初回相談60分無料

被害者の方からのご相談は
有料となります

0120-359-186
平日9:30〜21:00/土日祝9:30〜18:00

弁護士コラム

2023年12月26日
  • 性・風俗事件
  • 盗撮
  • バレた

盗撮がバレたらどうなる? 適用される罪や罰則、社会的な影響とは

盗撮がバレたらどうなる? 適用される罪や罰則、社会的な影響とは
盗撮がバレたらどうなる? 適用される罪や罰則、社会的な影響とは

スマートフォンや小型カメラが普及してから、それらを「盗撮」というかたちで悪用する人も世の中に出てくるようになりました。いたずら半分で、あるいは秘密の趣味などといった気分で盗撮に興じてしまう方がいるかもしれませんが、盗撮がバレたときにどうなるのかを知っていれば、そんな軽い気分でいられるはずもありません。

たとえば、令和5年10月には、駅のエスカレーターで女子高生のスカートの中を盗撮した公立高校の男性教師が現行犯逮捕されました。ネットニュースなどでも大々的に報じられたので、勤務先にバレてしまう事態は避けられないはずです。

本コラムでは、盗撮で問われる罪や罰則、なぜ盗撮がバレてしまうのかなどについて、ベリーベスト法律事務所の弁護士が解説します。

盗撮行為は、令和5年7月13日に新設された「撮影罪(性的姿態等撮影罪)」によって処罰の対象となります。

この記事で分かること

  • 盗撮はなぜバレる? 盗撮が発覚する経緯とは
  • 盗撮がバレて逮捕されると罪はどうなる?
  • 盗撮を犯して逮捕されたときに弁護士に相談すべき理由

目次

  1. 1、「盗撮」は犯罪! バレたときに問われる罪や罰則
    1. (1)盗撮は「撮影罪(性的姿態等撮影罪)」に問われる
    2. (2)撮影罪が成立する要件
    3. (3)撮影罪で科せられる刑罰
  2. 2、なぜバレた? 盗撮が発覚する3つの理由
    1. (1)被害者や目撃者に指摘されてバレた
    2. (2)防犯カメラの映像などからバレた
    3. (3)盗撮画像の投稿からバレた
  3. 3、盗撮は厳罰化へ……従来の法体制はどうなっていた?
    1. (1)都道府県の迷惑防止条例違反
    2. (2)軽犯罪法違反
    3. (3)刑法の建造物侵入罪
  4. 4、盗撮がバレたときに弁護士に相談するべき理由
    1. (1)盗撮事件の穏便な解決には被害者との示談交渉が不可欠
    2. (2)早期釈放や処分の軽減に向けた弁護活動が期待できる
    3. (3)逮捕された場合には、早期の釈放が期待できる
  5. 5、まとめ

1、「盗撮」は犯罪! バレたときに問われる罪や罰則

盗撮は、いたずらなどでは済まされない犯罪行為です。最初に、盗撮行為はどのような罪に問われ、どんな罰則が用意されているのかを解説します。

  1. (1)盗撮は「撮影罪(性的姿態等撮影罪)」に問われる

    盗撮行為は、「性的な姿態を撮影する行為等の処罰及び押収物に記録された性的な姿態の影像に係る電磁的記録の消去等に関する法律」に定められている「撮影罪(性的姿態等撮影罪)」に問われます。

    この法律は、令和5年(2023年)7月13日に施行された新しいものです。
    盗撮行為の処罰は、従来の法体制では地域によって規制内容に差があり、どのような罪にあたるのかも明確ではありませんでした。そこで、盗撮による犯罪行為が成立する要件を明確化し、全国で一律の規制を敷く目的をもって創設されたという背景があります。

  2. (2)撮影罪が成立する要件

    撮影罪が成立するのは、正当な理由がないのに、ひそかに「性的姿態等」を撮影したときです。


    <性的姿勢等の法的定義>
    • 性器・肛門・性器や肛門の周辺部・臀部(でんぶ)・胸部といった人の性的な部位
    • 人が身につけている下着のうち、現に性的な部位を直接もしくは関節に覆っている部分
    • わいせつな行為または性交等がされている間の人の姿態


