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弁護士コラム

2022年01月27日
  • 交通事故・交通違反
  • 当て逃げ
  • 時効

当て逃げに時効は適用される? 時効期間や対処方法を解説

当て逃げに時効は適用される? 時効期間や対処方法を解説
当て逃げに時効は適用される? 時効期間や対処方法を解説

車やバイクなどを運転中に物損事故を起こした人が、道路交通法上の措置を行わずにその場から立ち去る行為を一般に「当て逃げ」といいます。負傷者がいるひき逃げと比べて軽く捉えられがちですが、刑罰が定められている犯罪行為であり、警察に逮捕され、起訴・有罪となる場合もあります。

当て逃げをした方が気になるのは時効かもしれませんが、時効が成立するまで何もしないでいるのは果たして正しい判断といえるのでしょうか?

本コラムでは当て逃げをテーマに、当て逃げで成立する犯罪や刑罰の内容、時効年数や当て逃げをしたあとの対応について、弁護士が解説します。

1、そもそも当て逃げとは?

当て逃げとはどのような行為を指すのか、ひき逃げとの違いを含めて解説します。

  1. (1)当て逃げの定義

    当て逃げとは、物損事故を起こした者が、道路交通法で定められた措置を行わずにその場から立ち去ることをいいます。

    道路交通法第72条1項では、交通事故があった際の運転者の義務として、直ちに車両の運転を停止して、① 負傷者を救護し、② 道路における危険を防止するための措置を行い、③ 事故を警察に報告するよう定めています。

    当て逃げはこのうち、②の危険防止措置義務および③の報告義務を怠ることを指します


    • スーパーの駐車場でバックしたら隣の車に接触し、車体に傷をつけてしまったが、誰も見ていなかったのでそのまま立ち去った
    • 車の走行中にハンドル操作を誤りガードレールに突っ込んで変形させてしまったが、特に被害者もいないので何の連絡もせずそのまま放置した


    これらは、いずれも当て逃げに該当する行為です。

  2. (2)当て逃げとひき逃げの違い

    ひき逃げは、危険防止措置義務と報告義務に加え、①の救護義務にも違反することです。事故を起こしたにもかかわらず負傷者の救助を行わず、危険防止措置と警察への報告を怠ることを一般にひき逃げといいます。

    相手との直接の接触がなくても、救護義務違反が成立し、ひき逃げにあたる場合があります。たとえば相手のすぐ近くで車両を進行させたため、自転車を運転中の相手が急ブレーキをかけて転倒したのに停止せずにその場から立ち去ったようなケースです。

    当て逃げとひき逃げは、物損事故か人身事故かで区別されます。物損事故は人以外に損害を与える事故のこと、人身事故は人に傷害を与える事故のことです。

  3. (3)当て逃げが適用されるケースとは?

    当て逃げが適用されるのはすべての物損事故です。


    • 建物、塀
    • ほかの車両や積み荷
    • 電柱、ガードレール、街路樹


    これらの物に対して損害を与えたにもかかわらず必要な措置を怠りその場を離れると原則として当て逃げが適用されます。また動物は法律上、物として扱われるため、他人のペットをひいて逃げてしまった場合も当て逃げに該当します。

  4. (4)少しでも現場から立ち去ってはいけない?

    道路交通法第72条1項では、危険防止措置などを「直ちに」行う旨が定められています。

    直ちにとは、法律上、「即時に」「今すぐに」といった意味があります。したがって、事故後はほんの一瞬でも現場から立ち去ることは許されません

    たとえば通勤中に物損事故を起こした方が、「いったん出社して会社に事情を説明してから戻ってきて事故後の処理をすればよい」などと考えてしまうかもしれません。しかし、危険防止措置および警察への報告を行わずに少しでもその場を離れれば、たとえ数分後に現場に戻ってきても法律上は当て逃げ犯として罪に問われるおそれがあります。

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2、なぜ当て逃げは起こるのか?

