意わいせつ罪」へ、強制性交罪は「不同意性交等罪」へ改正されました。

目次

  1. 1、夫婦間で強制性交や強姦は成立するのか?
  2. 2、強制性交等罪とは
    1. (1)強制性交等罪にあたる行為
    2. (2)強制性交等罪の罰則
    3. (3)強制性交等罪における刑事・民事の時効
  3. 3、強制性交等罪と関連の罪
    1. (1)準強制性交等罪
    2. (2)強制性交等致死傷罪
  4. 4、強制性交等罪による逮捕後の流れ
  5. 5、強制性交等罪を犯してしまったら弁護士に相談を
    1. (1)配偶者との示談交渉を一任できる
    2. (2)示談が成立すれば逮捕の回避や処分の軽減が期待できる
  6. 6、まとめ

1、夫婦間で強制性交や強姦は成立するのか?

相手の承諾を得ずに無理やり性行為に及ぶことを一般的に「強姦」や「レイプ」などと呼びますが、夫婦間ではこれらの行為が成立しないと考えられがちです。たしかに、正当な理由もなく性交渉を拒否し続けていれば民法が認める離婚事由に該当しうるため、夫婦間では性交渉に応じるのが当然で、無理やりに性行為に及んでも問題ないと考えてしまうかもしれません。

ところが、夫婦間であっても強姦・レイプにあたる状況があれば刑法の「強制性交等罪」に問われることがあります。夫婦の間には「性交渉を求める権利」が存在するものの、相手方の意思に反して無理やり性交をすることまで認められるわけではないのです。

2、強制性交等罪とは

一般的にいう「強姦」や「レイプ」と呼ばれる行為は、法律の定めに照らすと刑法第177条の「強制性交等罪」に問われます。本罪は、平成29年の刑法改正までは「強姦(ごうかん)罪」という名称だった犯罪です。

  1. (1)強制性交等罪にあたる行為

    強制性交等罪は、刑法の条文によると「13歳以上の者に対し、暴行または脅迫を用いて、性交・肛門性交・口腔(こうこう)性交をした者」を罰する犯罪だと定義されています。また、ただし書きには「13歳未満の者に対し、性交等をした者」も同様に罰する旨も明記されています。

    改正前の強姦罪では「性交」のみが処罰の対象でしたが、改正前は強制わいせつ罪の成立にとどまっていた肛門性交・口腔性交も本罪の処罰対象です。「暴行または脅迫」とは、殴る・脅すといった行為はもちろんですが、これらの行為以外でも「相手の反抗を著しく困難にする程度」の暴行・脅迫であれば足りると考えられています。

  2. (2)強制性交等罪の罰則

    強制性交等罪で有罪になった場合は、5年以上の有期懲役が科せられます。有期懲役の上限は20年なので、最短でも5年、最長では20年にわたる懲役が言い渡される重罪です。3年を超える懲役が言い渡される場合は執行猶予がつかないので、強制性交等罪で有罪になると酌量減軽等がされない限り、懲役となって刑務所へと収監されてしまいます。

    なお、改正前の強姦罪の罰則は3年以上の有期懲役でした。最短では3年の懲役で刑の減軽がなくても執行猶予の可能性が残されていたという点からみても、改正後の強制性交等罪は厳しい刑罰が予定されているといえます。

  3. (3)強制性交等罪における刑事・民事の時効

    強制性交等罪の刑事上の時効は10年です。犯行から10年が経過すると、公訴時効が成立するため検察官が刑事裁判を起こせなくなり刑事上の罪には問われなくなります。

    民事上の不法行為の時効は、被害者が損害と加害者を知ったときから3年(人の生命又は身体を害する不法行為の場合は5年)、または不法行為から20年です。また、夫婦の一方が他の一方に対して有する権利については、婚姻の解消の時から6カ月を経過するまでの間は、時効は、完成しないとされています。

3、強制性交等罪と関連の罪

犯行時の状況や結果に応じて、強制性交等罪とは別の犯罪が成立することもあります。強制性交等罪と関連する犯罪も確認しておきましょう。

  1. (1)準強制性交等罪

    刑法第178条2項に定められているのが「準強制性交等罪」です。人の心神喪失・抗拒不能に乗じ、または心神喪失・抗拒不能にさせて性交等をした者が処罰の対象となります。強制性交等罪との違いは「暴行・脅迫」を必要としないという点です。

    典型的なケースとしては、泥酔者への強姦や、睡眠薬などを服用させて意識がもうろうとしている相手への強姦などが考えられます。また、就職活動中の学生などに対して人事権があるかのように装い抵抗できない状況にしたうえで性的暴行を加える行為も本罪に問われるおそれがあります。