    たとえば、商業施設のエスカレーターで前に立っている女性のスカートの中をスマートフォンで撮影したり、トイレの個室に隠しカメラを設置して利用者の姿を撮影したりといった行為は撮影罪に問われます。

  3. (3)撮影罪で科せられる刑罰

    撮影罪には、3年以下の拘禁刑または300万円の罰金が科せられます。

    拘禁刑とは、従来の懲役と禁錮を一本化した新しい刑罰です。
    受刑者の特性や犯罪内容などに照らして、改善更生に有効な処遇を柔軟に課すことのできる刑罰で、再犯防止への高い効果が期待されています。

    なお、令和5年(2023年)11月の段階で、拘禁刑は施行されていません。令和7年(2025年)6月17日までのどこかのタイミングで施行される予定ですが、施行の日までに起こした盗撮事件には懲役が科せられます。

2、なぜバレた? 盗撮が発覚する3つの理由

盗撮をする人は、当然「バレないように」と周囲に注意を払うものです。しかし、いくつかの理由により、盗撮が発覚することがあります。

  1. (1)被害者や目撃者に指摘されてバレた

    盗撮が身近な犯罪になり、あらゆる機会で盗撮の被害に遭う危険のある社会になりました。
    商業施設や電車などでは、運営者が利用者に対して盗撮への注意を喚起するはたらきを強めており、被害者自身や周囲の目撃者が盗撮に気付いて指摘するケースが増えています。

    不審な動きをしていたり、シャッター音を鳴らせてしまったりすると、盗撮をしたことがすぐにバレてしまうでしょう。

    また、最近では現行犯人に限り一般人でも許される「私人逮捕」が広く知られるようになりました
    「盗撮を見逃すことはできない」という正義感から私人逮捕をする目撃者も少なからず存在するので、従来よりも逮捕の危険が増しているといえるでしょう。

  2. (2)防犯カメラの映像などからバレた

    商業施設や公共施設の多くには防犯カメラが設置されています。
    監視室や事務室などで不審な動きをしている者をチェックしているので、盗撮しようとターゲットを探したり、人の背後をつけまわしたりしていると、動向を監視されて盗撮したところを確保されてしまうかもしれません。

    令和5年(2023年)8月には、大手学習塾の講師らが共謀し、教室内で女児数人の下着などを盗撮した事件が起きました。学習塾側は、再発防止対策のひとつとして、スマートフォンなどから保護者が授業の様子を確認できる、ライブモニタリングシステムを全校舎の教室に導入することを公表しています。

    現代の社会ではあらゆるシーンで防犯カメラが監視しているので、盗撮も見逃してはもらえないと心得ておきましょう。

  3. (3)盗撮画像の投稿からバレた

    盗撮画像をSNSやブログに投稿していると、アカウントの登録情報などから辿られて、盗撮犯だと特定されてしまう可能性があります。

    各都道府県の警察では、独自にインターネット空間のサイバーパトロールを実施しています。
    また、インターネット上の違法情報は「インターネット・ホットラインセンター」において受け付けているので、一般からの通報を受けて警察に情報が提供されるケースも考えられます。

    盗撮への社会的な非難は厳しいので、一般市民による監視の目も強いことを覚えておきましょう。

3、盗撮は厳罰化へ……従来の法体制はどうなっていた?

撮影罪は、令和5年(2023年)7月に施行されたばかりの新しい犯罪です。
それ以前の盗撮行為には、状況に応じてこれから挙げる3つの犯罪のいずれかが適用されてきました。

  1. (1)都道府県の迷惑防止条例違反

    従来、盗撮行為を罰する主な法令は、都道府県が定める迷惑防止条例でした。

    たとえば、東京都の迷惑防止条例では、住居・便所・浴場・更衣室といった人が衣服の全部または一部を着けないでいるような場所、公共の場所・公共の乗り物・学校・事務所・タクシーなど不特定または多数の人が利用したり出入りしたりする場所において、通常は衣服で隠されている下着や身体を撮影する行為が禁止されています。