当て逃げが悪いことなのは大半の方が理解しているはずです。それでも当て逃げという罪を犯してしまう方の多くは、以下のような理由からだと考えられます。

  • 気づいていなかった
  • 怖くなった
  • 賠償金や罰金を払いたくないから
  • ほかの交通違反をしていたから


当て逃げが起こる理由として、物との接触に気づかないケースがあります。わずかにかすった程度であれば気づかない可能性もゼロではないでしょう。気づいていない場合はその場から離れることについて故意がないため、そもそも当て逃げは成立しませんただし、車両が何かに接触すれば大抵は衝撃を感じるものですそのため、簡単には受け入れてもらえない可能性が高いと考えられます

また、突然のことに気が動転して怖くなり、反射的にその場から逃げてしまうケースも考えられます。逃げてはいけないと思いつつ怖くて立ち去ってしまう、頭が真っ白になって気づいたら逃げていたなどのケースです。

さらに、壊した物の弁償をしたくない、刑事事件化した場合の罰金を支払いたくないなど、お金を払いたくないという方もいるかもしれません。さらには、物損事故の原因がほかの重大な交通違反にあった場合や、違反点数が加算されて免許停止や取り消し処分を受けるのを避けるために逃げてしまうケースもあるでしょう。

本来、物損事故では逃げずに適切な対応をすれば刑罰を科されることはなく、違反点数も加算されません。任意保険に加入していれば、保険会社が賠償金を支払ってくれる場合もあります。物損事故を起こしてしまった場合は、速やかに警察に届け出るなどの適切な対応をしてください。

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3、当て逃げで問われる責任

当て逃げをした者は「刑事責任」「行政責任」「民事責任」という3つの法的責任を負います。それぞれどのような責任を指すのか解説します。

  1. (1)刑事責任

    刑事責任とは、犯した罪に対する制裁として刑罰を受けることをいいます。

    日本の刑罰は死刑・懲役・禁錮・罰金・拘留・科料の6種類があります。当て逃げの場合は危険防止措置義務違反と報告義務違反という犯罪が成立し、懲役か罰金が適用されます。

    懲役とは刑務所に収監されて刑務作業に従事する刑罰のこと、罰金とは1万円以上の金銭を徴収される刑罰のことです。実際にどれくらいの刑罰を受けるのかは、行為内容の悪質性や更生の可能性などによって変わってきます。

    いずれの刑罰を受けた場合でも、また判決に執行猶予がついた場合でも、前科がついた状態になります。前科とは有罪判決を受けた履歴のことをいい、一定の職業や資格の制限を受ける、再犯の際に処分が重くなるなどの不利益が生じます。

    また刑罰を受ける前の段階では、逮捕される、捜査機関から取り調べを受けるなど刑事手続きを受けることになります。取り調べの際には会社を休まなければならないなど社会生活上の影響も生じるでしょう。

  2. (2)行政責任

    当て逃げによる行政責任とは、免許停止や免許取り消しなどの処分を受けることをいいます。交通違反をすると、その内容に応じて違反点数が加算され、一定の点数にいたると免許の停止や免許の取り消しが決定します。

    当て逃げ事件では通常、危険防止措置義務違反の点数5点と、安全運転義務違反の点数2点、合計7点が加算されます。7点が加算されると前歴がなくても30日間の免許停止処分となり、前歴があると累積点数次第では免許取り消し処分を受ける場合があります。

  3. (3)民事責任

    民事責任とは、被害者に与えた損害を回復させる責任のことです具体的には、被害者に対して損害賠償金を支払うことによって責任を果たします

    当て逃げの加害者が刑罰や行政処分を受けても、被害者の損害を補填されたり、被害が回復されたりするわけではありません。そこで被害者は加害者に対し、損害賠償金を請求する権利を行使することができます。

    当て逃げ事件の損害賠償金は、基本的に車両の修理費用や部品の購入代金といった実費です。ただし、ペットをひいたようなケースでは精神的な苦痛に対する慰謝料も含まれる可能性がでてきます。加害者は被害者に損害賠償金を請求されれば、これに応じる責任があります。

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4、当て逃げで問われる罪

当て逃げで成立するのは、危険防止措置義務違反と報告義務違反です。それぞれの定義と刑罰の内容を詳しく見ていきましょう。

  1. (1)危険防止措置義務違反

    交通事故が発生した場合、車両が道路をふさぐ、壊れた物が散乱するなどして二次事故が発生する危険があるため、危険を防止するための措置を行う必要があります(道路交通法第72条1項前段)。