    法定刑は強制性交等罪と同じ5年以上の有期懲役です。たとえ夫婦間でも、泥酔や薬物の影響下にある相手と無理やり性交渉に及べば本罪に問われる危険が高いでしょう。

  2. (2)強制性交等致死傷罪

    強制性交等罪にあたる行為があり、結果として被害者を死傷させた場合は、刑法第181条2項の「強制性交等致死傷罪」に問われます。被害者を負傷させた場合を「強制性交等致傷罪」、死亡させた場合は「強制性交等致死罪」として区別します。強姦行為が未遂に終わった場合でも、被害者を死傷させてしまえば本罪は既遂です。

    令和3年9月には、性的暴行を加えた際に首・胸を口で吸って皮下出血させた、いわゆる「キスマーク」でも傷害にあたるという判断が示された事例もあります。このような事例をみると、たとえ傷害の程度が軽微であっても軽視するべきではありません。

    法定刑は無期または6年以上の懲役です。最短でも6年、結果が重大で悪質な事件では無期懲役が言い渡されることもあるため、強制性交等罪と比べると極めて厳しい刑罰が予定されているといえます。

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4、強制性交等罪による逮捕後の流れ

強制性交等罪の容疑で警察に逮捕されると、警察署の留置場に身柄を置かれたうえで取り調べがおこなわれたのち、48時間以内に検察官へと送致されます。検察官による取り調べの結果、さらに身柄拘束を続ける必要があると判断されると最長20日間の勾留を受けます。
逮捕から起訴・不起訴の判断までに最長で23日間にわたる身柄拘束を受けるため、社会的な悪影響は甚大でしょう。

検察官が起訴に踏み切れば刑事裁判が開かれて、最終的には判決が言い渡されます。一方で、不起訴になると刑事裁判は開かれず、身柄拘束の必要もなくなるので直ちに釈放となります。

5、強制性交等罪を犯してしまったら弁護士に相談を

夫婦間の性行為についてトラブルになり、強制性交等罪の容疑をかけられてしまった場合は、直ちに弁護士に相談してサポートを受けましょう。

  1. (1)配偶者との示談交渉を一任できる

    夫婦間の性行為について配偶者が問題としている状況では、離婚や家庭内暴力などを背景にしているケースが多く、穏便に解決したいと望んでいても当事者同士では交渉が難航しがちです。謝罪・弁済を含めて話し合いを進めたいのに、まったく相手にしてもらえないといったケースも少なくありません。

    配偶者との示談交渉を安全に進めたいなら、弁護士に相談したうえで交渉を一任しましょう。弁護士が代理人となり、配偶者の心情にも配慮しながら穏便な交渉を進めることで、和解の可能性が高まります。

  2. (2)示談が成立すれば逮捕の回避や処分の軽減が期待できる

    配偶者との示談が早い段階で成立すれば、警察への被害届の提出や刑事告訴を見送ってもらえる可能性があります。警察に事件が発覚する前、あるいは正式な届け出の前に解決できるので、逮捕の回避を望むなら早期の示談成立が極めて効果的です。すでに被害届・刑事告訴に踏み切っていても、被害届の取り下げや刑事告訴の取り消しによって事件を終結させられる可能性もあります。

    また、事件化が避けられない状況でも、示談が成立していれば検察官が不起訴とする可能性が高まります。たとえ強制性交等罪にあたる行為があったことが事実でも、検察官が不起訴とすれば刑罰は科せられません。

    検察官が起訴に踏み切ったとしても謝罪と賠償が尽くされていると評価され、裁判官が下す量刑も軽い方向に傾くでしょう。裁判官の酌量が得られれば「減軽」によって3年以下の懲役となり、執行猶予がつく可能性もあります。

6、まとめ

たとえ夫婦であっても、相手の承諾を得ず無理やり性行為に及べば「強制性交等罪」が成立します。家庭内のことなので問題が露見することはまれですが、離婚や家庭内暴力といったトラブルを背景に罪を追及されるかもしれません。強制性交等罪は数ある犯罪のなかでも特に厳しい刑罰が予定されているため、慎重な対応をしていく必要があります。

容疑をかけられてしまった場合は、刑事事件の解決実績が豊富なベリーベスト法律事務所にご相談ください。

監修者
萩原 達也
弁護士会:
第一東京弁護士会
登録番号:
29985

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※本コラムは公開日当時の内容です。
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