    迷惑防止条例は、東京都の条例をモデルとしておおむね全国に同様の規制が敷かれていますが、都道府県によって規制内容に若干の差がありました。
    そのため、たとえば航空機内で行われた盗撮行為では、どの地域の上空を飛行していたのかを特定しないと適用するべき条例を判断できないなど、運用上の問題が生じていました。

    また、迷惑防止条例における盗撮行為への罰則は、東京都の場合で1年以下の懲役または100万円以下の罰金ですが、6か月以下の懲役や50万円以下の罰金が規定されている地域もあります
    同じ罪を犯しても刑罰の重さに差があったという点も、無視できない問題点でした。

    このような問題を解消するために全国一律の法規制が求められたため、撮影罪が新設されたという経緯があります。

  2. (2)軽犯罪法違反

    軽犯罪法は、軽微な秩序違反行為を罰する法律です。
    33の行為を列挙して処罰の対象としていますが、正当な理由なく人の住居・浴場・更衣場・便所など、人が通常は衣服を着けないでいるような場所をひそかにのぞき見た者を罰するという規定があります。

    一部の地方自治体の迷惑防止条例は、公共の場所や乗り物、不特定または多数の人が出入りする場所を対象に盗撮行為を禁止していたため、たとえば自宅の一室に隠しカメラを設置して客が着替えをしている様子を盗撮しても、迷惑防止条例は適用できませんでした。
    こういったケースでは「のぞき見をした」という点をとらえて、軽犯罪法が適用されてきました。

    軽犯罪法の処罰対象は迷惑防止条例よりも広く、まだ盗撮行為に至っていなくても処罰の対象になるという点では厳しい面があるといえます。
    ただし、罰則は拘留または科料という軽いものであり、再犯防止への効果が十分ではなかったという問題がありました。

  3. (3)刑法の建造物侵入罪

    場所の要件を満たさないために迷惑防止条例が適用されない、盗撮の目的があったもののターゲットを物色していただけでのぞき行為にも至っていないために軽犯罪法違反にもならないといったケースでは、刑法第130条の建造物侵入罪が適用されます。

    本罪はいわゆる不法侵入を罰する犯罪なので、盗撮とは無関係に思えるかもしれません。
    しかし、建造物侵入罪が処罰の対象とするのは「正当な理由のない侵入」であり、盗撮という犯罪の目的をもって施設などに立ち入る者は、不法な侵入者にあたります。

    建造物侵入罪の法定刑は、3年以下の懲役または10万円以下の罰金です
    懲役の上限をみると迷惑防止条例や軽犯罪法よりも格段に厳しい刑罰が定められていますが、盗撮行為を重く処罰できないがために侵入の部分をとらえて罰するという歪な運用が問題視されていました。

  4. 弁護士との電話相談が無料でできる
    刑事事件緊急相談ダイヤル

    0120-359-186
    無料電話
    電話相談をする
    平日9:30〜21:00/土日祝9:30〜18:00
    • お電話は事務員が弁護士にお取次ぎいたします。
    • 警察が未介入の事件のご相談は来所が必要です。
    • 被害者からのご相談は有料となる場合があります。

    メールによるお問い合わせは、24時間365日 ご相談を受け付けております。

    メールでお問い合わせ

    365日・24時間受付中

4、盗撮がバレたときに弁護士に相談するべき理由

盗撮がバレてしまえば、撮影罪によって厳しく処罰されます。

問題はそれだけではありません。
家庭にバレてしまえば離婚や家庭不和などの原因に、会社にバレてしまえば解雇などの不利益な処分の理由に、学校にバレてしまえば退学・停学などの処分を受けるおそれがあります。

すでに盗撮の容疑をかけられている、あるいは盗撮をしたが今後の逮捕や刑罰に恐怖を感じている、社会生活への影響に不安を感じているといった悩みがあるなら、弁護士への相談を急ぎましょう

  1. (1)盗撮事件の穏便な解決には被害者との示談交渉が不可欠

    盗撮事件を起こしてしまい、できるだけ穏便なかたちで解決したいと望むなら、最優先すべきは被害者との示談交渉です。

    警察・検察官といった捜査機関や裁判官がかかわらない場で、加害者と被害者が話し合いを進めて解決を図ることを示談といいます。
    加害者は盗撮を犯したことを謝罪したうえで、精神的苦痛を与えたことに対する慰謝料などを含めた示談金を支払い、そして警察への被害届の提出を見送ってもらったり、すでに提出済みの被害届を取り下げてもらったりするのが、示談の一般的な流れです。