    具体的には、発煙筒や三角表示板を用いて後続車両に事故を知らせる、車両を安全な場所に移動させて交通の邪魔にならないようにするといった措置を指します。事故に係る運転者がこの措置をしなかった場合には危険防止措置義務違反が成立します

    危険防止措置義務違反の刑罰は「1年以下の懲役または10万円以下の罰金」です(同法第117条の5第1項1号)。

  2. (2)報告義務違反

    交通事故に係る運転者が警察に事故の報告をする義務を怠った場合には報告義務違反が成立します(道路交通法第72条1項後段)。

    具体的には報告するべき内容は以下のとおりです。


    • 交通事故が発生した日時と場所
    • 交通事故における死傷者の数および負傷者の負傷の程度、損壊した物およびその損壊の程度
    • 交通事故に係る車両などの積載物やその交通事故について講じた措置


    警察官が現場にいるときは警察官に、警察官が現場にいないときは直ちに最寄りの警察署の警察官に対して報告します。実際には110番通報することになるでしょう。

    報告義務が課されるのは原則としてすべての交通事故ですどんなに軽い事故であっても警察に報告することは義務なので、これを怠れば刑事責任が生じます。たとえば車両同士の軽い接触事故で双方にケガがないときでも、連絡先を交換するだけで済ませようとするのではなく、必ず警察に通報する必要があります。

    報告義務違反の刑罰は「3か月以下の懲役または5万円以下の罰金」です(同法第119条第1項10号)。

    なお、危険防止措置義務違反と報告義務違反は観念的競合の関係にあります。観念的競合とは1つの行為が2つ以上の罪名に触れる場合をいい、重いほうの刑罰が適用されます(刑法第54条1項)。したがって、当て逃げではより重い危険防止措置義務違反の刑罰が適用され、「1年以下の懲役または10万円以下の罰金」に処せられることになります

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5、当て逃げに時効は適用される?

過去に当て逃げをしてしまった方が気になるのは時効かもしれません。当て逃げにも時効は適用されますが、刑事法の時効と民事法上における時効のふたつの側面から確認する必要があります。

  1. (1)刑事事件における時効

    刑事法における時効とは、一般に公訴時効のことを指します。公訴時効とは一定期間が経過すると検察官が起訴できなくなる制度のことです。時間の経過とともに証拠物が散逸して正しい裁判ができなくなること、被害者の処罰感情が弱まるなどして処罰の必要性が低くなることなどを理由に設けられている制度であり、当て逃げにも適用されます。

    公訴時効が成立すると検察官が起訴できないため、裁判にかけられることも、懲役や罰金などの刑罰を受けることもありません当然、前科がつくこともありません

  2. (2)民事上の時効

    当て逃げ事件における民事法上の時効とは、不法行為による損害賠償請求権の消滅時効を指します(民法第709条)。

    不法行為による損害賠償請求権の消滅時効は「被害者または法定代理人が損害および加害者を知ってから3年」または「不法行為のときから20年」です(民法第724条)。消滅時効が完成すると、被害者から損害賠償を請求されなくなります。

    なお、単純な物損事故ではなく人身事故の場合、生命・身体の侵害による損害賠償請求権の消滅時効が適用されるため、上記3年が「5年」に読み替えられます

  3. (3)故意ではない物損事故は刑事事件にはならない

    不注意で物損事故を起こした場合でも、危険防止措置と警察への報告を行えば当て逃げにはあたらず、刑事事件化することはありません違反点数も加算されないため、行政処分も受けずに済みます

    一方、壊した物の所有者などに対する民事責任は発生するため、修理費用などの損害賠償金は支払う必要があります。つまり、物損事故だけなら刑事事件ではなく民事事件にとどまり、時効も民事法における時効のみが問題になります。