    早い段階で示談が成立すれば事件化を防ぐことにつながり、すでに被害届が出されていても警察限りで捜査が終結する・検察官が不起訴処分を下す、といった有利な結果が期待できます。

    ただし、盗撮被害者との示談交渉は簡単ではありません。
    そもそも、盗撮事件では、通りすがりの人や不特定・多数の人がターゲットになるケースが多いので、被害者がどこに住んでいる誰なのかを特定することさえも困難です。

    被害者の情報は捜査機関が握っており、加害者に開示されることはないので、弁護士に依頼して捜査機関に示談の意思があることを伝えて被害者にはたらきかけ、情報を得るしかないでしょう。

    また、仮に被害者の情報を知っていても、加害者からの示談の申し入れを被害者が快く受け入れるとは限りません。
    むしろ、強い嫌悪や怒りといった感情が先走って拒絶されるおそれが強いので、公平・中立な第三者である弁護士に対応を依頼したほうが安全です。

  2. (2)早期釈放や処分の軽減に向けた弁護活動が期待できる

    盗撮行為は撮影罪の新設によって犯罪の成立要件が明確となったため、逮捕の可能性が増しました。

    警察に逮捕されると、逮捕・勾留によって最大23日間の身柄拘束を受けるため、家庭・会社・学校といった社会生活において大きな不利益が生じてしまうでしょう。
    また、罰則が強化されたため、有罪判決を受ければ従来よりも厳しい刑罰が科せられるおそれがあります。

    身柄拘束からの早期釈放や厳しい処分の軽減を望むなら、弁護士のサポートが欠かせません。
    被害者との示談交渉、再犯防止に向けた具体的な対策の提示などは、法律の知識と経験が求められるので、盗撮事件の知見・経験を豊富にもつ弁護士にサポートを求めましょう。

  3. (3)逮捕された場合には、早期の釈放が期待できる

    前記のとおり、現行犯について私人逮捕(警察は常人逮捕と言います)が行われることもしばしばみられるようになっており、警察もこの場合には逮捕・勾留手続に進めて行きます。ただ、盗撮関係の犯罪は、被害者は行きずりの人間で身元を加害者が特定できていないことも多く、立証にも盗撮画像や動画を記録した媒体を押収することで達成できることが多いことから、逮捕・勾留といった身柄拘束の要件を満たしにくいです。そのため、問題再発を防ぐ措置などをいち早くとることにより、身柄解放を積極的に狙うことができます。

5、まとめ

自分ではうまく相手の隙をついて盗撮したつもりでも、社会全体が盗撮に対して警戒心を高めて監視を強めているので、バレてしまう可能性が高いでしょう。

法律が整備され、撮影罪が新設されたことで、罰則も強化されました。
「バレない」と思っていても、盗撮を続けていればいずれは厳しい処分を受けることになると心得ておかなければなりません。

盗撮事件を起こしてしまい、逮捕や厳しい刑罰を避けたいと望むなら、経験豊富な弁護士のサポートは必須です。穏便な解決を望むなら、盗撮事件に関する知見を豊富にもつベリーベスト法律事務所にご相談ください。

知見・経験豊富な弁護士が親身になって、ベストな解決に向けたサポートをいたします。

本コラムを監修した弁護士
萩原 達也
ベリーベスト法律事務所
代表弁護士
弁護士会:
第一東京弁護士会

ベリーベスト法律事務所は、北海道から沖縄まで展開する大規模法律事務所です。
当事務所では、元検事を中心とした刑事専門チームを組成しております。財産事件、性犯罪事件、暴力事件、少年事件など、刑事事件でお困りの場合はぜひご相談ください。

※本コラムは公開日当時の内容です。
刑事事件問題でお困りの場合は、ベリーベスト法律事務所へお気軽にお問い合わせください。

弁護士コラムトップにもどる

その他の性・風俗事件のコラム

事件の種別から探す