    なお、当て逃げでは器物損壊罪が成立すると考える方がいるかもしれませんが、通常、器物損壊罪は成立しません。器物損壊罪は物を壊したことについて故意が必要な犯罪であって、運転の操作ミスなど過失によって交通事故を起こした場合はこれにあたらないからです。もっとも、「この車に傷をつけてやろう」といった意図で車に接触すれば故意が認められるため、この場合には器物損壊罪が成立する可能性がでてきます。

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6、当て逃げの時効期間と起算点

物損事故だけであれば民事上の時効が問題になるにとどまりますが、当て逃げをした場合は危険防止措置違反および報告義務違反として刑事上の時効(公訴時効)も問題になります。

公訴時効は犯した罪の法定刑ごとに異なり、具体的な年数は刑事訴訟法第250条に定められています。

  1. (1)危険防止措置義務違反の時効

    危険防止措置義務違反の刑罰は「1年以下の懲役または10万円以下の罰金」なので、刑事訴訟法第250条2項6号の「長期5年未満の懲役もしくは禁錮または罰金にあたる罪」に該当します。したがって、危険防止措置義務違反の公訴時効は「3年」です。3年が経過するとこの違反について刑事責任を追及されなくなります。

    公訴時効の起算点は原則として「犯罪行為が終わったとき」です物損事故を起こして危険防止措置を行わずに逃げたときから時効期間がカウントされます

  2. (2)報告義務違反の時効

    報告義務違反の刑罰は「3か月以下の懲役または5万円以下の罰金」なので、こちらも「長期5年未満の懲役もしくは禁錮または罰金にあたる罪」に該当します(刑事訴訟法第250条2項6号)。したがって、報告義務違反の公訴時効は3年です。

    なお、観念的競合にあたる場合の公訴時効については、そのもっとも重い刑について定めた時効期間が適用されます。すなわち、当て逃げ事件の公訴時効は危険防止措置義務違反の公訴時効3年が適用されます。

    もっとも、危険防止措置義務違反も報告義務違反も公訴時効は3年なので、単純な当て逃げ事件であれば基本的には問題になりません。

  3. (3)公訴時効は停止する場合がある

    当て逃げ事件の公訴時効は3年ですが、事件から3年が経過しても起訴される場合があります。公訴時効は停止する場合があるからです。

    公訴時効の停止とは時効の進行が一時的にストップすることをいい、以下の事由があります(刑事訴訟法第254条、255条)。


    • 犯人が国外にいる場合
    • 犯人が逃げ隠れしているため有効に起訴状の謄本の送達もしくは略式命令の告知ができなかった場合
    • 共犯者のひとりが起訴された場合
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7、当て逃げを放置するリスク

当て逃げをしてしまったら放置するのではなく、速やかに適切な対応を行うことが大切です。放置すれば以下のリスクが生じることになります。

  1. (1)前科がつく可能性がある

    当て逃げは危険防止措置義務違反および報告義務違反という犯罪行為です。発覚すれば刑事責任を追及され、起訴され有罪になれば前科がついてしまいます。懲役を免れ、略式起訴による罰金で済んだとしても前科がつくことに変わりはありません。

    前科以外にも、免許停止・取り消しの行政処分を受けることで、車の運転が必要な仕事が一定期間できなくなる、通勤に不便を強いられるといった影響もあるでしょう。

  2. (2)後日に逮捕されるおそれがある

    誰も見ていないからと物損事故の現場から立ち去っても、後日逮捕されるおそれがあります

    近年は街中のいたる場所で監視カメラが設置されています。当て逃げされた被害者が警察に被害届を提出し、監視カメラの映像などから犯人として特定されるおそれは否定できません。

    逮捕は被疑者が逃亡または証拠隠滅を図るおそれがある場合の手続きです。当て逃げの場合は一度逃げているため、逃亡のおそれが高いとして逮捕される事態も想定されるでしょう。

  3. (3)示談交渉が難航する

    当て逃げを放置しても警察の捜査によって犯人として特定される場合があります。そのとき被害者と示談交渉をして問題の解決を図ろうとしても、交渉は難航するおそれが大きいでしょう。「逃げた」という事実が被害者の処罰感情を増幅させ、交渉を拒否される場合も考えられます。

    物損事故のあとすぐに対応していれば、物の修理費用など最低限の金銭を支払うことで示談が成立するケースが多数です。しかし逃げたことで、高額の示談金を支払わないと示談が成立しないおそれが生じてしまいます

    また、警察に届け出のない事故については自動車安全運転センターから交通事故証明書が発行されないため、加入している任意保険に対して保険金を請求できない場合があります。本来なら加入中の任意保険から損害賠償金を支払うことができた場合でも、逃げたことにより自腹で支払うことになるリスクが生じるのです

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8、当て逃げをしてしまった場合にすべきこと

当て逃げをしてしまった人はどのような行動を起こすべきなのでしょうか?

  1. (1)すぐに警察に自首する

    まずはすぐに警察に出頭し、事故の事実を説明することです

    事故と犯人が捜査機関に発覚する前に出頭し、自らの処分を求めれば、法律上の自首が成立します。自首が成立すると任意的減軽事由にあたるため、裁判官の裁量で刑が減軽される場合があります(刑法第42条)。当て逃げは最長で1年の懲役に処されるおそれがある犯罪ですが、刑期が短くなる、執行猶予がつく、懲役ではなく罰金で済まされるといった可能性が高まるでしょう。

    法律上の自首が成立せずに単なる出頭にとどまった場合でも、自ら出頭した事実は検察官や裁判官からよい事情として扱われ、不起訴処分や減軽につながる可能性があります。

    また、自首または出頭は逃亡のおそれを否定する事情となるため、逮捕を回避できる可能性も高まります。

  2. (2)被害者と示談をする

    当て逃げ事件に被害者がいる場合は、被害者との示談を成立させることも重要です。

    示談は当事者の話し合いによって民事上の損害賠償問題を解決する手続きですが、一定の被害回復が行われたとみなされ、刑事手続き上も有利に扱われる可能性が生じます。起訴される前に示談が成立すれば、不起訴処分がくだる可能性も十分にあるでしょう。

    反対に被害者との示談が成立しない場合には、刑事事件で有利に扱われる事情がないため、厳しい処分を受けるおそれが残ります。また民事上の損害賠償問題も解決しないため、あとになって被害者から損害賠償を請求されるリスクが残り続けることになります。

  3. (3)弁護士に相談する

    弁護士に相談することも検討しましょう。一般に、交通事故の示談交渉は加入している保険会社が行うケースが多いですが、それとは別に弁護士による示談を検討したほうがよい場合があります。保険会社の示談は民事上の賠償問題を解決することを目的としています。そのため「起訴前に示談を成立させる」「刑事処分を避けるために宥恕(ゆうじょ)意思を盛り込む」など刑事事件への影響を考慮して交渉してもらえるわけではありません。

    刑事事件への影響を少しでも抑えるために示談したい場合や、そもそも任意保険に加入していない場合などは、弁護士への相談が必要です

    また弁護士であれば、自首・出頭に同行して警察に逮捕の必要がないことを主張する、検察官に不起訴処分とするようはたらきかけるといった活動も可能です。ほかにも、警察からの事情聴取に関するアドバイスを受けたり、処分の見込みを知ったりできるでしょう。

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9、まとめ

当て逃げは危険防止措置義務違反と報告義務違反にあたる犯罪です。人が負傷していないからといって義務を怠り事故現場から立ち去れば、あとになって逮捕されるおそれがあります。

逮捕の不安を抱えながら公訴時効の3年が経過するのを待つのではなく、早期に弁護士へ相談して被害者との示談交渉など適切な対応を依頼するのが賢明です。交通事件の解決実績が豊富なベリーベスト法律事務所がサポートしますので、まずはご相談ください。

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本コラムを監修した弁護士
萩原 達也
ベリーベスト法律事務所
代表弁護士
弁護士会:
第一東京弁護士会

ベリーベスト法律事務所は、北海道から沖縄まで展開する大規模法律事務所です。
当事務所では、元検事を中心とした刑事専門チームを組成しております。財産事件、性犯罪事件、暴力事件、少年事件など、刑事事件でお困りの場合はぜひご相談ください。

※本コラムは公開日当時の内容です。
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